メジャーで1日もプレーしていない時点でジャクソン・チューリオと長期契約を結んでから、2年半。ブルワーズが、また別の有望株と長期契約を締結するようだ。
今回は内野手のクーパー・プラット(21)。MLBパイプラインによるブルワーズのプロスペクト・ランキングで4位、全体トップ100では62位にランクインしている。USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者が最初に報じた内容によるとプラットは総額5000万ドル(約76億円)をわずかに上回る8年契約を結ぶ見通し。1シーズンあたり少なくとも1500万ドル(約22億8000万円)で球団オプション(契約延長の選択権)が2年付いている。MLB.comなど複数のメディアが報じた。ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者は、保障額は5075万ドル(約77億1400万円)になると伝えている。
ブルワーズはこれらの報道を認めていない。選手やスタッフとの契約延長交渉について、メディアとは一切話さないというのが球団の方針だ。
先週ミルウォーキーでマイナー合流への準備を整えていた際、プラットは「シーズンに向けて十分な準備ができたと感じている。早く良いスタートを切って、近いうちにここに来られることを願っている。自信に満ちていると言いたいが、全ては神の計画次第だ。メジャーリーグでプレーできる力はあると感じているので、その時が来れば準備はできている」と語った。
ブルワーズの球団関係者は口を閉ざしているが、こうしたニュースが流れると、クラブハウスにはすぐに広まる。
「チューリオが契約した時に見たのは、契約によってプレーに専念できる自由が得られた姿だった」
契約が正式発表されていないため、匿名を条件に応じたブルワーズのコーチの1人は語った。
「プラットについても、何も心配しなくていいと分かれば、ケージに入って打撃コーチと調整に取り組む自由ができる。守備力があるのは分かっている。今すぐにでもメジャーで守れる。誰も疑っていない。育成途中の選手の話をしているのではない」
プラットの契約条件に聞き覚えがあるとすれば、それはテネシー州ナッシュビルでの2023年ウィンターミーティングで締結されたチューリオの契約も、8年契約に2年の球団オプションが付いた内容だったからだ。メジャー経験ゼロの選手としては史上最高額となる8200万ドル(約123億8200万円)を保障したその契約は、チューリオが2Aを超えるレベルでわずか6試合しかプレーしていない時期に結ばれた。
一方、プラットは今季の開幕を3Aナッシュビルで迎える。昨季まで2Aより上のレベルでプレーした経験はなかった。昨季のサザン・リーグ(2A)では打率.238、出塁率.343、長打率.348を記録し、メジャー級の守備でアピールした。ブルワーズは2023年のドラフト6巡目でプラットを高校から指名し、135万ドル(約2億385万円)で契約。これは中位指名で高い将来性を持つ選手に予算を振り向ける巧妙な戦略の一環として、規定額を100万ドル(約1億5100万円)以上も上回る金額だった。
プラットにとって今季は2度目のメジャーキャンプであり、先週もレッズとのオープン戦2試合のためにメジャーチームに同行していた。
“You’re talking about a 21-year-old with upside, and if the bat clicks, he’s going to be a monster,” said Brewers Major League Field Coordinator Nestor Corredor. “In my humble opinion, if he hits .250 with 15 homers in the big leagues with that defense, it’s worth it.”
課題は打撃。だからこそワールドベースボールクラシック(WBC)はプラットのような選手に大きな恩恵をもたらした。遊撃手のジョーイ・オーティズ(メキシコ代表)や二塁手のブライス・トゥラン(アメリカ代表)がWBCに出場していたため、プラットはブルワーズのオープン戦18試合に出場した。これはチームで3番目に多い数字だ。
それに加え、ライブBPで登板した投手たちに対しても、多くの打席に立った。
ブルワーズのエリック・タイセン打撃コーチは「今の段階では、ほとんどの若手にとって可能な限り多くの実戦経験を積むことが必要だ。プラットにも、それが最善だろう」と語った。「打席でのアプローチが向上し始め、自身の強みや相手がどう攻めてくるかを理解し始めている。いわゆる実戦感覚だ。プラットが良い打撃技術を持っているのは間違いない」と評価した。
そして、守備は超一流だ。
「守備の面でプラットと一緒に取り組んで分かったのは、この組織にいる誰にも負けないほど正確な動作を繰り返すことができ、誰よりも信頼できるということだ」とブルワーズのマット・エリクソン3塁コーチ兼内野守備担当は語った。
「ジョーイ・オーティズはすさまじい守備の名手だろう? 今、チーム内でオーティズに最も近い存在を挙げるとすれば、間違いなくプラットだ」
プラットは本来は遊撃手だが、エリクソン・コーチはオープン戦の終盤に二塁での出場機会を与えたことを好意的に捉えていた。
同コーチによると、プラットが二塁ベースの反対側で併殺を完成させる際、ほんの数回の練習でおどおどした様子から落ち着きを払った姿へと変わったという。
「非の打ちどころがないだろう?」とブルワーズのパット・マーフィー監督は言った。
「プラットには才能がある。真の野球選手だ。まだまだ先は長く、成長しなければならない部分もあるが、素晴らしい人間であり、素晴らしい努力家だ。メジャーに昇格する時まで、私がこのチームにいられたらいいと願っているよ」
