MLBトレード市場直前の全チーム戦力ランキング

November 9th, 2025

各チームの2025-26年オフシーズンの出発点は、必ずしも2025年のレギュラーシーズン(もしくはポストシーズン)を終えた地点と同じではない。

熱戦となったワールドシリーズが終わってから、わずか数日しか経っていないが、すでにロースター(出場選手登録)の再編は本格的に動き始めている。選手たちはフリーエージェントとなり、契約オプションやクオリファイング・オファーに関する決断も下されている。

つまり現時点では、ボー・ビシェットはブルージェイズの一員ではなく、カイル・シュワーバーはフィリーズの選手ではなく、ピート・アロンソもメッツの選手ではない。まだどのチームも大きな補強をしていないため、ここでは例年通り、現時点のロースターを基に30球団を順位づけしていくことにする。

いつも通り、ファングラフスのデータに基づき選手層を判断する。間違いなく、現時点と開幕当日のロースターは全く異なるものになる。いわば、来季に向けたスタート地点のような状態の各チームをそれぞれ見ていこう。

1位 ドジャース

主なFA選手:マイケル・コンフォート、キケ・ヘルナンデス、ミゲル・ロハス
最大の補強ポイント:外野、救援、二塁、打線の若返り

連覇を果たしたドジャースでも、補うべき穴が残っている。

まず問題は外野だ。昨オフに賭けたコンフォート獲得は失敗に終わり、外野陣全体のWARはメジャー18位。10月には崩壊状態だった。新鋭ザイヒール・ホープやホセ・デ・パウラの昇格を待つのか、あるいはカイル・タッカーを狙うのか。いずれにせよ何らかの手を打つ必要がある。

ブルペンも再構築も必要だが、昨冬にすでに多額を投じており、その効果が乏しかったため、どう立て直すかは不透明。より大きな課題は、優秀だが高齢化した打線の中核をどう若返らせるかである。主力4人(フリーマン、ベッツ、ヘルナンデス、マンシー)は全員33歳以上。スミスや大谷翔平も来季31歳になる。MLB最年長チームには若い野手が不可欠である。

2位 ヤンキース

主なFA選手:コディ・ベリンジャー、トレント・グリシャム、ポール・ゴールドシュミット
最大の補強ポイント:中堅、遊撃、救援

投手陣はキャム・シュリットラーの成長やゲリット・コールの復帰で強化される一方、シーズン開幕時にはカルロス・ロドンを欠く可能性がある。

最大の焦点は2つ。ボルピーの肩の手術と不振を受けて、遊撃をどうするか。そして、FAとなったベリンジャーと、QO(クオリファイング・オファー)を検討中のグリシャムの去就次第で外野をどう再編するかだ。

**3位(同率) ブレーブス
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主なFA選手:ライセル・イグレシアス、キム・ハソン、マーゼル・オズナ
最大の補強ポイント:遊撃、先発、救援

ブレーブスがこれほど高い順位に位置していることに驚く人も多いだろう。実際、われわれもそうだ。だがその理由は明らかで、FAによる戦力流出が少なく、2025年の問題の多くが実力ではなく負傷によるものだったからだ。ロナルド・アクーニャJr.、オースティン・ライリー、スペンサー・ストライダー、レイナルド・ロペスらが2026年に貢献する姿は容易に想像できる。

ほぼ全チームが必要とする投手層の厚みを除けば、最大の課題は遊撃である。守備型のニック・アレンでは攻撃力が不足しており、キム・ハソンの退団に伴い、打撃力強化が必須となる。

3位(同率) マリナーズ

主なFA選手:ジョシュ・ネイラー、ホルヘ・ポランコ、エウヘニオ・スアレス
最大の補強ポイント:内野全体の打撃力

シアトルのロースターは、トレード期限前にネイラー(一塁)とスアレス(三塁)を獲得したときとほとんど変わっていない。つまり「依然として投手陣は強力で、カル・ローリーとフリオ・ロドリゲスを中心とした打線も堅調」という構図だ。

そのため、補強すべきは明確に一塁と三塁。ネイラーの再契約には関心があるものの、スアレスの復帰は望みが薄い。好不調の波はあったが充実したシーズンを送ったポランコもFAとなっており、現時点では遊撃のJ.P.クロフォードを除く内野陣はかなり手薄だと言える。ある程度の資金的余裕があることに加え、ローリーの活躍が大物打者を投手有利の球場へ引き寄せる材料となる可能性もある。

