有望株ラッシング、新たな役割が成長の糧に

June 24th, 2025

ドジャースがダルトン・ラッシングをメジャーに昇格させてからおよそ1カ月。バックアップへの役割の変更は、毎日のように試合に出ていた若手捕手にとって簡単なものではなかった。

しかし先週、ラッシングは先発した2試合で4打数3安打3四球という充実のプレーを披露。水曜日には試合の流れを変える2点適時打を放ち、日曜日の試合では4打席すべてで出塁した。

「今日は良い試合ができただけ。特に何かを変えたというわけじゃなく、ここ数試合と同じように取り組んだよ」と日曜日に語った。

ドジャースの正捕手は3度目のオールスター選出が確実視されるウィル・スミス。乗り越えなければいけない壁は高い。ラッシングは昇格時、ベテランのオースティン・バーンズに代わる攻撃的な捕手として期待された。なお、そのバーンズはロースター枠を空けるためにDFA(戦力外)となっている。

火曜日の時点で、ラッシングは16試合(12先発)で打率.244、出塁率.333、長打率.356、24三振、6四球。数字自体は特筆すべきものではないが、OPS+は96で、バーンズの44打席でのOPS+ 46に比べれば攻撃面で大幅なアップグレードになっている。

球団としては、ラッシングをメジャーの舞台で正捕手として完成させるのが目的。ピッチングスタッフとの連携や守備面の成長を重視しており、その点で高い評価を受けている。

しかしラッシングは「ただの控え」で満足するタイプではない。限られた打席でも結果を残そうと常に機会を狙っている。

「彼はこれまでバットで結果を出すタイプの選手だったから、そこはまだ成長段階にある。今のチームでの価値は、話を聞き、見て、学び、そして守備面で支配力を発揮することで、攻撃面での貢献は今のところ“ボーナス”のようなものだ。もちろん、いずれは攻撃でも頼れる存在になるだろう。ただ現時点では、質の高い打席を積み重ね、ボール球を振る癖を減らしていってほしい」と、デーブ・ロバーツ監督は語った。

ラッシングもその役割を受け入れ、限られた先発機会や代打での出場に向けた最適な準備方法を模索中だ。例えば、実戦に近い打撃練習を積極的に取り入れることで、タイミングを保つ努力を続けている。

「以前のように、球場に来てすぐに試合というわけじゃない。こっちではもっと野球の流れとか、ピッチャーの特徴、メジャーでの状況判断を理解しないといけない。毎日学ぶことばかりで、それが将来の大きな財産になる」