カブスが10月の切符を手にした今、クレイグ・カウンセル監督ら首脳陣は目前に迫るポストシーズンに向けた先発ローテーションのプラン作りに着手する時期を迎えている。数日以内には、プレーオフ初戦に誰を想定しているのかが、より明らかになっていくだろう。
「柔軟に対応できるようにゲームプランを作っている段階だ」とカウンセル監督はレッズ戦(0−1で敗戦)の前に語った。
現状、カブスは、ルーキーのケイド・ホートンを第1戦のマウンドに立たせるべきか、あるいは左腕今永昇太(32)のような経験豊富な投手を起用すべきかという議論を抱えている。最も可能性が高いシナリオであるナ・リーグのワイルドカード・シリーズ(3戦先勝で勝ち抜け)では、3人目の先発は「必要なら」という位置づけだ。
18日の敗戦でカブス(88勝65敗)はナ・リーグ中地区首位のブルワーズ(94勝59敗)との6ゲーム差に広がり、レギュラーシーズン残りは9試合となった。一方で、ナ・リーグのワイルドカード首位ではパドレス(83勝70敗)に5ゲーム差をつけており、9月30日開幕のワイルドカード・シリーズを本拠地のリグレーフィールドでパドレスを迎え、戦う見込みだ。
総力戦となるそのシリーズでもし第3戦までもつれるなら、左腕マシュー・ボイドや右腕ジェイムソン・タイロンが有力候補とみられる。また、先発のハビエル・アサッドとコリン・レイも控えており、とくにレイは18日、レッズの剛腕ハンター・グリーンと投げ合い、自己最多の11奪三振を記録するなど7回を力投した。
「素晴らしい先発だった。間違いなく、彼のキャリアの中でもトップクラスの先発の一つだったと思う」とカウンセル監督はレイについて語った。
指揮官はカブスの先発ローテーションの具体的なプランをまだ明かしていない。「この段階で言う理由はない」とも説明している。ただし日程的に見れば、第1戦はホートンか今永になる可能性が高く、さらに一部の先発陣には必要に応じてリリーフ登板を受け入れてもらう考えだ。
「アウトを取る投手がチームにいてくれることがいい。プレーオフ、この時期になると選手たちも分かっている。ここに来るまで本当に努力してきたわけだし、試合の性質も変わる。きょうの試合がそうというわけではない。ただ10月に入れば、試合は変わる。そして試合が変わる理由は、ワイルドカード・シリーズ第1戦では敗退まであと2敗しかない状況になるからだ。だからこそ判断も変わる」
ベテランのレイは、1安打完封9奪三振と好投したグリーンに食らいつこうと懸命に投げ、レッズ打線を4安打1失点に抑えた。この結果、今季カブスでの投球回数は153回2/3となり、チームではボイドに次ぐ2位となった。
カウンセル監督は「もしシーズン前に『レイにこれだけのイニングを投げさせることになる』と言われたら、それは心配な数字だと感じただろう」と認めた。それでも指揮官は、度重なる故障を乗り越え、先発とオープナーを合わせて13人もの投手を起用してきた先発陣において、右腕レイを「チームをつなぎ留める接着剤」と評した。
カブスは4月に左肘を痛め手術に踏み切ったジャスティン・スティールを今季全休で失った。今永、タイロン、アサッドも負傷者リスト入りを経験。さらにトレード期限で獲得したマイケル・ソロカも8月に右肩を痛めて離脱し、リリーフとして復帰したばかりだ。
「これはコリン(レイ)がやってきたことの証明だ」とカウンセル監督は語る。「そして、彼のまわりにいるみんながステップアップしてイニングのパズルを埋めてきたことの証明でもある。必要に応じてやってほしいと願っていた役割をコリンはしっかり果たしてくれた。これだけの投球回を担えることは分かっていたし、実際にこなしてくれている。ケガは必ず起こる。その中には深刻なものもあったが、彼はずっと健康でマウンドに立ってくれている。質の高いイニングを積み重ね、チームの勝利に貢献してきた」
そしてシーズン序盤にローテーション入りを即座に受け入れたように、ポストシーズンでリリーフ転向を求められれば、レイはその準備もできている。
「シーズンは本当に長いし、全員が貢献する必要がある」とレイは語った。「他球団から加わった選手たちも素晴らしい仕事をしてくれているし、スプリング・トレーニングから一緒にやってきたメンバーも健在だ。どんな役割でも自信を持って引き受けようとする姿勢、それがこれから先、チームにとって大きな力になる」