5位 メッツ

主なFA選手:ピート・アロンソ、エドウィン・ディアス、セドリック・マリンズ
最大の補強ポイント:先発ローテーション、中堅、一塁、ブルペン

昨年同様、この冬もアロンソの去就が最大の焦点となる。再び長期契約を求めて市場に出る彼が残留するかどうかは、このオフシーズンの鍵だ。簡単に代役を見つけることはできない。

しかし、それ以上に重要なのは、昨季チームを苦しめた先発ローテーションをどう立て直すか、という問題かもしれない。若手のノーラン・マクリーン、ジョナ・トン、ブランドン・スプロートの3人が何らかの形でローテーションに絡むことは確実だろう。だが、3人の新人にそれぞれ30先発を任せるのは、どう考えても無謀だ。

6位 ブルージェイズ

主なFA選手:クリス・バシット、ボー・ビシェット、マックス・シャーザー
最大の補強ポイント:二遊間、ブルペン、先発ローテーション、左翼

チームはすでに今年4月にブラディミール・ゲレーロJr.と大型契約を結び、最大の懸念を早々に解消した。さらに今週、シェーン・ビーバーがオプトアウトを行使せず2026年もローテーションに残るという嬉しい知らせも届いた。一方で、「ジョージ・スプリンガー、アーニー・クレメント、アディソン・バージャーに再び同じ活躍を期待できるのか?」という疑問も残る。

最大の焦点はビシェットの去就だ。(アンドレス・ヒメネスが二遊間の両方を守れることは、選択肢を広げる要素になる)。また、バシットとシャーザーがFAのため、もう1人の先発投手も必要だ。ケビン・ゴーズマンは35歳となり、ホセ・ベリオスは肘の負傷明け。確かにトレイ・イェサべージは10月に魔法のような投球を見せていたが、いきなり180イニングを任せるのは困難だ。

7位 レッドソックス

主なFA選手:アレックス・ブレグマン、ルーカス・ジオリト、ダスティン・メイ
最大の補強ポイント:先発ローテーション、一、三塁の長打力

遊撃手トレバー・ストーリーが契約最終2年のオプションを行使して残留することは決まっている。そして、ボストンでの素晴らしい初年度を終えたアレックス・ブレグマンが同じように残るかどうかが、この冬の中心テーマとなるだろう。

チームが何を求めているかは極めて明白で、すでに公言している通り、「ギャレット・クローシェとの二枚看板となるトップクラスの先発投手」と「内野を守れる強打者」だ。そのため、ブレグマン、ピート・アロンソ、カイル・シュワーバーの名前が飛び交うことは間違いない。また、過剰気味の外野陣の一角をトレードで放出し、これらの課題を解決する可能性もある。2026年のロースターにジャレン・デュランと吉田正尚の両方が残る姿は、やや想像しにくい。

8位 オリオールズ

主なFA選手:ザック・エフリン、ゲイリー・サンチェス、菅野智之
最大の補強ポイント:先発ローテーション、ブルペン、外野

残念なシーズンを送ったとはいえ、優れたロースターであることに変わりはない。ブルージェイズがたった1年でア・リーグ東地区最下位からリーグ優勝へと駆け上がったことを忘れてはならない。

タイラー・オニールが契約最終2年のオプションを行使して残留することは確定しており、この冬の鍵となるのは一線級の先発投手の補強とブルペンの再構築であることは明らかだ。また、中堅を守れる右打ちの外野手も必要かもしれないが、2026年の打線強化の大部分は既存戦力の成長にかかっている。アドリー・ラッチマン、ジャクソン・ホリデイ、コルトン・カウザーらの台頭がその鍵だ。不可能ではないが、簡単でもない。

9位 フィリーズ

主なFA選手:J.T.リアルミュート、カイル・シュワーバー、レンジャー・スアレス
最大の補強ポイント:捕手、複数の外野手、ブルペン

もちろんブライス・ハーパーがトレードされることはない。それでも、過去5年間にわたって球界屈指の強豪であり続けたこの球団にとって、今は確実に転換点である。主力の高齢化が進み、その中核選手たちが次々とFA市場に出ているからだ。最も深刻なのは捕手で、リアルミュートの代役となる候補はチーム内にはおらず、市場でも選択肢は非常に限られている。

