今オフのFA市場で希少な存在は? 右打ちの外野手が歴史的レベルで減少
このオフシーズン、外野手が欲しいならば、優秀な選手と契約すべきだ。FA市場最大の大物と目されるカイル・タッカー、高評価を受けるであろうコディ・ベリンジャー、主にDHの選手ではあるもののカイル・シュワーバーもいる。ヤンキースは既に34本塁打を放ったトレント・グリシャムにクオリファイング・オファーを提示し、チームに引き止めた。 ここで挙げた4人の選手には共通点がある。それは左打ちということだ。右打ちの外野手を探しているなら、別の選択肢に目を向けなければいけない。ロブ・レフスナイダー、ミゲル・アンドゥハー、ハリソン・ベイダーらがFA市場の中で最高の右打ちの外野手だ。レフスナイダーとアンドゥハーは左腕に強く、ベイダーは守備が上手い。それぞれに魅力的な点があるが、これらの選手はスター選手ではないどころか、それに近い選手でもない。強豪チームであればレギュラーでもなく、プラトーンやベンチを任されるタイプの選手だろう。 それ以外の右打ちの外野手は、アンドリュー・マカッチェン、トミー・ファム、スターリング・マルテ、クリス・テイラーといった30代後半に差し掛かるかつてのスター選手が揃う。あるいはレーン・トーマスのような不振とケガに苦しんだ選手もいる。 今オフのFA市場は明らかに右打ちの外野手の層が薄い。そして、右打ちの外野手はFA市場だけではなく、リーグ全体で希少な存在になっている。今や右打ちの外野手を探すのは、誇張なくかつてないほど困難なのだ。
一番球速の遅いFA投手が高く評価される理由を徹底分析
今オフの救援投手と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは、速球でねじ伏せセーブを積み上げるタイプだろう。エドウィン・ディアスやロベルト・スアレスのように実績豊富な守護神、あるいはライアン・ヘルズリーやデビン・ウィリアムズのように、身体能力の高さから「調整次第でさらに伸びしろがある」と期待される存在が王道だ。 だが、王道だけに価値があるわけではない。むしろ、個性が際立つ投手こそ、思わぬ強みを生み出すことがある。投手の仕事は、速球を投げることではなく、アウトを取ることだ。奇妙に見えるスタイルでも、それが結果につながるなら立派な武器になる。 その代表格が、タイラー・ロジャースだ。地面すれすれから放たれる特異なフォーム、そしてメジャーで最も遅い平均約134キロの速球。だが、彼はある指標において今オフのFA救援投手の中で最も高い価値を持つ投手の一人として評価されている。
ノーラン・アレナドに最適なトレード先はランキング
ノーラン・アレナド。将来の殿堂入り候補と言われる三塁手は、この冬トレードされる見込みだ。 おそらく……。 「おそらく」と言うのは、球団側・本人側のどちらも『そろそろ変化の時』と示唆しているからだ。カージナルスの新しい野球運営部門トップ、ハイム・ブルームの「全員が別の場所を探すのがベストだと感じている」という発言からも、『動く』合図と見ていいだろう。 さらに、ノーラン・ゴーマンがおり、有望株JJ・ウェザーホルトのメジャー昇格が迫っていることもあり、カージナルスには別の選択肢が揃っている。
FA市場のトップ3外野手に最適なチームは?
