元日本ハム・楽天のポンセ、5年ぶりメジャーでブルージェイズ先発ローテ入りへ

March 24th, 2026

5年ぶりにメジャー復帰したブルージェイズのコディ・ポンセは、春季キャンプの間、毎日、クラブハウスに行くのが楽しみで仕方なかった。

「(チームメイトと)言葉が通じるから、おしゃべりが楽しくて楽しくてたまらないんだ。通訳なしで話せるのが本当に楽しい」

クラブハウスやカフェテリア、練習中の何気ない会話に心が躍り、ちょっとおしゃべりになり過ぎることもある。「ついつい自分がしゃべってしまうので、相手の話に耳を傾ける努力をしている」と笑顔を見せる。

久しぶりの環境に胸が高鳴るのも無理はない。しかし、決して浮き足立っていたわけではない。オープン戦でも着実に結果を残し、ポンセはブルージェイズで先発ローテーションの座をしっかりとつかみ取った。

今春のキャンプでは5試合に登板し、12回2/3を投げて7安打、4四球、10奪三振、1失点。防御率0.71と圧巻の結果を残した。

注目は、球速と空振り率の向上だ。

2021年のパイレーツ時代はフォーシームの平均球速が95.8マイル(約154.2キロ)だったが、今春はさらにアップ。3月13日のツインズ戦では最速97.6マイル(約157.1キロ)を記録した。

2月25日のタイガース戦ではフォーシーム、チェンジアップ、カットボールを軸に22球中14球で空振りを奪い、最速96.7マイル(約155.6キロ)を計測。3月13日のツインズ戦では59球中29球、3月18日のヤンキース戦でも65球中37球で空振りを奪うなど、圧倒的な投球内容を示している。

ポンセはパイレーツで2020年8月にメジャーデビューし、2年間で20試合(先発5試合)に登板し、1勝7敗、防御率5.86、55回1/3で48奪三振の成績を残している。

翌2022年からは日本でのプレーに挑戦。日本ハムで22、23年の2年間、そして2024年には楽天でプレーした。日本では3年間で39試合に登板し、10勝16敗、防御率4.54、202回で116奪三振という記録を残している。

その後、韓国プロ野球(KBO)へ渡り、昨年はシーズン最多奪三振記録(252)を樹立。17勝で最多勝タイとなり、最優秀防御率(1.89)を獲得するなど、個人タイトルを総なめにした。また、年間のリーグMVPにも輝いている。

日本ではシステムの違いに戸惑うこともあった。

メジャーではロースター入りしている選手は試合中もダグアウトに入ることが認められているが、日本では人数制限が設けられている。そのため、登板予定のない先発投手は試合中にダグアウトに入ることができず、ポンセは「自宅で一人で試合を見ていた」と振り返る。 

メジャーの試合では、同じシリーズで登板予定の先発投手たちがベンチに並び、打者の反応や配球について意見を交わしている(であろう)光景がよく見られるが、日本ではそうしたコミュニケーションは難しかった。

「投手と野手では練習も異なるし、一緒に試合を見ることもできないので、なかなか仲良くなるチャンスがなくて寂しいなと思った」

しかし、その異文化での孤独な経験があったからこそ、「自分に向き合い、野球に没頭することができた」と振り返る。

2月中旬、春季キャンプに野手が合流した際、ポンセはタイミングを見て岡本和真に声をかけた。

「自分も海外での生活やプレーを経験しているので、その大変さがよくわかる。何か困ったことがあったらすぐに声をかけてね」

海外での“先輩”として新たに加わる選手を支えたい。そんな思いは、パイレーツ時代にはなかったものだ。

プレミア12でのプレー経験を経て、ポンセは「一度は日本でプレーしてみたい」と思い描いていた。その理由の一つが、球場の応援だった。

「日本では選手ごとに応援歌があり、全員に熱狂的な声援が飛ぶ。マウンドや打席でもファンの声が届き、鳴り物の応援も楽しかった」

メジャーではこうした応援スタイルはあまり見られないが、「ファンのエネルギーが試合へのモチベーションになったので、メジャーでもたまにはああいう応援があるといいよね」と語る。

鳴物の応援ほどではないかもしれないが、トロントのファンも熱狂的だ。ドーム球場に響き渡る声援もきっとポンセをワクワクさせるだろう。

先発の座をつかみ取り、再び大舞台のマウンドに立つ。孤独や挑戦を乗り越えてきたポンセが、メジャーの舞台でどのように戦い、存在感を示すのか。今後の活躍に大いに注目したい。