「ギアを上げた」ライルが延長戦で一気に駆け抜けたランニング本塁打

September 21st, 2025

メッツ3−5ナショナルズ】ニューヨーク/シティフィールド、9月20日(日本時間21日)

デイレン・ライルは目を見張るスピードでダイヤモンドを駆け抜け、球団のシーズン三塁打記録を更新するかに思われた。だが、ルーキー外野手は三塁をそのまま駆け抜け、本塁へ向かった。

延長11回、ライルがタイラー・ロジャースから勝ち越しのランニング本塁打。ナショナルズが5−3でメッツに勝利した。

「二塁を回った瞬間、打球がフェンスからどう跳ねたかを見て、さらにギアを上げた」とライル。「もしかしたらランニング本塁打までいけるかもしれない、と思った」。

メジャーで延長戦のランニング本塁打が出たのは、2020年8月12日にオリオールズのオースティン・ヘイズがフィリーズ戦で放って以来。2005年創設のナショナルズとしては延長戦でのランニング本塁打は球団史上初だった。延長を除くイニングでは球団史上9人が記録しており、直近は2022年9月16日のジョーイ・メネセス(対マーリンズ)だ。

左打ちのライルは、カウント2-2からリリーフ右腕のタイラー・ロジャースのシンカーをライナーで捉えた。打球はセンターのフェンス下部で跳ね、セドリック・マリンズからライト方向へと転がった。スタットキャストによると、打球は風に約10フィート(約3メートル)押し戻され、フェンス越えの本塁打にはならなかった。

メッツ中堅手のマリンズは「(打球を追う際に)まずまずのスタートは切れた。捕球できるチャンスがないと判断した瞬間に減速して、フェンスの跳ね返りに備えた。直感的なプレーだ。できることをやるだけ。やろうとしていたことは分かっていたが、実行し切れなかった」と振り返った。

ライルはホームまで14.86秒で1周し、スタットキャスト導入以降でナショナルズ最速のホーム到達タイムを記録した。三塁コーチのリッキー・グティエレスが本塁突入を指示し、マリンズの中継への送球がそれる中、ヘッドスライディングで生還した。

「(塁を駆けている間は)周りの声はほとんど聞こえない。ただ、本塁を駆け抜けた瞬間にスタンドが一気に静かになって、それが心地よかった」とライルは語った。

シティフィールドでランニング本塁打が出たのは、2017年7月16日のロッキーズ、チャーリー・ブラックモン以来。

先発して5回無失点のケイド・カバリは「打球がフェンスに当たったのを見た瞬間、デイレンが一段ギアを上げて走り出したのが分かった。ベンチは大騒ぎで『行け! 行け! 行け! そのまま!』って。彼は本当に速い。すごいスピードだ。信じられないプレーだった」と話した。

この決勝のランニング本塁打で、ライルのルーキーイヤーの9月はさらに輝きを増した。1カ月間で三塁打7本以上かつ本塁打4本以上を記録したのは過去85年間で4人目。過去の達成者は、ベイダ・ピンソン(1963年6月)、ウィリー・メイズ(1957年6月)、イーノス・スローター(1942年7月)だ。

ライルの9月は打率.370、出塁率.425、長打率.753の好成績を挙げている。

ミゲル・カイロ監督代行は「彼はどの打席も捨てない。27個のアウトを取り終えるまで全力。きょうは(延長戦なので)それ以上で、30いくつだったが、戦い続ける。チームの粘り強さ、メジャーに居続けたいという強い思いには本当に驚かされる」と語った。