球団はリアルミュートとシュワーバーの両方を残留させたいと考えているが、仮に実現しても外野陣全体の再構築は避けられない。契約残り1年のニック・カステヤノスは2026年のロースターに入らないと見られており、これも再編の一因だ。さらに、スアレスが移籍し、ザック・ウィーラーが胸郭出口症候群の手術から復帰を目指す状況となれば、事態はより複雑になる。96勝を挙げたチームにしては、やるべきことが予想以上に多い。

10位 アストロズ

主なFA選手:ビクター・カラティーニ、ブレンダン・ロジャース、フランバー・バルデス
最大の補強ポイント:先発ローテーション、打線の再整理、捕手、球速アップ

2016年以来初めてプレーオフを逃したアストロズは、まず長年のエースであるバルデスを引き留めるか、代替を見つける必要がある。それ以外の戦力は、望めば大部分をそのまま維持できるだろう。7月にカルロス・コレアを呼び戻し、三塁の問題を解決したことは、すでに先手を打った動きと言える。

一方で、野手陣には整理の余地がある。クリスチャン・ウォーカーはさらなる貢献ができるのか?ヨルダン・アルバレスは健康を維持できるのか?ホセ・アルトゥーベは二塁手なのか、左翼手なのか、それともDHなのか?一塁と三塁が埋まっている中で、アイザック・パレデスはどう活かされるのか?カム・スミスは6月末までOPS.776を記録した前半戦の新星なのか、それとも後半戦OPS.546の苦戦したルーキーなのか?こうした構成を見ても、野手陣の一部をトレードに出す可能性は高いだろう。特に、球速不足に苦しむ投手陣に剛腕を加えるために必要になると見られる。

11位(同率) ブルワーズ

主なFA選手:リース・ホスキンス、ホセ・キンタナ、ブランドン・ウッドラフ
最大の補強ポイント:ベテラン先発投手、長打力のある打者、遊撃手

WAR(Wins Above Replacement)の予測値はこのチームの特異性を必ずしも正確に反映しないが、それでもこの順位は全体の上位3分の1に入る良い評価である。最大の焦点は、先発のフレディ・ペラルタをトレードするかどうかだ。もしそうなれば、ウッドラフがクオリファイング・オファーを拒否した場合、非常に経験の浅いローテーションとなってしまう。

打線の「コンタクト+スピード」戦略が相手にとって厄介であることは間違いないが、プレーオフを勝ち抜くには一定の長打力が必要であることもまた明白だ。その長打力を誰が担うかは重要だが、問題はそこだけではない。全ポジションに既存の選手がいるため、「穴を埋める」よりも「誰かを押しのける」ことでしか補強できない。特に注目されるのは遊撃で、ジョーイ・オルティスは2025年に大きく成績を落とした数少ないブルワーズ打者だった。

11位(同率) ロイヤルズ

主なFA選手:アダム・フレイジャー、マイケル・ロレンゼン、マイク・ヤストレムスキー
最大の補強ポイント:外野、外野、さらに外野、二塁

昨年、その弱さを指摘した外野陣は、案の定メジャーで最も脆弱なユニットとなってしまった。野球は予測不可能だと言われるが、時には予想通りになることもあるようだ。この課題は2026年に向けても依然として最大の補強ポイントである。特に、将来を嘱望されたジャック・カグリオーンが打撃でも守備でもメジャー適応に苦戦したことを考えると、なおさらだ。

二塁も課題で、マイケル・マッシーとジョナサン・インディアのコンビはうまく機能しなかった。投手層も補強箇所ではあるが、このチームがボビー・ウィットJr.、ビニー・パスカンティーノ、マイケル・ガルシアらをポストシーズンに導くには、外野に長打力を加えることが絶対条件だ。再び「最も迫力のない外野陣」でシーズンを終えるようでは話にならない。

13位 タイガース

主なFA選手:アレックス・カッブ、カイル・フィネガン、グレイバー・トーレス
最大の補強ポイント:スクーバル問題の解決、二遊間、ブルペン、中堅、コンタクト率向上

タリック・スクーバルがFA資格を得る前の最終年を迎えることは、球団のすべての決断に影を落とす。もちろん、他にも取り組むべき課題はある。特に遊撃はトレイ・スウィーニーもハビアー・バエズも大した結果を残せず、ポジションごとの生産性はMLB全体で7番目に低かった。(バエズはオールスターに選ばれたが、それは開幕直後の一時的な好調によるもので、主に中堅手としての評価だった。)

