24日(日本時間25日)のワールドシリーズ第1戦で前年王者のドジャースを11-4で粉砕したブルージェイズ。チームのムードを最も端的に表していたのは外野手ネイサン・ルークスの一言だった。
「このチャンスを軽く見るつもりはない。相手にとって、徹底的に厄介な存在になるつもりだ」とルークスは言った。
ドジャースも同じか、それ以上の意気込みで臨むだろう。戦前の見方をひっくり返したブルージェイズとそれを支える大観衆を前に、悠長に構えてられる余裕はない。
優勝候補筆頭と見られてきたドジャースだが、そんな余裕ももうない。ポストシーズンの7戦4勝制で、開幕2試合を敵地で連敗したチームがシリーズを逆転したのは57例中11回(19.3%)しかない。四半世紀ぶりのワールドシリーズ連覇に向けて、早くも正念場だ。
「われわれはもっとできるし、やらなければいけない。(先発のケビン・)ゴーズマンを筆頭に、相手は勢いに乗っていて、いい野球をしている。だから1番から9番まで、質の高い打席を積み重ね、良い野球を続けること。それができれば大丈夫だ」とドジャースのデーブ・ロバーツ監督は語った。
ワールドシリーズ第2戦
- 米国東部時間:10月25日 午後8時、FOX中継
- 日本時間:10月26日 午前9時、NHK BS、SpoTV Now、JSports 3
先発投手
ドジャース:山本由伸(12勝8敗、防御率2.49)
NLCSで圧巻の投球を見せた山本は、メジャー初の完投をポストシーズンで達成。ドジャース投手のポストシーズン完投は2004年のホセ・リマ以来だった。これで山本のポストシーズン成績は先発7試合で4勝1敗、防御率2.82と堂々たる内容だ。ブルージェイズは、第1戦のブレイク・スネル同様、球数を稼ぎ、ジワジワと攻略を試みるだろう。
ブルージェイズ:ケビン・ゴーズマン(10勝11敗、防御率3.59)
ALDSとALCSで第1戦先発だったケビン・ゴーズマンは、休養日を1日多く取るためワールドシリーズでは第2戦に回った。ALCS第7戦(対マリナーズ)で救援登板したため、22歳のトレイ・イェサベージを第1戦に据えることで、34歳のベテランをフレッシュな状態に保つ狙いだ。
今ポストシーズンの防御率は2.00。18イニングで12奪三振と平時より三振数は抑えめだが、要所を抑える投球が光る。前日先発のイェサベージも素晴らしいスプリットを見せたが、リリースポイントや変化の質がゴーズマンとは大きく異なるため、ドジャース打線が「見慣れている」ことはないだろうというのが、球団の見立てだ。
スタメン
ドジャース:右腕ゴーズマンに対し、第1戦と同じ先発布陣。打順の上位は大谷、ベッツ、フリーマンというMVPトリオが並ぶ。
- 大谷翔平(DH)
- ムーキー・ベッツ(遊撃)
- フレディ・フリーマン(一塁)
- ウィル・スミス(捕)
- テオスカー・ヘルナンデス(右翼)
- マックス・マンシー(三塁)
- キケ・ヘルナンデス(左翼)
- トミー・エドマン(二塁)
- アンディ・パヘス(中堅)
ブルージェイズ:第1戦は左腕スネル相手だったが、第2戦は右腕山本を迎えるため、いくつかの変更を加えた。ネイサン・ルークスが再び2番に入った一方で、ボー・ビシェットはベンチスタート。第1戦は二塁で先発したが、六回途中で代走に交代している。
- ジョージ・スプリンガー(DH)
- ネイサン・ルークス(左翼)
- ブラディミール・ゲレーロJr.(一塁)
- アレハンドロ・カーク(捕)
- ドールトン・バーショ(中堅)
- アーニー・クレメント(三塁)
- アディソン・バーガー(右翼)
- アイザイア・カイナー=ファレファ(二塁)
- アンドレス・ヒメネス(遊撃)
ブルペンの状態
ドジャース:課題は、佐々木朗希へとつなぐ「橋」だ。エメット・シーアンとアンソニー・バンダは初戦からともに3失点で早速崩れ、ブレイク・トライネンやジャック・ドライヤーも不安が残る。
佐々木が救援転向後に圧巻の投球を続け、クローザーに定着。課題はそこへつなぐ“橋”だ。エメット・シーハンとアンソニー・バンダを勝ちパターンで使いたいが、第1戦の六回にそろって3失点。なおアレックス・ベシアは「極めて私的な家族の事情」によりワールドシリーズは不在の見込みだ。
ブルージェイズ:第1戦はブルペンが会心の出来だった。最初にメイソン・フルハーティーが登場して大谷と対峙。このマッチアップはシリーズを通して要注目だ。
中盤はセランソニー・ドミンゲスとブレイドン・フィッシャーがつなぎ、終盤はクリス・バシットとエリック・ラウアーで締めた。これにより第2戦は相手に比べ大きな優位性を持って臨める。ケビン・ゴーズマンの後ろには、ジェフ・ホフマンとルイス・バーランドという勝ちパターンの2人がフレッシュな状態で控える。
主な負傷者情報
ドジャース:右手のヒビを抱えるスミスはNLDSで先発復帰してからは全試合先発出場。エドマンは今季2度、負傷者リスト入りした右足首を引き続きケアしている。救援のタナー・スコットは下半身の膿瘍治療から回復中で、ワールドシリーズでもロースター外のままだ。
ブルージェイズ:左膝の捻挫で離脱していたビシェットが、第1戦でついに復帰。メジャーで初めて二塁を守り、攻守で復帰後初戦とは思えない活躍を見せた。
アンソニー・サンタンデールは背中の負傷でALCS途中にロースターから外れ、ワールドシリーズ出場資格を失った。ほかではスプリンガーがALCS第5戦で右膝に96マイル(約155キロ)の速球を受けたが、第7戦での起死回生の3ランを見る限り問題はなさそうだ。
好調・不調の選手
ドジャース:スミスは第1戦でもタイムリーを放ち好調維持。NLDSで先発復帰して以降の打率は.290で、下位ではキケ(.300)、エドマン(.289)も堅実に貢献している。
大谷は第1戦で今ポストシーズン6本目の本塁打を放ったが、依然として打率.222で、アンディ・パヘスは.077と苦戦しているが、他にめぼしい選手がおらず、エドマンが足首に不安を抱える現状では先発起用が続く見込みだ。
ブルージェイズ:ゲレーロJr.は第1戦に2安打を放ち、依然として調子が良い。その陰に隠れているのが、クレメントで、打率.435と静かに圧巻のパフォーマンスを見せている。カークも3打数3安打で上り調子だ。
ワールドシリーズ史上初の代打満塁本塁打を放ったバージャーも、得点力を押し上げるもう一つの柱となる。大量11得点の大爆発を経て、今や話題の中心はドジャースのスター軍団ではなく、ブルージェイズ打線だ。
その他のトリビア
- ブルージェイズのワールドシリーズ進出は1993年以来。あのジョー・カーターの第6戦サヨナラ本塁打の年で、第2戦ではそのカーターが始球式を務める。
- キケは第2戦でドジャースでのポストシーズン87試合出場に到達し、ジャスティン・ターナーを抜いて球団最多記録を更新する。


