ドジャースは連覇を達成し、野球界で最も困難なハードルの一つを乗り越えた。そして今、視線はさらに稀な挑戦、すなわち「3連覇」へと向けられている。
ドジャースにはそれを成し遂げるだけの才能がある。しかし、過去に連覇を果たした他のどのチームについても、同じことが言えたはずだ。それにもかかわらず、MLBの歴史において3連覇を達成したのは、ヤンキース(1936-39年、49-53年、98-2000年)とアスレチックス(1972-74年)のわずか2球団しか存在しない。
2026年を見据えると、ドジャースの3連覇への挑戦が結実するかどうかは、いくつかの重要な要因が有利に働くかどうかにかかっている。
1. 野手陣の高齢化は緩やかに進むか
スター揃いのドジャースのラインナップにおいてまず目を引くのは、30歳を大幅に超えた選手の多さである。
フレディ・フリーマン(36歳)、ムーキー・ベッツ(33歳)、テオスカー・ヘルナンデス(33歳)、マックス・マンシー(35歳)、ミゲル・ロハス(36歳)は全員が33歳以上だ。大谷翔平は31歳であり、ウィル・スミスとトミー・エドマンもそれぞれ来年3月と5月に31歳を迎える。
もちろん、今のところドジャースにとって年齢が問題になったことはない。2025年、ベッツとヘルナンデスは打撃面でわずかな衰えを見せ、マンシーは負傷の影響で過去2シーズンの出場が173試合にとどまった。それでもなお、ドジャースは2025年のメジャー全体で2位という総得点を記録している。
2. 脆弱な先発ローテーションは持ちこたえられるか
ドジャースほど先発投手の才能が豊富なチームは他にないが、負傷は依然として大きな懸念事項である。
タイラー・グラスナウは、1シーズンに23試合以上先発登板した経験がない。一方、ブレイク・スネルが27試合以上先発したのはわずか2回(その両方の年でサイ・ヤング賞を受賞)。大谷とエメット・シーハンは、ともに肘の手術から6月に復帰し、レギュラーシーズン中の先発登板は合わせて26試合だった。また、佐々木朗希(24)は右肩痛により、ルーキーイヤーはプレーオフを含めても50イニングに満たない登板数に制限された。
2025年に以上の投手が全員負傷者リスト(IL)入りする中、ドジャースは安定感を求めて山本由伸(27)を頼りにした。この右腕は、回旋筋腱板の損傷で約3カ月欠場した2024年と比較し、レギュラーシーズンとプレーオフを合わせて102回1/3も多く投げる大幅な負荷増を経験している。
どうにか2025年のポストシーズンには先発ローテーション全員が健康な状態となり、不安のあったブルペンを強化するために佐々木やシーハンを回すことも可能となった。しかし、同じことが再び起こると現実に期待できるだろうか。
3.高額なクローザーの刷新は功を奏するか
ドジャースはウィンターミーティングにおいて、エドウィン・ディアスと3年6900万ドル(約107億4330万円)の契約を結び、フリーエージェント市場で最高のクローザーを確保した。
この動きに既視感を覚えるならば、それはドジャースが昨年1月、タナー・スコットと4年7200万ドル(約112億1040万円)の契約を交わしたものの、この左腕が移籍1年目に苦戦する姿を目の当たりにしたからだ。ディアスもその感覚を理解している。2018年12月にシアトルからニューヨークへ移籍した後、メッツでの1年目は防御率5.59と低迷した経験があるからだ。
クローザーの問題を解決するために多額の資金を投じたにもかかわらず、このポジションが引き続き課題となるようならば、ドジャースの3連覇達成はそれだけ困難なものになるだろう。