また、チームはリーグ4位の高い三振率を改善したいと考えており、トーレスが残らない場合は二塁の対応も必要になる。その結果、コルト・キースとスウィーニーの再起用、あるいは有望株ケビン・マクゴニグルの抜擢など、まったく新しい二遊間となる可能性もある。とはいえ、すべての問題はスクーバルの去就に比べれば小さい。

14位 パドレス

主なFA選手:ルイス・アライズ、ディラン・シース、マイケル・キング
最大の補強ポイント:先発ローテーション、一塁またはDH、長打力

ディラン・シースとマイケル・キングがともにFAとなり、ダルビッシュ有が肘の手術により2026年シーズン全休の見込み。先発ローテーションはかなり複雑な状況だ。ジョー・マスグローブは手術から復帰予定で、ニック・ピベッタも2025年に好投したが、オフシーズンの中心テーマは「ローテーションをどう構成するか」そして「もしメイソン・ミラーを先発に転向させるなら、ブルペンをどう補うか」に尽きる。

加えて、スター選手を擁しながら本塁打数がメジャーで3番目に少なかった打線の再建も急務だ。改善の多くは既存戦力の底上げに頼ることになるが、トレードデッドラインで加入したライアン・オハーンの後釜となる長距離砲の獲得も目指すだろう。

15位 レイズ

主なFA選手:ピート・フェアバンクス、エイドリアン・ハウザー、ココ・モンテス
最大の補強ポイント:捕手、遊撃、外野、先発ローテーション

来季、レイズは再びトロピカーナ・フィールドに戻る見込みで、球団売却もついに完了し、ようやく将来に目を向けられる状況となった。しかし短期的には、ジュニオル・カミネロ、ジョナサン・アランダ、ヤンディ・ディアス、ブランドン・ラウといった上位陣の後が極端に打てなかった打線の再構築という大きな課題が立ちはだかる。

捕手は昨季に続き流動的で、依然として大きな補強ポイント。遊撃もテイラー・ウォールズが打撃で結果を出せず、カーソン・ウィリアムズも定位置を掴めなかった。さらに問題なのは、外野陣全体でわずか29本塁打というメジャー最少の数字だ。投手陣にも課題はあるが、打撃での問題の前ではかすむほどだ。

16位 カブス

主なFA選手:ブラッド・ケラー、今永昇太、カイル・タッカー
最大の補強ポイント:空振りを奪える先発、空振りを奪える救援

タッカーの退団が高い確率で見込まれる一方で、マット・ショウに三塁を任せる前提なら、打線の骨格は概ね整っている。鈴木誠也と守備・DHを分け合える外野/DH枠の余地はあるかもしれないが、この冬の主題は投手だ。

特に球速と空振り率を落とした今永の3年オプションを辞退したことを踏まえるとなおさらである。先発は層が厚く、ジャスティン・スティールが健康体で戻り、ルーキーのケイド・ホートンが来季さらに投球回を積めば心強い。ただ、先発の空振り率はリーグで下から数えて7番目(主に非優勝争いチームより下)で、ブルペンのそれは下から4番目だった。中軸にタッカーがいない前提では、これは到底許容できない。

17位 レンジャーズ

主なFA選手:ショーン・アームストロング、メリル・ケリー、タイラー・マーリー
最大の補強ポイント:ブルペン、下位先発、捕手、外野、長打力

リーグ屈指の防御率を誇ったが、総投球回の約4割をFA投手が占めており補強が必須。攻撃面でも主力ベテラン勢の不振が続いており、限られた予算の中で打線と投手陣の両面を立て直す必要がある。

18位 ツインズ

主なFA選手:クリスチャン・バスケス
最大の補強ポイント:ブルペン、一塁、捕手

92敗を喫した失望のシーズンを経て、大幅な刷新に着手。カルロス・コレアや監督ロッコ・バルデリも退任し、再建色が強い。ジョー・ライアンやパブロ・ロペスの去就、バイロン・バクストンのトレード容認が注目点となる。

19位 カージナルス

主なFA選手:マイルズ・マイコラス
最大の補強ポイント:トレードの成功(若手先発投手の確保)

