アスレチックスのデンゼル・クラークにとって、カナダ・トロントで行われるブルージェイズとの4連戦はとても特別なシリーズだ。5月23日のフィリーズ戦でメジャー昇格を果たしたクラークは、始めて地元で「メジャーリーガー」としてプレーをする。4日間で150〜200人の友人や家族が応援に駆けつける予定だという。
シリーズ2戦目、クラークは地元ファンの度肝を抜くような驚異的な守備を披露した。四回、ブルージェイズのアレハンドロ・カークが放った左中間への飛距離407フィート(約124メートル)への当たりを、クラークはジャンプしながらフェンスを駆け上がり、フェンス上でスーパーキャッチを見せた。
30球場中11球場ではホームランになっていた当たりの好捕に投手のミッチ・スペンスは信じられないという様子で両手を頭の上に置き、ベンチも大歓声に包まれた。
「今まで見た中で一番すごいキャッチのひとつかもしれない。打たれたときは、正直『やばいな』って思ったけれど、顔を上げたら、スパイダーマンみたいに壁を駆け上がってる姿が見えたんだ。身体能力がちょっと凄すぎるでしょう。ベンチではハグしまくったよ」とスミスは振り返る。
クラークは捕球後はすぐに内野に送球すると、外野手たちに右手の人差し指でアウトを示し、スクリーンに自らのスーパープレーが映し出された際もクールにやり過ごした。
「(スクリーンでは)自分のルートが良かったのか、タイミングが合っていたかを確認するのが好きなんだ。あのキャッチは全てがうまくいったので、本当にうれしかった」とクラーク。
クラークはさらにジョージ・スプリンガーの393フィート(約120メートル)の大飛球も右中間フェンス際で好捕。打撃でも五回にクリス・バシットからライト前ヒットを放ち、地元トロントのファンの前で、攻守にわたってルーキーが躍動した。
