捕手カル・ローリー、HRダービー出場表明

父が投手、弟が捕手役の「家族競演」

June 27th, 2025

マリナーズの主砲カル・ローリー(28)がホームランダービーへの出場を表明した。今季メジャー最多32本塁打を放つ『全米No.1スラッガー捕手』は、捕手として史上初の優勝を狙う。

地元開催に家族総出場へ

東海岸ノースカロライナ育ちのローリーにとって、アトランタは子供時代に数多くのトーナメントに参加してきた思い出の地だ。

「とてもクールだよ。実家からも近いし、友達からも『出るの?』とたくさんメッセージをもらったので、ようやく安心させられる」と笑顔を見せた。

今回のダービーでは、父トッドさん(元大学コーチ)が投手を務め、15歳の弟トッドJr.(愛称T)が捕手を務める計画だ。現在アトランタ郊外で野球のトラベルチームに所属するTくんは、兄カル(188cm)をすでに超える191cmのビッグブラザーだ。トッドさんは「親としてこれ以上の瞬間はない。あとは下り坂しかないね」とMLB.comの取材に冗談混じりに答えた。

両打席挑戦も視野に

ローリーはスイッチヒッターとしても知られ、今回のダービーでは両打席挑戦の可能性も示唆。「右打席と左打席、両方でやるのもクールだと思う。でもタイムアウトの使い方が重要だね」と語った。ダービーでは3分間x3ラウンドの各ラウンドに45秒間のタイムアウトが設けられており、2023年にオリオールズのラッチマンが両打席で魅せたような『二刀流打撃』を披露する可能性がある。

「右中間が打ちやすいという話もあるけど、トゥルイスト・パーク(会場)は左打席からも結構良い感じだと思う」とも語り、戦略を練っている様子だ。

マリナーズ記録更新への期待

マリナーズからは過去、ケン・グリフィーJr.(3度優勝)、エドガー・マルティネス、アレックス・ロドリゲス、ロビンソン・カノらが出場。捕手としての出場はローリーが初めてだ。グリフィーJr.の3回優勝は未だ破られない最多記録だが、ローリーが勝てば、捕手初、スイッチヒッターとしても史上初の単独優勝者となる(1989年のルーベン・シエラは同点優勝)。

今季HR数で捕手&スイッチ記録更新

今季は開幕から絶好調で、先週のリグレー・フィールドでは捕手として球宴前の最多本塁打記録、スイッチヒッターとしての同記録を同時更新。すでにシーズンMVP候補に名乗りを上げている。

マリナーズの打撃戦略ディレクター、エドガー・マルティネス氏も「今の彼は打撃メカニクスが完璧。ボールの後ろに残り、前で捉えることができている」と称賛を惜しまない。

オールスター選出はほぼ確実

ローリーはまだオールスターに正式に選出されていないが、第1フェーズのファン投票では304万票を獲得し、ア・リーグでアーロン・ジャッジに次ぐ2位。最終候補フェーズは日本時間7月1日午前1時から開始される。地元シアトルではすでに『ミスター・マリナーズ』と呼ばれる存在だが、6年1億500万ドル(約166億円)の大型契約後、全米的知名度も急上昇。今夏、ダービーとオールスターでその名をMLB史に刻む覚悟だ。