ハイム・ブルーム球団編成部長の就任により新体制が始動。アレナドやグレイ、コントレラスら主力放出の可能性が高く、短期的な勝負より中長期的な再建を重視すると見られる。

20位 ダイヤモンドバックス

主なFA選手:ジェイレン・ビークス、ザック・ギャレン、ジェームズ・マッキャン
最大の補強ポイント:先発、救援、一塁、三塁

本来強みであるはずの先発陣が崩壊し、ギャレン退団後はリーグ下位の投手力に。外野の層を活かしたトレードが現実的だが、マルテやペルドモ、キャロルら中軸は依然強力で、再浮上の可能性を秘める。

21位 アスレチックス

主なFA選手:ホセ・ルクラーク、スコット・マクガフ、ショーン・ニューカム
最大の補強ポイント:先発、ブルペン、二塁、三塁

ニック・カーツを中心に後半戦は上位10位以内の攻撃力を見せたが、投手陣は壊滅的。マイナーからの有望株も多く、ベテラン投手の補強で安定感を求めたいところだ。

22位 ガーディアンズ

主なFA選手:ジェイコブ・ジュニス、レーン・トーマス
最大の補強ポイント:二遊間、中堅、右翼、一塁、投手層

長年の課題である打撃力不足が依然として深刻。若手野手の台頭が期待される一方で、エマニュエル・クラセの去就も不透明であり、攻守ともに再構築が求められる。

23位 レッズ

主なFA選手:ザック・リッテル、ニック・マルティネス、エミリオ・パガン
最大の補強ポイント:左翼、右翼、一塁、三塁、ブルペン、打線の再編

個々の選手は魅力的だが、チーム全体としての一貫性を欠く。打撃と守備の改善が急務であり、ハンター・グリーンら若手投手陣を支える補強が必要となる。

24位 ジャイアンツ

主なFA選手:ウィルマー・フローレス、ドミニク・スミス、ジャスティン・バーランダー
最大の補強ポイント:先発ローテ、ブルペン、外野、二塁、控え捕手

新監督トニー・ヴィテロの下で新体制が始まるが、投手層の薄さが深刻だ。ローテ再編とブルペン補強が不可欠で、5年連続の勝率5割前後での停滞から脱却できるか。

25位 パイレーツ

主なFA選手:アンドリュー・マカッチェン、トミー・ファム
最大の補強ポイント:打撃力(特に得点力)

リーグ平均打者が一人しかおらず、深刻な得点力不足に直面している。オニール・クルーズの成長に期待しつつも、スキーンズら投手陣を支える打線の再建が最優先事項だ。

26位 マーリンズ

主なFA選手:なし
最大の補強ポイント:一塁、右打ち外野手、ブルペン

前年から17勝増と大幅な進歩を見せた。左打者が多い外野陣に右打ちの補強が必要で、最終契約年のサンディ・アルカンタラをどう扱うかが最大の焦点となる。

27位 エンゼルス

主なFA選手:タイラー・アンダーソン、カイル・ヘンドリックス、ケンリー・ジャンセン
最大の補強ポイント:先発、ブルペン、三塁、中堅

12年連続でポストシーズン未出場。アデルとウォードの長打力は明るい材料だが、トレード要員にもなり得る。トラウトは残留しており、カート・スズキ体制初年度で再建を図る。

28位 ナショナルズ

主なFA選手:ジョシュ・ベル、ポール・デヨング、デレク・ロー
最大の補強ポイント:一塁、捕手、ブルペン

新任のポール・トボニGMとブレイク・ブテラ監督のもとで組織改革に着手。即戦力よりも若手育成を重視し、マッケンジー・ゴアのトレード判断が注目される。

29位 ホワイトソックス

主なFA選手:タイラー・アレクサンダー、マイク・クレビンジャー
最大の補強ポイント:一塁、左翼、右翼、投手全般

下位に沈んだが若手の台頭で希望が見えた。モンゴメリーやティールが順調に成長し、来季はルイス・ロバートJr.の去就を含め、方向転換の一年となる。

30位 ロッキーズ

主なFA選手:オーランド・アルシア、カイル・ファーマー、ヘルマン・マルケス
最大の補強ポイント:全ポジション(総合的再建)

119敗という悲惨な結果に終わったが、新GMにポール・デポデスタを招聘し、大胆な体制改革を開始。長年の閉鎖的体質からの脱却が進むかが今後の鍵となる。