エンゼルスは5月26日(月)、元ドジャースのユーティリティプレーヤー、クリス・テイラー(34)と1年76万ドル(約1億1,000万円)で契約を結んだと発表した。テイラーは同日の本拠地ヤンキース戦に「8番・中堅」で先発出場し、移籍後初出場を果たしたが、3打数無安打2三振に終わった。試合はエンゼルスが1-5で敗れている。
テイラーは5月18日にドジャースから戦力外通告を受けており、FAとなっていた。今季は28試合の出場で打率.200、2打点と苦しんでいたが、経験豊富なベテランとしての存在感が評価され、同地区ライバルであるエンゼルスが獲得に動いた。
「地元でプレーを続けられるのは嬉しい。ドジャースではあまり出場できなかったが、エンゼルスでは継続的に打席に立てる機会をもらえるのを楽しみにしている」。移籍後初戦を終えたテイラーは、表情を引き締めながら新天地での意気込みを語った。
エンゼルスのロン・ワシントン監督は「彼は戦いを知る男だ。若い選手たちにとっては最高の手本になる」と語り、若手の多いチームの精神的支柱としての役割も期待している。ドジャース時代に培った『勝者のメンタリティ』を持ち込むことが、再建を目指すチームにとって大きな意味を持つと強調した。
2016年にマリナーズからトレードでドジャース入りしたテイラーは、2017年以降は主に内外野の複数ポジションをこなす『スーパーサブ』として活躍。特に2017年のナ・リーグ優勝決定シリーズではMVPに輝き、2020年と2024年のワールドシリーズ制覇にも貢献した。
通算で二塁、遊撃、左翼、中堅の各ポジションで1000イニング以上をこなし、三塁も含めて高い守備適応力を誇る。エンゼルスでは、外野だけでなく内野守備でも起用される予定だ。
エンゼルスの守護神ケンリー・ジャンセンとは2016年から2021年までドジャースで共にプレーしており、「彼と再びチームメートになれるのはうれしい。まだ力は残っているし、きっと貢献してくれる」と期待を寄せた。
一方で、テイラーの加入により、若手のカイレン・パリスがトリプルAソルトレイクに降格となった。パリスは開幕から好成績を残していたが、4月中旬以降は極度の不振に陥っていた。ワシントン監督は「降格は結果が理由ではない。毎日、打席に立たせたいからだ。まだ若く、成長の途中だ」と強調した。」と説明し、今後はマイナーで中堅手として出場を継続する方針を示した。
経験と柔軟性を併せ持つ“万能戦士”の加入により、エンゼルスは浮上のきっかけをつかめるか。 地元に戻ったテイラーの再起に注目が集まる。