コディ・ベリンジャー、トレント・グリシャム、カイル・タッカーの3人には、左打ちで今オフ市場の外野手トップ3という以外にも、もうひとつ共通点がある。 それが、2025年シーズンで、全員がホームとビジターでの成績に非常に大きな差があった点だ。しかし、どちらを得意としていたかは異なっており、1人はホームでの成績が良く、残り2人はビジターを得意としていた。 この違いを理解するには、ヤンキースタジアムとリグレーフィールドというそれぞれのホームスタジアムの影響を理解する必要がある。こういった要素は、彼らの新たな契約の内容に直接影響を与える。 以下に、この3人に何が起きていたのか、そして2026年以降どこが最適なチームとなり得るのかを整理する。
【投手編】FA市場で狙うべきは?タイプ別の特徴とおすすめ選手
あなたは、優勝争いに加わるための大型補強、あるいは最後の一押しとなるピースを探している球団のGMだとしよう。チームに最適な投手を見つけるためには、フリーエージェント(FA)市場について理解しておかなくてはならない。 今年の市場は興味深い。才能は豊富で、特に中堅クラスの先発投手は多いが、球団の姿を一変させるほどの選手はいない。過去数年はアーロン・ジャッジ、大谷翔平、フアン・ソトがいたが、今オフにそのレベルは見当たらない。その代わり、さまざまなポジションやタイプ、スキルの選手が揃い、チームにぴったりはまる人材を選べる状況である。ベースボール・サバントの新機能「スタットキャスト・ホット・ストーブ・トラッカー」を用い、ニーズに応じてどんな候補がいるか見ていこう。 なお、村上宗隆や今井達也といった日本のスター、あるいはコディ・ポンスやアンソニー・ケイのように外国リーグから復帰する米国人選手など、国外リーグからMLB入りする選手については、2025年のStatcastデータが現時点で公開されていないため、ここには含まれていない。 こちらの記事では、投手を紹介する。
【野手編】FA市場で狙うべきは?タイプ別の特徴とおすすめ選手
あなたは優勝争いに加わるための大型補強や、最後のひと押しとなる選手を探すGMだとしよう。チームにぴったりのFA選手を見つけるには、市場の動きを知っておくことが大切だ 今年のFA市場は興味深い状況だ。才能ある選手は多く、特に中堅クラスの先発投手は豊富だが、球団の戦力を大きく変えるほどのスター選手はいない。ここ数年のようにアーロン・ジャッジ、大谷翔平、フアン・ソトのような存在は見当たらない。しかしその分、さまざまなポジションやタイプの選手が揃っており、チームにぴったり合う人材を選ぶことができる。ベースボール・サバントの新機能「スタットキャスト・ホット・ストーブ・トラッカー」を用い、ニーズに応じてどんな候補がいるか見ていこう。 なお、村上宗隆や今井達也といった日本のスター選手や、コディ・ポンス、アンソニー・ケイのように海外リーグから復帰する米国人選手については、2025年のStatcastデータがまだ公開されていないため、本記事では扱っていない。 ここでは野手を中心に紹介する。
MLBトレード市場直前の全チーム戦力ランキング
各チームの2025-26年オフシーズンの出発点は、必ずしも2025年のレギュラーシーズン(もしくはポストシーズン)を終えた地点と同じではない。 熱戦となったワールドシリーズが終わってから、わずか数日しか経っていないが、すでにロースター(出場選手登録)の再編は本格的に動き始めている。選手たちはフリーエージェントとなり、契約オプションやクオリファイング・オファーに関する決断も下されている。 つまり現時点では、ボー・ビシェットはブルージェイズの一員ではなく、カイル・シュワーバーはフィリーズの選手ではなく、ピート・アロンソもメッツの選手ではない。まだどのチームも大きな補強をしていないため、ここでは例年通り、現時点のロースターを基に30球団を順位づけしていくことにする。 いつも通り、ファングラフスのデータに基づき選手層を判断する。間違いなく、現時点と開幕当日のロースターは全く異なるものになる。いわば、来季に向けたスタート地点のような状態の各チームをそれぞれ見ていこう。
QOを受ける選手は? 主要20名を徹底予想
2025年のワールドシリーズは終わったばかりだが、野球は止まらない。2026年のMLBシーズンはすぐに動き始め、フリーエージェント(FA)の選手たちにクオリファイングオファー(QO)を出すかどうか、そして提示された選手がそれを受諾するのか拒否するのか、といった決断が直ちに求められる。 QOは対象選手に提示できる1年契約のオファーで、金額は毎年わずかに変動する(2026年シーズン分は2202.5万ドル=約33億円)。球団はワールドシリーズ終了後5日以内に提示可否を決める必要があり、今年の締切は6日午後5時(米東部時間)となっている。それに対し、選手は11月18日までに受諾か拒否かを決める。受諾すればその金額であと1年チームに残留し、拒否すればFA市場に出る。 QOを拒否した選手を失った球団へのドラフト補償の詳細はここでは触れないが、制度開始から10年以上が経ち、傾向も見えてきた。2012年開始以来、QO提示は144件(年平均およそ12件)あるが、実際に受諾したのはわずか14件(10%)に過ぎない。QOの対象になるような選手は市場でより大型の複数年契約を得られる場合が多く、1年契約に甘んじないためだ。
ベッツ不振の原因はスイングにあり コンパクトなスイングが大振りに
