アラエス獲得でハーパーが4年ぶりに右翼守備へ 「チームのためなら何でもする」

August 3rd, 2026

ブライス・ハーパーが、4年ぶりに外野へ戻る。

ルイス・アラエス獲得に伴って、守備陣形を大幅に変更。中でもハーパーの右翼へコンバートが大きな注目を集めている。ハーパーが右翼を守るのは2022年4月16日以来で、レギュラーとして外野に就くのは2021年以来となる。

「一番のポイントはハープ(ハーパー)だ。ハープが外野へ回ることが、この構想の鍵になる。これで外野がしっかり固まる」とドン・マッティングリー暫定監督はナショナルズ戦前に語った。

アラエスが二塁に入り、ブライソン・ストットが三塁、アレク・ボームが一塁へ。ハーパーは右翼へ移る。

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ハーパーは以前から「チームのためなら外野へ戻る」と話してきた。

「何年も前から言ってきた。みんなは『どうせ口だけだろ』と思っているみたいだけど、俺は本気だ。勝つチャンスが少しでも増えるなら、この球団のためなら何でもする。その気持ちは球団も分かっている」

ハーパーはトレード期限前夜にも、その考えを球団編成本部長デーブ・ドンブロウスキーへ改めて伝えていた。

「昨夜遅くにデーブへメッセージを送って、『もし良い話があれば、遠慮なく動いてくれ。その後のことは何とかする』と伝えたんだ」

数時間後、ドンブロウスキーはその言葉通り、ジャイアンツから3度の首位打者アラエスと右腕ケーレブ・キリアンを獲得。交換要員として有望株のラモン・マルケスとマーティ・ゲアを放出した。

「以前も言ったけれど、外野へ戻るには“適切な選手”が必要だった。今の自分のキャリアなら、わざわざ別のポジションへ移る必要はない。一塁には満足しているし、大好きなポジションでもある。でも、これはチームのため。勝ちたいからやるんだ」

「アラエスは打線を変えてくれる存在だ」

ハーパーは、新たなチームメートへの期待も口にした。

「何度も首位打者を獲ってきた選手だし、確実にバットに当てられる。本当にワクワクする選手だし、打線に大きなものをもたらしてくれると思う。コンタクト能力は特別だし、自分たちにとって本当に大きな戦力になるはずだ」

一方で、右翼復帰について冗談も飛ばした。

「ビジターでは最悪だろうね。一塁は後ろから何も聞こえないのが最高だった。でも外野へ行けば、またファンから散々ヤジを飛ばされるだろう。それだけがちょっと嫌かな」

もっとも、右翼復帰は簡単ではない。ハーパーは15年間のメジャー生活で外野を1万イニング以上守り、右翼では892試合に先発してきた。しかし、そのほとんどは2022年4月に右肘を負傷し、シーズン終了後にトミー・ジョン手術を受ける前のことだった。

2023年の復帰後は一塁へ転向し、それ以降は一塁に専念してきた。外野へ戻るには、送球距離の長さに対応できるよう肩を作り直す必要がある。

「外野守備は少しずつ慣らしていくことになる。計画を立てて慎重に進めたい。一塁とは動く量も違うし、送球もまったく違う。安全第一で段階的に負荷を上げていく必要がある」と指揮官は話す。

球団は慎重に調整を進める方針だが、ハーパーにはほぼ毎日右翼を守ってもらう予定だ。今季ここまで全試合に出場している。

ハーパー自身も体調には自信を見せた。

「33歳になった今が、ここ最近で一番いい状態だと感じている。健康だし、体も強い。もちろん肩はもっと作らないといけない。一塁では強く投げる機会は少ないからね。ロングトスや肩づくりをしながら、徐々に戻していくことになる」

ハーパーがここまでしてポジション変更を受け入れた理由は、ただ一つ。ワールドシリーズ制覇だ。

フィリーズもこの守備再編が世界一への最善策だと考えている。

トレードデッドラインの3日(日本時間4日)はハーパーは一塁を守ったが、4日にアラエスが二塁でデビューするため、右翼で先発する見込み。ストットも2022年4月13日以来となる三塁へ回る予定だ。

ストットはチームの姿勢をこう表現した。

「2度のMVPでチームの顔でもある一塁手が、自らポジション変更を受け入れてくれた。その姿を見て『自分は動きたくない』なんて誰も言えない。勝つためなら、みんなが役割を変える覚悟を持っている。それが今のフィリーズなんだ。僕たちは全員、ワールドシリーズ制覇だけを目指している」

ハーパーの右翼起用は恒久的なものではなく、少なくとも8月、9月、そしてポストシーズンを勝ち進めば、その間限定となる見込みだ。

「2カ月だね」

そう答えたハーパーは、少し間を置いて笑みを浮かべた。

「いや、3カ月だ」