ボーゲルバック、新天地ブルワーズでのコーチ就任を語る

January 9th, 2026

ブルワーズのパット・マーフィー監督が今季に向けて再編したコーチ陣。その中で、最もなじみ深い存在がダニエル・ボーゲルバックだ。2020、21年にミルウォーキーでプレーし、9年間にわたってメジャーリーグでキャリアを重ねてきた。

33歳のボーゲルバックは、2024年まで現役選手としてメジャーでプレー。2025年はパイレーツで特別補佐を務めた。MLB.comの取材では、コーチとしての哲学に加え、かつて本拠地として戦った街で新たな役割を得た意味、そして「本音を伝えること」の大切さについて率直に語っている。

MLB.com:これまでの野球人生を振り返って、良い打撃コーチとはどんな存在だと思いますか。

ボーゲルバック:メジャーリーグで意外と見落とされがちなのは、シーズンがどれほど過酷で、長い浮き沈みの中で選手が「自分は本当に打てるのか」と疑い始めてしまうという点だと思います。もちろん、メカニクスやスイングの判断、アプローチは重要です。本当に過小評価されているのは、毎晩「自分にはチャンスがある」と選手に信じさせること。体調がどうであれ、スイングの感覚がどうであれ、その日のケージでの手応えがどうであれ、とにかく自分を信じさせることができる。そういう存在こそが、最高の打撃コーチだと思います。

MLB.com:昨季のブルワーズ打線は、選球眼やアプローチの面で大きく成長しました。そこはあなた自身の現役時代の強みでもありましたが、どんなグループに加わることになりますか。

ボーゲルバック:私の目には、とても良いグループに映っています。いい選手がそろっていなければ、地区優勝を果たし、あと1シリーズでワールドシリーズというところまで行くことはできません。外から見て驚いた人もいるかもしれませんが、選手本人たちにとっては決して驚きではないはずです。彼らは自分自身を信じていますから。結局のところ、勝負の半分は「自分ならできる」と信じることだと思います。

ブライス・トゥラングが米国代表でプレーすることについても同じです。彼本人やブルワーズ内部の人間以外で、開幕から正二塁手になると本気で信じていた人がどれほどいたでしょうか。ですが、離れた立場で、しかも対戦相手として見ていても、彼は間違いなくリーグ屈指の選手です。それを周囲に証明し始めたのは、本当にクールなことだと思います。

「できない」と見られていたチームが、いつの間にかマークされる存在になる。どれだけ力があっても、それを隠し続けることはできませんからね。

MLB.com:エリック・タイセン、ギレルモ・マルティネス両打撃コーチとの話し合いはどんなものでしたか。3人体制でどう機能していくと考えていますか。

ボーゲルバック:大きく分けて、ポイントは2つあると思います。まず、チーム全体としてのメッセージは、最初にマーフ(マーフィー監督)から示される。チームとしてどうありたいのか、何を目指すのか。その考え方は、打撃部門として一つの声で選手に伝えていきます。

一方で、選手は一人ひとり違う。同じ内容でも、伝え方は変わってきます。メカニクスを重視した説明を求める選手もいれば、感覚的なアプローチを好む選手もいる。それでも最終的には、同じメッセージを届けることができるんです。打撃コーチが1人でも10人でも関係ありません。大事なのは「どうやって選手を良くするか」。クラブハウスの誰に聞いても、最終的な目標は「最後まで勝ち残るチームになること」だと思います。

MLB.com:ミルウォーキーに戻ってくることについて、どう感じていますか。

ボーゲルバック:妻は本当にミルウォーキーが大好きで、家族としても素晴らしい時間を過ごしました。ここは特別な場所です。勝つ文化があり、物事を正しいやり方で進めている。それは毎年の結果が証明していますし、その一員になれることをうれしく思っています。

どこでもこの仕事を受けなかった、というわけではありません。ただ、ここは心から楽しめた街。最高の環境に身を置き、勝ち続けてきた人たちのそばにいたいと思いました。その象徴がマーフです。何かを学ぶなら、あらゆるレベルを経験し、すべてを見てきた人から学びたいのです。

マーフのすごさは、何を考えているのか分からない、ということが一切ない点です。必ず言葉にして伝えてくれる。それはこの競技に限らず、この世界全体で、もっと評価されるべき姿勢だと思います。多くの人は反応を恐れて本当のことを言えない。でも、マーフにはそれがない。

それを人として、選手として受け止めることができれば、必ず成長できる。私自身も、より良いコーチになれると思っています。彼は常に、個人としても、選手としても、友人としても、最高のものを引き出そうとしている。そうした姿勢こそ、この世界にもっと必要だと思います。

だからこそ、今はワクワクしています。学ぶのが楽しみですし、ほんの少しでも前進の助けになれたらうれしい。このシーズンがどう進んでいくのか、そして最後に望む形で終えられることを願っています。