ワールドシリーズを5試合終えた時点で、ドジャースの打線は打率.201、出塁率.296、長打率.354と低迷している。第3戦で9度出塁した大谷翔平(31)でさえ、他の4試合では2安打2四球と苦しんでいる。デーブ・ロバーツ監督は打線を組み換え、第5戦ではウィル・スミスを2番に上げ、ポストシーズン史上最低レベルの打撃成績に陥っているセンターのアンディ・パヘスをスタメンから外した。 これらは妥当な選択ではある。しかし、結局、チームのスター選手一人が打てていなければ、できることは限られている。3度の世界一、8度のオールスター選出、そして前代未聞のコンバートを成功させたムーキー・ベッツが、本来の姿を失っている。ドジャースの1、2番を担ってきたベッツは第5戦で4年ぶりに3番を打った。ただ、それでも現状は変わらず、4打数無安打に終わった。 「とにかくずっと酷い。努力不足が原因だったらよかったのに、そうじゃない」とベッツは胸中を明かした。
ワールドシリーズを左右する「長所vs長所」の対決
レギュラーシーズンでは、打者の三振率が最も低かったのはブルージェイズで、投手が最も多く三振を奪ったのがドジャースだった。ワールドシリーズの物語は自然とこうなる。コンタクト回避を前提に組まれた投手陣に対し、ブルージェイズは十分にバットをボールに当てられるのか。 ただ、それがすべてではない。ブルージェイズは10月に入ってから「当てる」だけでなく強く打っている。長打率でドジャースを上回り、他球団との差はさらに大きい。むしろその表現では控えめ過ぎるほどで、今季のブルージェイズ打線はポストシーズン屈指の長打力がある。 1969年、ワールドシリーズ前にプレーオフが導入された初年度以降、ポストシーズンで少なくとも7試合を戦ったチームは約200。今季ブルージェイズの打者がその中でどの位置にいるかを見ると、その突出ぶりが分かる。
史上トップ5のプレッシャーを背負い投げる朗希
約1カ月前、佐々木朗希(23)はワシントン州タコマで、キャリア2度目のマイナー3Aでのリリーフ登板に向けて肩を作っていた。六回から登板し、ゴロアウト2、1三振で打者3人を打ち取った。 シーズンの終盤の9月下旬にマイナーで中継ぎを務めたことは、近年まれに見る期待と注目を集め、ドジャースに加わった有望株が思い描いていた理想からは程遠かっただろう。
PSで急増の申告敬遠 果たして戦略的に効果があるのか
故意四球はレギュラーシーズンでは激減しているにもかかわらず、今季のポストシーズンでは急増している。 10月16日時点、今ポストシーズンでは24度の故意四球が記録された。昨季は21度、一昨年は12度に過ぎなかった。これは2018年の26度以来、ポストシーズンでは最多だ。ポストシーズンのフォーマットが拡大されたのことも関係しているが、まだワールドシリーズにも達していない現段階では、故意四球の頻度は高くなっている。 一方、レギュラーシーズンでは故意四球の割合は年々減っている。過去3シーズンは毎年「史上最低の故意四球率」が記録されている。これは明らかにナ・リーグにもDH制が導入され、投手の前の打者に故意四球を与える必要がなくなったことが関係している。
ほぼフル出場のローリーはなぜ疲れない? 背景にあるトレンドとは
今季60本塁打を放ったカル・ローリーが成し遂げた数え切れないほどの功績の中には、平凡だが極めて重要なことがある。それは、ローリーがほぼ毎日出場したことだ。 レギュラーシーズンでローリーは159試合に出場し、705打席に立った。そしてポストシーズンでも、地区シリーズ第5戦で延長15回の死闘を演じ、209球すべてを捕球。そして48時間足らずでア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)第1戦に出場し、またしても9イニング、そして翌日の第2戦でも9イニングを捕手としてプレーした。 1961年に試合スケジュールが現在の162試合に拡大したときまでさかのぼると、レギュラーシーズンでより多くの打席に立った捕手(少なくとも半分の出場機会を捕手として過ごした選手を捕手と定義)は1人だけだった。それは、殿堂入り選手であり、おそらく史上最高の捕手であるジョニー・ベンチで、1974年には708打席に立った。ワイルドカード導入前の当時、ベンチを擁したレッズは98勝64敗の成績にもかかわらず2位に終わり、敗退した。 今季のマリナーズのシーズンは、まだ終わっていない。15日(日本時間16日)にALCS第3戦を迎えるローリーは、既に今季通算739打席に到達。ポストシーズンが拡大されたことで、ローリーはこれまでの捕手と比べても最も多くの打席に立ったことになる。 しかも、その疲労が溜まっているようには見えない。ALCS第1戦では貴重な同点弾を放ち、ポストシーズンでのOPSは1.078をマークしている。
猛打ブルージェイズの秘密 三振の少なさとパワーを両立
ブルージェイズ打線の真骨頂は多くの投球をバットに当て、インプレーにすることだ。今季、ブルージェイズのチーム三振率はMLBでベスト(17.8%)。さらにポストシーズンでも三振率は最も低い(14.9%)。その打撃スタイルは成功しており、レギュラーシーズンでは総得点がMLB4位、そしてポストシーズンでも34得点は全チーム中最多。素晴らしい攻撃力を持っている。
ブルワーズは運が良かった? パワーなしでメジャー3位の総得点を生み出した術
「私たちは、ほぼすべてのエラー、守備のミス、そして投球のミスをうまく利用してきた。それがチームの哲学であり、アイデンティティだ。相手にプレーさせ、その過程で相手を地獄に引きずり込みたい」 ブルワーズの打撃コーチ、コナー・ドーソンはブルワーズの哲学についてこう語った。
上位シードの第1ラウンド免除は有利なのか?不利なのか?
