カーショウ、史上20人目の3000三振達成

左腕として4人目、1球団選手として3人目

July 3rd, 2025

クレイトン・カーショウは、その18年のメジャーキャリアで全てを勝ち取ってきた。サイ・ヤング賞に3度輝き、2014年にはナ・リーグMVPを受賞。ワールドシリーズ制覇も経験し、将来の殿堂入りは確実とされている。

しかし、その中でまだ一つだけ手が届いていなかった記録があった。それが通算3000三振。過去に19人しか到達していない記録に昨シーズン終了時点であと32個と迫っていた。

「クレイトンにとっては、キャリアの中で最後に残された『チェックリスト』で、しかもそれをホームのファンの前で達成できるかもしれない。誰もが楽しみにしているよ」とデーブ・ロバーツ監督は語っていた。

そして迎えた2025年7月2日。通算2997三振まで到達していたカーショウは、ホワイトソックス戦に先発すると、六回2死で137キロのスライダーで見逃し三振を奪い、ついに通算3000三振の大記録に到達した。

場内は総立ち。カーショウは帽子を取ってその声援に応え、ベンチでは監督やチームメイトたちと握手やハグを交わした。

これでカーショウはMLB史上20人目の「3000三振クラブ」の一員となり、左腕ではCC・サバシア、ランディ・ジョンソン、スティーブ・カールトンに次ぐ4人目となった。さらに、キャリア全てを1球団で過ごしながらの達成は、ウォルター・ジョンソン(セネタース、現在のツインズ)、ボブ・ギブソン(カージナルス)に次いで3人目という快挙でもある。

1つ目の三振は三回、かつてのチームメイトであるミゲル・バルガスからの空振り三振。2つ目は五回にレニン・ソーサから、こちらも空振り三振だった。

「ここで投げられることを当たり前と思ったことはない。あとどれくらいここでプレーできるかも分からないからね。自分に向けて歓声があがるなんて、本当に特別なことなんだ」

そう語ったカーショウが最初に三振を奪ったのは2008年5月25日。20歳の若さでメジャーデビューしてから17年、多くの打者を泣かせてきた37歳は、まさに『ドジャーブルー』の象徴であり続けている。

現役の選手でこの記録に到達しているのは、カーショウのほか、ジャイアンツのジャスティン・バーランダー、ブルージェイズのマックス・シャーザーの3人のみ。(シャーザーは2021年にドジャース在籍時に達成)

次にこの大台に迫る可能性があるのは、ブレーブスのクリス・セール(36歳、2528三振)、ヤンキースのゲリット・コール(34歳、2251三振)だが、コールは今季トミー・ジョン手術で全休しており、記録達成のために乗り越えなくてはならない壁がいかに多いかを物語っている。

長くメジャーの舞台で戦い続けた者にしかたどり着けない偉大なる3000三振。新たな伝説がまた一つMLBの歴史に刻まれた。