レジェンド左腕が、輝きを放った。
ドジャースのクレイトン・カーショウ投手が二回に登板し、わずか6球で2人のホームランダービー王者を退ける圧巻の投球を披露した。
二回、ナ・リーグ先発のポール・スキーンズ(パイレーツ)に続きマウンドへ。最初に対戦したのは、今年のホームランダービー王者カル・ローリー(マリナーズ)。カーショウはFOX中継でマイクを通じて「ちょっとチーズ(速球)を投げるよ」と宣言し、初球フォーシームでローリーをレフトライナーに打ち取った。
続く打者は2023年ダービー王者のブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)。5球目までは変化球を織り交ぜ、カウント2-2から最後はスライダーで見逃し三振に仕留めた。ゲレーロJr.がバットを振らなかった瞬間、「ど真ん中だった。振らなくてよかった」と安堵の笑みを浮かべた。
交代を告げたドジャースのデーブ・ロバーツ監督はカーショウに「これはお前のだ、持って帰れ」と声をかけてボールを渡した。
放送席にいた殿堂投手ジョン・スモルツとのやり取りも注目された。
カーショウ「何投げようか?スモルツィー、何がいい?」
スモルツ「カット内角かスライダーを内角に」
カーショウ「俺はカット投げないんだよ」
話しながらの影響か、スライダーが逸れると、カーショウは「今、カウントいくつ?2-2?しゃべりながら投げるの変な感じだな。マジで」とユーモアたっぷりに応じ、最後はゲレーロJr.を三振に仕留めると、「これで交代かな。91マイル(約146km)しか出ていないけれど、アウト取れたし、OKだね」と笑顔を見せた。
カーショウは、今月、史上20人目の通算3,000三振を達成し、オールスターに『レジェンド枠』として選出された。前半戦は10先発で4勝1敗、防御率3.38をマークしている。
選出時、ロバーツ監督はこう語っていた。
「これはチャリティじゃない。長年積み重ねた功績への敬意だ。カーショウが野球界にもたらしたものは、グラウンドの内外を問わず計りしれない」
37歳左腕はこれまで2011~17年、2019年、2022~23年にもオールスター出場を果たしている。
