ドジャース、NLCSで痛恨の4連敗 露呈した課題とチームの転換点

5:56 AM UTC

【ブルワーズ6−4ドジャース】ロサンゼルス/ドジャースタジアム 10月15日(日本時間16日)

ドジャースの過去2シーズンは、シャンパンやビールが飛び交い、葉巻の煙が立ち込める祝勝会で幕を閉じた。

しかし、今年のドジャースタジアムに歓喜の光景はなかった。ホーム側のクラブハウスでは、敵地側で祝勝ムードに沸くブルワーズを横目に、悔しさを噛みしめる選手たちの沈黙が広がっていた。

ワールドシリーズ3連覇は、手の届かない夢ではなかった。だが、同時に簡単に成し遂げられる偉業でもない。その現実を、ドジャースは突きつけられた。

2年連続王者は、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)で4連敗。第4戦も4-6で落とし、タイトル防衛に失敗した。ブルワーズは1982年以来となるワールドシリーズ進出を決めた。一方、ワールドシリーズ史上5度目の3連覇、そしてナ・リーグ球団初の快挙を目指したドジャースの挑戦は、ここで幕を閉じた。

試合後、デーブ・ロバーツ監督やミゲル・ロハス、ムーキー・ベッツらはチームメートに声をかけた。

今季限りで現役を引退するロハスは、悔しさをにじませ、目を潤ませながら「こんな形でシーズンを終えたくなかった。僕たちはいつだって、シーズン最後の試合に勝ちたいと思っているから。でも、どれだけいいチームで、才能のある選手がそろっていても、野球では何も保証されないんだ」と声を絞り出した。

ドジャースは過去2年、連覇への道のりで追い込まれながらも、そこからはい上がってきた。2024年の地区シリーズではパドレスに1勝2敗から逆転。2025年のワールドシリーズでもブルージェイズに2勝3敗と追い詰められた状況から勝ち上がった。

しかし、今回は3連敗からの反撃はならなかった。7回戦制のポストシーズンシリーズで、0勝3敗から逆転したのは2004年のレッドソックスだけだ。

連覇という偉業を成し遂げても、今季の終わり方への悔しさは消えない。エリアス・スポーツ・ビューローによると、前年のポストシーズンで一方のチームが相手をスイープし、翌年に同じ顔合わせが実現したのは今回が史上8度目。再戦を制したのは1923年のヤンキース以来2チーム目で、前年の相手をスイープして雪辱を果たしたのは史上初だった。

フレディ・フリーマンは、ブルワーズの強さを認めた。

「こういうこともある。ブルワーズを称賛しないといけない。彼らは本当にいい野球をした」

この3年間、ドジャースには共通するパターンがあった。オフには大型補強を敢行する一方、シーズン中は負傷者が続出。ポストシーズンを迎える頃には、何らかの弱点を抱えていた。

2024年は先発陣の層の薄さ、2025年はブルペンの不安定さが課題だった。それでも弱点を乗り越え、球団史上8度目、9度目の世界一を手にした。だが、2026年は勝負どころで一本が出ないという打線の課題を最後まで克服できなかった。

地区シリーズではブレーブスを4試合で退けたものの、NLCSではブルワーズ投手陣に打線を封じられた。頼みの先発陣まで攻略され、チームの強みがことごとく機能しなかった。

トレード期限で加入したタリック・スクーバルは5回2失点と好投しながら敗戦投手に。第2戦では山本由伸が2回2/3で降板し、ポストシーズンで自己最短の先発登板に終わった。第3戦ではブレイク・スネルが3本塁打を浴びた。それまで今季の10先発で一度も本塁打を許していなかった左腕にとって、予想外の展開だった。そして第4戦では、タイラー・グラスノーが4点のリードを守り切れなかった。

先発陣は計18イニングで自責点13、防御率6.50。期待された投手陣が、本来の力を発揮できなかった。

スクーバルは、連覇の難しさをこう語った。

「ドジャースが過去2年間に成し遂げたことを見ると、簡単そうに思えるかもしれないけれど、実際はそうではない。ワールドシリーズで勝つことは、野球で最も難しいことだ。僕も難しくなると思っていた。簡単にできるなら、もっと多くのチームが達成しているはずだから」

打線も最後まで本調子を取り戻せなかった。

皮肉にも、移籍1年目のレギュラーシーズンでは期待に応えられなかったカイル・タッカーが、ポストシーズンでは最も安定した打者となった。4年総額2億4000万ドルの契約で加入した外野手は、打率3割3分3厘、出塁率4割1分9厘、長打率5割1分9厘をマークした。

しかし、チーム全体では好機を生かせない場面が続いた。得点圏では43打数5安打。大谷翔平は右上腕二頭筋と左膝に残る負傷の影響を抱えながら、第4戦で特大の3ランを放ったものの、粘り強く戦うブルワーズを相手に反撃は遅すぎた。

ベッツは、好機を得点につなげられなかったことを悔やんだ。

「全体として、チャンスはたくさんあった。得点の機会をつくっても、打てることもあれば、打てないこともある」

先発陣が崩れ、打線も沈黙。今季、大きく改善したはずのブルペンも、NLCSでは安定感を欠いた。

第4戦ではタナー・スコットが六回、ギャレット・ミッチェルに勝ち越し本塁打を浴びた。ポストシーズンでは復調していたもう一人の大型補強選手、エドウィン・ディアスもデビッド・ハミルトンにソロ本塁打を許した。

長いシーズンの疲労も影響したのかもしれない。

ドジャースは2024年にソウル、2025年に東京でシーズンをスタートし、いずれもワールドシリーズまで戦い抜いた。2年連続で長いシーズンを過ごすうちに、疲れが蓄積していた可能性もある。

野手陣の平均年齢はメジャー全体で最も高い30.9歳。ベテラン中心のチームが抱える課題も、表面化し始めたのかもしれない。

マックス・マンシーは、チームへの思いを語った。

「本当に特別なチームで、特別なクラブハウスだ。今、どれだけつらいか、言葉にするのも難しい。自分たちがいいプレーをできなかったことは、みんな分かっている。でも、この3年間、僕たちは毎年、持てる力をすべて出し切ってきた。ついに、列車が走り続けるための燃料が尽きたのかもしれない」

ドジャースの中核を担う選手の多くは、今後もチームに残る見通しだ。常勝チームとしての力が、すぐに失われるわけではない。それでも今回の敗退は、チームが一つの時代から次の時代へと移る転換点になる可能性がある。

これからは、若手の育成と世代交代が重要になる。プロスペクトの昇格に伴い、現在の野手陣の顔ぶれを一部入れ替える必要も出てくるだろう。

今回が、ドジャースの一部の選手にとって最後のポストシーズンになるかもしれない。一方、このチームで長く優勝争いを続ける選手もいるはずだ。

どのような変化が訪れようとも、ロサンゼルスで過ごした時間が特別だったことに変わりはない。

ロバーツ監督は敗戦を受け止めながら、スポーツの本質に触れた。

「負けるのは、いつだってつらい。ただ、相手に実力で上回られたのなら、少しは受け入れやすい。僕たちがスポーツを愛する理由の一つは、どれだけ準備をしても、どれだけ勝ちたいと思っていても、結果が保証されているわけではないからだ。何が起こるか分からない。それこそが、スポーツの素晴らしさなんだ」