21日(日本時間22日)、フェンウェイパークのビジター側クラブハウス。ヤンキースの若き右腕、キャム・シュリットラー(25)の周りにはメディアが半円状に幾重にも集まり、パーカーの下からはオールドスクールなタートルネックがのぞいていた。
シュリトラーは、ロッカーが隣のブレント・ヘドリック(28)に小声で謝罪した。ヘドリックが素早く身支度を整えて立ち去ると質問に答えるために立ち上がった。
「強烈だ。雰囲気も素晴らしい」とシュリットラーは語った。
「ファンも、特にイニングの間は非常に盛り上がっている。ニューヨークとよく似ている。球場側は試合を盛り上げ、ファンを参加させるのが非常にうまい」
シュリットラーはメジャーに昇格してまだ1シーズンも経っていないが、古き良き時代の投手という評価をすでに得ている。かつて歴史ある2球団の間に存在した確執を自らの力に変える本格派右腕だ。
「ライバル関係が刺激になる選手もいる。私と同じように」と語った。
マサチューセッツ州ウォルポールで育った右腕は、レッドソックスのファンだった。フェンウェイパークのマウンドに立つ自分を何度も想像していた。その夢は2020年にプロスペクトのショーケースで登板した際に実現した。23日(同24日)、メジャー最古の球場でメジャーリーガーとして初先発に臨む。
シュリットラーはすでに「悪役」を演じている。昨季のア・リーグ・ワイルドカードシリーズ第3戦で先発し、12三振の好投。レッドソックスのシーズンを終わらせた。その登板は、一部の過激なファンが母クリスティーンにSNSでメッセージを送り「一線を越えた」とシュリトラーが話した後のことだった。
その後、シュリットラーは匿名の投稿者たちが反省することを願っていると述べたが、どうやらそうではなかったようだ。
ボストン近郊で育った右腕は23日(同24日)の先発を前に自身や家族が「殺害予告」を受けていることをニューヨーク・ポスト紙に明かした。父ジョンが同州ニードハムの警察署長を務める右腕は「それほど気にしていない」という。
「6カ月前からこうしたことに対処している」と落ち着いて話した。
シュリトラーは時折、やり返すことを楽しんできた。ワイルドカードシリーズの勝利をヤンキースが祝った際、スマートフォンを手に取り、「あの汚れた水を飲んでいる(Drinking dat dirty water)」と投稿した。
しかし、シュリットラーのアカウントは静かになった。アーロン・ブーン監督(53)は、より慎重になるよう若手右腕と話したと明かし、「SNSでの発信を控えるようにさせている」と付け加えた。
「目標は優勝することだ」とシュリットラーは語った。「このチームの勝利に貢献できるなら何でもしたい。だが、SNSで人々とやり合っても、そこにはたどり着けないと思う」と雑音を遮断した。
ネット上の辛辣な言葉は、シュリットラーが直接経験したこととは対照的だ。オフシーズンの約3カ月間をマサチューセッツ州で過ごし、20日(同21日)の休日にはノースイースタン大学でキャッチボールを行った。
出会ったファンは、親切だったという。
「最初はどのような対応をされるか不安だったが、素晴らしかった」と振り返った。「友人と外出しているとき、人々は非常に敬意を払ってくれたし、オフの間に問題は起きなかった。敬意を欠いているのはネット上の人々だけだと分かり、安心した」と続けた。
「少なくとも日常を過ごしている一般的なボストンのファンは、対面であれば心配するようなことはない」
それでも、シュリットラーは次のオフにボストンでこれほど長く過ごすつもりはないという。
「今年はそうしないだろう。戻って家族や友人に会う機会は良いことだ。だが、それには3カ月もかからない。2、3週間で済ませて、また仕事に戻る」
故郷で過ごすオフシーズンは短くするつもりだ。すぐに次のシーズンへのトレーニングを再開する計画だ。
