ロサンゼルスのドジャースタジアムから東へ約80キロ、カリフォルニア州の公立名門コロナ高校が今、スカウト陣の注目を集めている。
今年のドラフトでは、同校から最速右腕セス・ヘルナンデス(全米3位評価)、遊撃手ビリー・カールソン(7位)、内野手ブレイディ・イーベル(64位)、そして二刀流のイーシン・ビンガマン(150位)の4選手が1日目の指名候補に挙がる。高校から同時に4人が初日指名されるのは極めて異例だ。
4人は同じ公園出身ではないけれど
彼ら4人は、かつてミネソタ州のダニングパークで育った殿堂入り選手ポール・モリター、ジャック・モリス、デーブ・ウィンフィールドのように、同じ街の公園で育ったわけではない。
だが、南カリフォルニアのユース野球サーキットで幼少期から交流を深め、今は同じチームメートとしてプレーしている。全員がオンライン授業を受けながら、元ヤンキース傘下コーチのブランドン・オリバー氏が共同設立した「Futures Training Center」でトレーニングを積んでいる。
地元で育った4人のスター
この4人は、メジャーリーガーのジョー・ケリーやトリスタン・ベックを輩出した同校で切磋琢磨しながらも、それぞれ異なる道を歩んできた。
エース右腕ヘルナンデスはヤンキースファンで、2年生までホームスクールで過ごし、昨年からコロナ高に編入。カールソンは中学時代にコロナ高の試合を観戦して入学を決意した生え抜きスターで、イーベルは最初の2年間を地元エティワンダ高で過ごし、ビンガマンはより高いレベルを求めて30マイル離れたレッドランズから引っ越してきた。ビンガマンは三塁、二塁、外野を守る万能型で、プロでは投手か野手かで評価が分かれる。「どっちでもいいかな。好きなポジションで評価してくれたら」と本人も柔軟だ。
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全米屈指の強豪チーム
コロナ高は今季28勝3敗の好成績を残し、南カリフォルニア地区準決勝で惜敗。チームにはNCAAディビジョン1にコミットした6選手が在籍し、親たちもチーム全体を応援する温かい雰囲気が伝統となっている。
カールソンは「マイク・トラウトが憧れだけど、最近はタティスJr.の情熱やスワッガー(魅せるスタイル)も参考にしてる」と語る。地元エンゼルスが全体2位指名権を持つだけに、運命の指名にも注目が集まる。
監督の教えは『メンタル最優先』
生徒たちから前向きなコメントが出てくるのは、監督のアンディ・ワイズ氏の影響だ。
サンタアナ大学とロングビーチ州立大学で投手としてプレーした経験を持つワイズ監督は、野球という競技につきものの失敗を乗り越える術を選手たちに教えている。
「『一球一球でベストを尽くそう。そうすれば結果は自然とついてくる』と常に話している。メンタルトレーニングはスイングや肩のケアと同じくらい大切なんだ」と指導方針を語る。
野球一家の選手たち
選手たちの多くが野球家系だ。ヘルナンデスの曾祖父は1920年代の地元クラブ選手、カールソンの母はメキシコ出身で親族にメキシカンリーガーがいる。
イーベルの父ディノは、今季コロナ高の試合にあまり足を運ぶことができなかった。だが、それにはもっともな理由がある。彼はドジャースの三塁コーチを務めているからだ。それでもイーベル一家は、ドジャースタジアムで多くの時間を共に過ごしている。ブレイディと、今季コロナ高でプレーする弟トレイは、ドジャースの打撃練習が始まるずっと前から、父ディノと一緒に内野守備練習をしているという。
野球は代々続く家族の絆でもある。ヘルナンデスの曾祖父ジョセフ氏は1920年代に地元オールスターズで活躍し、カールソンの母メアリーさんはメキシコ・アグアスカリエンテス出身で、親族にはメキシカンリーガーがいる。ビンガマンの父ダスティン氏も短大でプレー経験がある。
SECに進むトッププロスペクトたち
4人全員が名門SEC(サウスイースタン・カンファレンス)の大学にコミットしている。ヘルナンデスはバンダービルト大、カールソンはテネシー大、エーベルはLSU、ビンガマンはアーバーン大へ進学予定だ。
ビンガマンは「南カリフォルニアでは観客が少ないけど、SECは毎日何千人も入る。全然違うよ」と笑顔を見せた。同校は来季もセンターのアンソニー・マーフィー(LSUコミット)やイーベルの弟トレイ(テキサスA&Mコミット)が控えており、2026年ドラフトでも話題となるのは間違いない。
4人の名前がドラフト初日にコールされるその瞬間、コロナ高校は南カリフォルニアの野球史に新たな1ページを刻むことになりそうだ。
