カブスは2026年、野手のファングラフス版WAR(総合的な勝利貢献指標)でMLBトップに立っている。指標によっては、攻撃、守備ともにメジャー最高の成績を残している。
ナ・リーグMVP最有力候補のピート・クロウ=アームストロング(24)を中心に、特に守備は歴史的な水準に達している。2018年に導入されたFRV(フィールディング・ラン・バリュー=守備による得点価値)では66を記録。2018年のダイヤモンドバックスが記録した64を上回り、史上最高となっている。
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カブスには、堅実なレベルから球界屈指まで優れた守備力を持つ選手が各ポジションにそろっている。すでに5つのポジションにゴールドグラブ賞受賞経験者を擁し、今季終了後にはさらに複数の受賞者が出る可能性もある。MLB.comが今週実施した予想でも、カブスから3選手の受賞を予想した。
そして、この歴史的な守備陣は前例のない快挙を達成する可能性もある。左翼のイアン・ハップ(32)、中堅のPCA、右翼の鈴木誠也(32)と、先発外野手3人全員が今季のゴールドグラブ賞候補に挙がっている。
ア・リーグ、ナ・リーグを通じ、同一球団が外野3部門のゴールドグラブ賞を独占した例はない。外野手の表彰が左翼、中堅、右翼に分かれた2011年以降はもちろん、1957年の同賞創設から一度も実現していない。
同一年に外野3部門のうち2部門を制した球団はいくつかあり、2025年のカブスもハップとクロウ=アームストロングが受賞した。ただし、3部門独占はまだない。2026年のカブス外野陣が史上初となる可能性がある。
ここからは3選手それぞれの受賞争いを考察する。
【左翼】イアン・ハップ
ハップは左翼手として4年連続でゴールドグラブ賞を受賞しており、今季も5年連続受賞の可能性は十分にある。MLB.comの予想でも受賞者に選ばれた。
ただし、強力なライバルもいる。ハップのFRVは5で、ナ・リーグ左翼手ではブルワーズのジャクソン・チューリオ(22)の6に次ぐ2位。DRS(守備防御点=平均的な守備者と比べて、守備で何点の失点を防いだかを示す指標)は両者とも10で並んでいる。
守備範囲ではチューリオが優位に立つ。OAA(平均より多く奪ったアウト数)はチューリオが4、ハップは0。一方、送球によるFRVではハップが5、チューリオが2で、ハップが上回っている。
受賞争いは、投票者が主要な守備指標のどれを重視するかで決まる可能性もある。また、新たな受賞者を選びたいという投票傾向が影響する可能性もある。レギュラーシーズン残り数週間で、どちらかが差を広げる展開も考えられる。ハップは最近、左投手相手の出場機会が減っており、今週は左膝の違和感にも悩まされた。
【中堅】ピート・クロウ=アームストロング
この部門でカブスに大きな心配はなさそうだ。クロウ=アームストロングはMLBトップのFRV27を記録し、今季メジャーで最も高い守備価値を残している。内訳は守備範囲23、送球4。24歳で2年連続のゴールドグラブ賞受賞はほぼ確実とみられる。ナ・リーグの他の中堅手では、アンディ・パヘス(25)のFRV12が最高だ。
むしろ注目は、リーグ最高の守備選手をファン投票で選ぶプラチナ・グラブ賞(各リーグのゴールドグラブ賞受賞者から、ポジションを問わずファン投票などで最優秀守備選手1人を選ぶ賞)を初受賞できるかどうかだ。こちらもクロウ=アームストロングが有力候補。カージナルスの二塁手JJ・ウェザーホルト(24)がFRV21でナ・リーグ2位につけているが、クロウ=アームストロングが6ポイント上回っている。
【右翼】鈴木誠也
鈴木は2022年にカブスへ移籍するまで、NPBでMLBのゴールドグラブ賞に相当するゴールデン・グラブ賞を5度受賞した。ただ、メジャー移籍後の最初の4シーズンは守備で苦戦し、この期間のFRVは-9。2025年はカイル・タッカー(29)が右翼を守り、鈴木は主にDHを務めた。
しかし、2026年は守備面で大きく改善した。これまで平均的だった送球は今季、球界トップクラスの評価を受け、送球によるFRVは4。守備範囲も大幅に向上し、OAAは自己最高の4を記録している。DRSも13と高く、ナ・リーグ右翼手では2位につけている。
鈴木のゴールドグラブ賞初受賞争いは、今季のハップとよく似ている。鈴木はFRV8で、カーソン・ベンジ(23)の5、コービン・キャロル(26)の4を大きく上回る。ベンジは守備範囲で-2、キャロルは送球で-5とFRVの評価に弱点を抱える一方、鈴木は守備範囲と送球の両面で高い評価を受けている。
ただ、守備範囲ではキャロルが大きくリードする。OAAはキャロルの9に対して鈴木は4。DRSでもキャロルが14で鈴木の13を上回り、MLB.comの予想ではキャロルを受賞者に選んだ。
鈴木、キャロルともにゴールドグラブ賞の受賞経験はなく、今季は初受賞のチャンスを迎えている。受賞者は、投票者がどの守備指標を重視するか、シーズン終盤の内容次第で変わりそうだ。キャロルは今週、腰の違和感で2試合を欠場し、今後の対応を判断するため画像検査を受ける予定となった。さらに欠場が続けば、鈴木が受賞争いで優位に立つ可能性が高まる。