2025年ポストシーズンは、ワイルドカードシリーズが終わり、地区シリーズ(5回戦制)へと突入する。毎年のように囁かれるのが、ワイルドカードシリーズで勢いをつけた下位シードのチームの方が、ワイルドカードシリーズが免除され実戦間隔が空いている上位シードのチームより優位という言説だ。 果たしてこれは本当なのだろうか? 答えは常に「もちろん、そんなことはない」だ。 ワイルドカードシリーズを免除されたチームは、まずワイルドカードシリーズで敗退する可能性が0%であり、さらに地区シリーズでは初戦から自由に投手を起用できる(ガーディアンズに勝利するために主力先発投手3人全員を起用しなければならなかったタイガースは、マリナーズとのALDS第1戦をブルペンゲームから始めなければならない。ワイルドカードシリーズが免除されていれば、タリック・スクーバルらを順に登板させられたはずだ)。
【NLDS】ドジャース対フィリーズ:ポジション別に徹底比較
過去2シーズンで、メジャー最多勝利数を誇る2チームは •ドジャース:191勝 •フィリーズ:191勝 ワールドシリーズでも、ナ・リーグ優勝決定シリーズでもないが、このナ・リーグの地区シリーズ(NLDS)は「今のMLBで最も強い2チームの対決」と言っていいかもしれない。 注目ポイントはたくさんある。 まずナ・リーグMVPの最有力候補2人が「意外な形で」対決すること。指名打者同士による文字通りの「直接対決」なんて普通ない(笑)。さらに、ある指標ではMLBで最強の2投手陣がぶつかる。さらに、どちらのブルペンにも、「時速160キロ超の剛腕」がシーズン後半に加わったのも見逃せない。 そして、両者がポストシーズンで対決するのは、2008~09年にフィリーズが2年連続でドジャースを倒してナ・リーグ王者になって以来だ。 というわけで、両チームを徹底分析プレイボール!
ポストシーズンでの大谷の起用法、常識外の(?)6プラン
ドジャースは今年もポストシーズンに進む。打線の核に大谷翔平(31)が座るのもまた同じだ。だが、どう起用するのか。どの役割で。あるいは複数の役割で? 唯一の「二刀流」登録であり、投打とも高水準へ戻した大谷は、デーブ・ロバーツ監督に多くの選択肢をもたらしている。 昨年10月は、シーズンを通して登板できなかった。トミー・ジョン手術からのリハビリ中。起用はるかに単純だった。ドジャースはポストシーズンで16試合を戦い、大谷はそのすべてでDHとして出場した。ワールドシリーズ第2戦の終盤に負った左肩の負傷を抱えながらの出場だった。先発陣に大きな問題を抱えていたため、投手として起用する案も浮上したが、最終的に実現はしなかった。
ドジャース、多すぎる「最強先発陣」の10月の起用法
2024年のドジャースは「投手力で勝った」わけではなく、むしろ投手陣の弱さを抱えながらも、工夫を凝らして世界一を勝ち取った。ポストシーズンの防御率は4.50と高く、NLDS第4戦やNLCS第2・6戦、ワールドシリーズ第4戦ではブルペンデーを強いられるなど、投手陣のやりくりに苦心した。 ワールドシリーズでベン・カスパリアスがプロ初先発を務めるという異例の事態もあった。先発が投げたイニングは全体のわずか42%で、ア・ナ両リーグの優勝チーム史上最低記録となった。
カル・ローリー、史上最高の捕手への道
マリナーズのスイッチヒッター捕手、カル・ローリーが歴史的シーズンを送っている。6月半ばにすでにリーグ最多の26本塁打。今季63本塁打ペースはアーロン・ジャッジや大谷翔平を上回る。もちろんこのペースを維持するのは容易ではないが、それでも「夢の60本」を語る資格は十分だ。 ローリーは、メジャー4年間で通算93本塁打を記録し、これまでの捕手記録(マイク・ピアッツァの92本)を更新。 以前、チームメイトで現カブスのジャスティン・ターナーは「史上最高の捕手のスタートだ」と称賛するが、今季の好調さはここまで積み上げてきた実績に裏打ちされたものだ。