12月11日:メッツはスクーバル獲得へ動くべきか、それともFA市場を待つべきか
二年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したタリク・スクーバルを巡り、トレードの噂が一段と強まっている。MLBネットワークのインサイダー、ジョン・ヘイマン記者はニューヨーク・ポスト(有料記事)の記事で、「メッツはタイガースとの大型トレードを検討すべきか、それともスクーバルがフリーエージェントになるまで待つのか」というテーマを取り上げた。
メッツはデトロイトの関心を引くに足るプロスペクト層を有している。しかし、トレードしても獲得できるのはスクーバルの1年分の保有権のみである点が最大の懸念材料だ。
一方、FA市場まで待てば、メッツはどの球団と競っても遜色のない資金力を持ち、スクーバルが投手として史上最高額の契約を手にする可能性にも対応できる。
ヘイマンは、メッツにはメジャーで即戦力となる優秀なプロスペクトが揃っていると評価しながらも、「デービッド・スターンズ球団編成本部長はプロスペクトを重視するタイプで、2026年後に退団する可能性がある投手のためにシステムを大きく削ることには慎重だ」と指摘する。
一方で、ドジャースなど有力球団とのFA争奪戦を避けるため、メッツがトレードに傾く可能性もあるとヘイマンは述べている。
先発ローテーションの補強はメッツの大きな課題で、ウインターミーティングでエドウィン・ディアスとピート・アロンソという人気選手を失った今、スクーバルは最上級の選択肢と言えるだろう。
12月11日:パドレスの大型トレードでもタティスは「非売品」
パドレスは今オフ、トレード市場で積極的な動きを見せる可能性が報じられている。しかしながら、その中心に**フェルナンド・タティス Jr.が含まれることはない**と、A.J.プレラーGMが明言した。
プレラーはウインターミーティング期間中、サンディエゴ・ユニオン=トリビューン紙(有料記事)のケビン・エイシー記者に対し、「彼については話すことはない。どのように表現してもよいが、『非売品』と呼びたければ、どうぞ」と語っている。
プレラーの下で、パドレスは毎オフシーズンで注目を集める球団の一つだ。今回のウインターミーティングでは大きな動きがなかったものの、引き続き活発な展開が予想される。ただし、タティスが2026年シーズンを前に移籍することはない見込みだ。
12月11日:ドジャースのグラスナウ、トレード交渉で名前が浮上
すべての投手が健康であれば、2026年のドジャース先発ローテーションは球界屈指の陣容となる。山本由伸、ブレイク・スネル、大谷翔平、佐々木朗希、そしてタイラー・グラスナウの5人は、いずれも高い実力を備えている。
しかしESPNのアルデン・ゴンザレス記者によると、ウインターミーティング期間中にグラスナウの名前がトレード交渉で取り上げられ、ドジャースは放出の可能性も排除していないという。
グラスナウはレイズから2024年に移籍し、2026年と27年に3250万ドル(約50億円)が支払われる契約下にある。また、2028年には球団側の3000万ドル(約46億5000万円)のオプションが設定されており、これが行使されなかった場合には選手側の2150万ドル(約33億円)オプションへ切り替わる。
グラスナウは2024年にオールスターに選出されるなどエース級の能力を持つが、キャリアを通じて故障が多く、一度もシーズン134イニングを超えて投げたことがない。ドジャース移籍後も右肘腱炎で2024年の終盤とポストシーズンを欠場し、今季も右肩の炎症で約10週間離脱している。
一方、ドジャースにはギャビン・ストーン、リバー・ライアン、エメット・シーハンら有望な若手投手が控えており、先発投手の層の厚さからトレードに動く余地がある。見返りは明らかになっていないが、外野の補強は依然としてオフの重要課題とされている。
12月11日:アロンソ退団で、ベリンジャーのメッツ加入の可能性は高まったか
メッツとファンは、球団の象徴的存在だったピート・アロンソがオリオールズと5年1億5,500万ドル(約240億円)で契約合意し、チームを去るのを見守った。メッツは今月初めにも人気選手ブランドン・ニモをトレードで放出しており、外野に空きが生じていたが、アロンソの移籍で、一塁の穴も埋める必要が出てきた。
こうしたポジションを埋められるFA選手は一人。コディ・ベリンジャーである。メッツは以前から30歳のベリンジャーに関心を示していたが、アロンソ退団を受けて、MLBネットワークのインサイダー、ジョン・ポール・モロシによれば、ベリンジャーはメッツにとってさらに適した補強ターゲットになったという。
12月11日:ロイヤルズ、テオスカー・ヘルナンデス獲得に関心(報道)
ドジャースのブランドン・ゴームスGMは、8日(日本時間9日)に外野手テオスカー・ヘルナンデスのトレードについて「まったく想定していない」と述べた。
しかしThe Athletic(有料記事)によれば、チームは依然として慎重にトレード可能性を検討しており、ロイヤルズが高い関心を示しているという。ロイヤルズ外野陣は昨季MLBワーストの73 wRC+で、ヘルナンデスの102 wRC+と比べると明らかに戦力差がある。
33歳のヘルナンデスは今後2年間で約3,160万ドル(約49億円)、2028年には1,500万ドル(約23億円)の球団オプション付き。守備は課題で出塁率.284と低調だったが、過去5シーズンはいずれも25本以上の本塁打を放つ安定したパワーを誇る。
12月10日:ヤンキース、レッドソックス、ジャイアンツらがペラルタに関心(報道)
ウインターミーティングは多くの大型移籍をもたらして幕を閉じたが、今後数週間から数カ月にかけてさらなる動きが予想される。
その一つが、ブルワーズの先発右腕フレディ・ペラルタのトレードだ。The Athleticのケン・ロゼンタールとウィル・サモン(有料記事)の報道によれば、ヤンキース、レッドソックス、ジャイアンツ、オリオールズ、アストロズなどがペラルタ獲得に関心を示し、メッツなど他球団も動向を注視しているという。ブルワーズの関係者はThe Athleticに対し、「多くの球団がペラルタについて問い合わせてきており、良い1週間だった」とコメントしている。
ペラルタへの関心は驚くべきことではない。FA前のクラブコントロール最終年を迎えるペラルタを、チームはトレード候補として注目してきた。ブルワーズは昨季、球団史上最多の97勝を記録したが、エースで29歳のペラルタは先発の大黒柱として、176回2/3を投げ、204奪三振、防御率2.70をマークし、ナ・リーグ・サイ・ヤング賞投票では5位に入っている。
ペラルタは来季の仲裁権最終年で、年俸は約800万ドル(約12億円)と見込まれている。低年俸で高いパフォーマンスを示す右腕は引くて数多だ。ブルワーズは1年分の権利しか残っていないにも関わらず、大きな見返りを求めることは間違いないだろう。