「きょうどうやって勝つかだけ」考える 王者ドジャースが3連勝

シーズン最高勝率のチームが3連敗した場合、すべてスイープで決着

October 17th, 2025

ドジャースの二塁手トミー・エドマンは、「プレーオフの舞台には特別な意味がある」と話す。初めてその空気を味わう選手にとっては、「何度も同じような場面を経験してきたベテランと比べて、平常心を保つのは間違いなく難しい」とも語った。

かつてはエドマン自身もそんな立場の選手だったかもしれないが、今はもう違う。大谷翔平、ムーキー・ベッツ、ウィル・スミス、フレディ・フリーマン。そしてこの強大なドジャースに加わった他の選手たちも同じだ。彼らはこうした大舞台を何度も経験し、数多くの勝利を手にしてきた。その経験から生まれるプレッシャーは容赦なく、対戦相手にとっては計り知れない重圧となる。それを乗り越えるのは、並大抵のことではない。

ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)の第3戦、ドジャースが再び第1シードのブルワーズを下し、リーグ連覇に王手をかけた。

ポストシーズンにおける最大7戦のシリーズで、先に3勝0敗とリードしたチームは、過去41例中40チームがそのままシリーズを制している。そのうち31チームはスイープ(4連勝)で決着をつけた。唯一の例外は、2004年のア・リーグ優勝決定シリーズで3連勝から逆転負けを喫したヤンキース。その時、劇的な逆転劇を演じたレッドソックスの一員として活躍していたのが、現在ドジャースを率いるデーブ・ロバーツ監督だった。

負ければ王手をかけられる第3戦、ブルワーズは勝利に近づくことすらできなかった。序盤に先制点を許し、早々にルーキーのジェイコブ・ミジオロウスキーをマウンドへ送る苦しい展開に。

そのミジオロウスキーは圧巻の投球を披露し、最初の16人の打者のうち15人を打ち取り、9つの三振を奪う快投。しかし、六回に息切れし、追加点を許してしまった。反撃したい打線は、ドジャース先発のタイラー・グラスナウ、そして継投で登板したブルペン陣の前に沈黙。ルーキーの奮闘に応えることはできなかった。

レギュラーシーズン中はメジャー3位の総得点を記録したブルワーズ打線は、NLCSの3戦で1得点ずつに抑え込まれている。第1、2戦ではスネル、山本の2人の先発に圧倒されたが、第3戦ではドジャース唯一の弱点とされていたブルペン陣にも封じられた。

「挑戦的だ。彼ら(ドジャース)は世界最高の選手だよね?このシーズンのこの時期になると、最高の投手陣が揃うんだ」と、ブルワーズのジェイク・バウアーズは語った。

追い詰められたブルワーズは、第4戦はベテランのホセ・キンタナを投入する予定だ。左腕のキンタナの起用は、打者・大谷封じには効果があるだろう。しかし、逆転でのシリーズ突破はおろか、シリーズを再びミルウォーキーに持ち込むだけでも大きな挑戦となる。シーズン最高勝率のチームが最大7戦のシリーズで0勝3敗となった過去7度の事例では、7度すべてスイープ(4連敗)で決着している。

「あまり先走りすぎないように気をつけている。ワールドシリーズは考えていない。きょうどうやって勝つかだけを考えている。それがわれわれが多くの試合に勝てている理由だと思う」と、エドマンは語る。

一方、ブルワーズの選手たちは厳しい現実を受け止めている。レギュラーシーズンでナ・リーグ最高勝率を記録したチームは、いまや崖っぷちに追い込まれている。

「これまで以上の力を出さなければ勝てない」と語るのは、三塁手のケイレブ・ダービン。指名打者のクリスチャン・イェリッチも「言うまでもないけど、1勝しなければ4勝には届かない」と冷静に現状を見つめていた。

さらに好調だった1番打者ジャクソン・チューリオが第3戦で負傷交代を余儀なくされ、状況は悪化する一方だ。この窮地を抜け出す唯一の方法は、イェリッチの言葉を借りるならば、課題を「小さな目標」に細分化することだと彼らは信じている。そして、自分たちに過度なプレッシャーをかけてはいけないことも理解している。

第3戦の前、ブルワーズのパット・マーフィー監督は試合前にいつもの芝居がかった振る舞いをしており、報道陣と冗談を言い合ったり、野球以外の話題で盛り上がったりしていた。

ある記者がマーフィー監督の目に付く気の緩みについて質問したところ、マーフィー監督はこう答えた。

「これはただの演技だよ。気が緩んでなんかいない。ものすごく緊張しているんだ」

その数時間後、NLCSで0勝3敗と劣勢に立たされたマーフィー監督は、もはや緊張する理由はほとんどないと悟った。この時点で、ブルワーズにはもう失うものがない。ブルワーズは強大なドジャースの前に屈する新たなチームとなるのか、それとも歴史的な形でドジャースを驚かせる相手になるのか、そのどちらかだ。

バウアーズはこう応じた。

「前にもあったことだろう?だったらなぜ、われわれにできないのか?」