【NLDS】ドジャース対フィリーズ:ポジション別に徹底比較

October 2nd, 2025

過去2シーズンで、メジャー最多勝利数を誇る2チームは

•ドジャース:191勝

•フィリーズ:191勝

ワールドシリーズでも、ナ・リーグ優勝決定シリーズでもないが、このナ・リーグの地区シリーズ(NLDS)は「今のMLBで最も強い2チームの対決」と言っていいかもしれない。

注目ポイントはたくさんある。

まずナ・リーグMVPの最有力候補2人が「意外な形で」対決すること。指名打者同士による文字通りの「直接対決」なんて普通ない(笑)。さらに、ある指標ではMLBで最強の2投手陣がぶつかる。さらに、どちらのブルペンにも、「時速160キロ超の剛腕」がシーズン後半に加わったのも見逃せない。

そして、両者がポストシーズンで対決するのは、2008~09年にフィリーズが2年連続でドジャースを倒してナ・リーグ王者になって以来だ。

というわけで、両チームを徹底分析プレイボール!

捕手:フィリーズが優勢

今季途中までは、ドジャースのウィル・スミスが断然リードしていた。打撃ではアーロン・ジャッジに次ぐ数字を叩き出していたが、8月に失速(打率.159)、その後は右手の骨のヒビで9月はほぼ欠場し、WCSも出場していない。一方、フィリーズのJ.T.リアルミュートはシーズン前半こそ苦しんだが、7~8月に復調の兆し(OPS .818)。スミスが健康なら彼に分があるが、現状ではフィリーズに軍配が上がる。

一塁手:僅差でドジャースが優勢

ブライス・ハーパー vs. フレディ・フリーマン。どちらも将来の殿堂入り確実な左の強打者だ。ハーパーは27本塁打、OPS+129と上々だが、近年の成績と比べるとではやや物足りない内容。一方、フリーマンはシーズン後半に上昇している。wRC+では2年連続で両者とも138という完全に一致しているが、終盤の勢いでフリーマンを推したい。

二塁手:フィリーズが優勢

ドジャースはミゲル・ロハス&トミー・エドマンの併用だが、エドマンは足首を痛めており不安が残る。対してフィリーズのブライソン・ストットは、7月まで打率.233と低迷していたが、7月23日に第一子が誕生して以降、打率.310・OPS.880と「別人級」に。打撃のアプローチも変化している。勢いと安定感でフィリーズに軍配。

遊撃手:ドジャースが優勢

ムーキー・ベッツ vs. トレイ・ターナー。かつて同じドジャースにいた二人が、それぞれショートで大きな成長を見せた。ターナーは打撃・走塁ともに上だが、9月にハムストリングを負傷し万全ではない。一方ベッツは8月中旬以降はMLBトップ30打者に。健康面で優位なベッツに僅差で軍配。

三塁手:フィリーズが優勢

ドジャースのマックス・マンシーは出場100試合にとどまったが、OPS+136と高水準。ただし、左投手に極端に弱く(対左OPS.645)、フィリーズが3人の左腕先発を予告している中では不利だ。エドマンの状態次第で起用も変わるが、フィリーズのアレック・ボームは4月以降に打率.308と安定しており、こちらを推したい。

左翼手:フィリーズが優勢

ブランドン・マーシュはシーズン序盤に低迷したが、5月以降はチームでも上位の打者に。ドジャースは控え選手の併用でポジションが固まっておらず、どこまでアレックス・コールを使うのかも不明。総合的にマーシュの存在感が大きい。

中堅手:フィリーズが優勢

フィリーズはハリソン・ベイダーをトレードで獲得して以降、攻守で大きな貢献をしている。守備はもちろん、打撃でも50試合でOPS.824と結果を残した。一方ドジャースのアンディ・パヘスは後半戦でやや失速。現時点でのインパクトではベイダーに軍配が上がる。

右翼手:ドジャースが優勢

フィリーズのニック・カステヤノスは打撃、守備ともに低迷し、先発落ち。代わって出場が増えたマックス・ケプラーも爆発しているとは言い難い。一方、ドジャースのテオスカー・ヘルナンデスは守備に難があるが、WCSで2本塁打を放ち復調の気配がある。実績と調子で僅差ながらドジャースが優位だ。

指名打者:ドジャースが優勢

カイル・シュワーバー(56本塁打) vs. 大谷翔平(55本塁打)の夢の対決。純粋な打撃指標では、大谷が出塁率・長打率・盗塁数すべてでリード。守備や登板抜きにしても、打者として大谷が一歩リードしている。

先発ローテーション:ドジャースが優勢

本来ならフィリーズの先発が上だが、今シリーズではザック・ウィーラーもアーロン・ノラも不在。一方のドジャースは山本由伸、ブレイク・スネル、大谷の3枚看板が絶好調で、9月にはMLB史上最低の相手打率を記録した。対するフィリーズのクリストファー・サンチェス、ヘスス・ルザードも好投手だが、数字で見るとドジャースが上。

ブルペン:フィリーズが優勢

ドジャースのリリーフ陣はシーズン通して課題が多く、佐々木朗希の存在があるとはいえ安定感に欠ける。フィリーズはマット・ストラーム、タナー・バンクスの左腕コンビに加え、トレードで加わったヨアン・デュランが圧倒的(奪三振率33%)。九回を任せる信頼感でも、フィリーズが上。

最終予想:フィリーズが3勝2敗で勝利

両チームともに主力の健康状態に不安(スミス、ターナー)があり、実力はほぼ互角。だが、ホーム成績の強さ(フィリーズは本拠地で圧倒的)、救援陣の信頼性、そして左投手への対応面での差を加味し、フィリーズに軍配と予想。