今週末、シカゴで開催されているカブス・コンベンションに合わせて投手陣が集まる中、ジェイムソン・タイオンはケイド・ホートンの最近のブルペン投球を見学。さらに、先発ローテーションに加わる新戦力、エドワード・カブレラがキャッチボールをする様子も目にした。
「みんな球速も球質もすごくて、正直、自分が情けなくなるくらいだよ。ローテーションには確実に“武器”が増えた。本当にワクワクしている」とタイオンは笑いながら語る。
今オフ、カブスのフロントが最優先課題として掲げていたのは、先発ローテーションの層を厚くし、三振を奪える投手を加えることだった。ファンフェストが始まる頃までに、編成本部長ジェド・ホイヤーはその狙いを着実に形にしてみせた。
今月初めにマーリンズから獲得したエドワード・カブレラは、その象徴的なピースのひとつだ。剛腕右腕の獲得には、長距離砲の外野手オーウェン・カイシーを含む有望株3人を放出する大きな代償が伴った。さらに左腕・今永昇太とも契約面の調整を重ね、最終的に今永が1年のクオリファイング・オファーを受諾。2026年シーズンもカブスでプレーすることが決まった。
カブスは先発・ブルペン両面の層を厚くする目的で、ベテラン右腕コリン・レイとも再契約を結んだ。昨夏はその役割を見事に果たしており、現時点ではマシュー・ボイド、エドワード・カブレラ、ケイド・ホートン、今永昇太、ジェイムソン・タイオンという主力5人の後に控える存在となる。さらに左腕ジャスティン・スティールも、シーズン前半での復帰を目指して調整を続けている。
「とにかく層が厚い。8人から10人は、いつ登板しても“今日は勝てる”と感じられる投手がいる。特に、今の守備陣が後ろにいることを考えるとね。打球が飛んでも安心感があるし、今年の投手層には本当に手応えを感じている」とスティールは先発陣について語る。
デプスチャート上では、ハビエル・アサド、ベン・ブラウン、ジョーダン・ウィックスが続き、開幕時点で先発、ブルペン、あるいは3Aアイオワのいずれかに配置される可能性がある。また、MLBパイプラインのトップ100有望株(全体67位)に名を連ねるジャクソン・ウィギンズも視野に入っており、昨季はマイナーでの飛躍を経て3Aまで到達している。
クレイグ・カウンセル監督もホイヤー編成本部長も、「投手は十分」と口にすることは決してないが、少なくとも今季開幕に向けた土台はしっかり整った印象だ。昨年10月、ナ・リーグ地区シリーズに進出した頃には、負傷や不振、ポストシーズン特有のロースター構成の影響で、先発陣は大きく目減りしていた。
「(地区シリーズの後に)7試合制を戦うことになっていたら、相当厳しかっただろう」。
カブス・コンベンションのパネルディスカッションで、ホイヤー編成本部長はそう振り返った。
「だからこそ、今オフの最大のテーマの一つが投手層の強化と、三振を取れる力だった。カブレラ獲得の一番の魅力もそこにある。2026年は投手陣にとって“消耗戦”のようなシーズンになる。162試合を乗り切るには、オフの段階でどれだけ積み上げられるかが重要だと思っている」
昨季後半に防御率1.03と圧巻の成績を残し、ナ・リーグ新人王争いで2位に入ったホートンは、プレーオフで離脱の原因となった肋骨の負傷から完全復調。4月に左肘の手術を受けたスティールも、10月に投球練習を再開し、16日は術後初めてマウンドに上がった。
ボイドは自身初のオールスター出場を果たし、昨季は31先発で防御率3.21。タイオンもシーズン終盤7試合で防御率1.85と好調を維持し、10月にはチーム最高の先発投手だった。今永昇太は波のあるシーズンとなったが、わずか1年前にはオールスターに選ばれ、サイ・ヤング賞候補にも名を連ねている。
そして今、カブスにはカブレラが加わった。昨季は137回2/3を投げて150奪三振、防御率3.53を記録。5月4日から8月8日までの16試合では、防御率2.22と圧巻の投球を披露している。
「これから全盛期に入っていく投手だと思う。才能があり、これまでしっかりとイニングを積み重ねてきた。その経験が彼を成長させているし、実際に良くなっている。さらに一段階、レベルを上げる準備が整っている投手だと思う」とカウンセル監督は期待を寄せる。
ホートンも、この補強を大歓迎する。
「本当に大きいよ。パワーアームがもう一人加わるわけだから。チームにとってすごくプラスになるし、何より層の厚さが出てくる。それは10月に必ず生きてくる。正直、すごくワクワクしているし、みんなが戻ってきてくれるのも嬉しい。去年は、本当にあと一歩のところまで行ったからね」
