クレメント、申告敬遠に意地の3ランでタイガースに先勝

先発ラウアーが8回1失点、ア・リーグトップタイの61勝目

July 25th, 2025

タイガース4-11ブルージェイズ】デトロイト/コメリカ・パーク、7月24日(日本時間25日)

調子がいいときは何をやってもうまくいく。相手の予想も対策も上回り、勝利をさらっていく。そんな力強さが今のブルージェイズにはある。

60勝同士で迎えた敵地でのア・リーグ頂上決戦をブルージェイズが圧倒。六回から八回にかけて一気に11得点を奪い、ア・リーグトップの61勝目をあげた。

ブルージェイズ打線は五回まで大人しかったが、六回から爆発。ブラディミール・ゲレーロJr.のタイムリーで1点を返すと、5番アディソン・バーガーが敬遠され2死一、三塁に。そんなタイガーズの判断を嘲笑うかのように、続くアーニー・クレメントが2球目を完璧に捉えて左翼への5号3ランを放ち、試合の流れを一気に変えた。

本人にとっては、まさに狙っていた一打となったようだ。

「ああいった状況が好きだし、燃えるんだ。直前で敬遠をされると、なおさらやる気が出るよ」

投げては先発のエリック・ラウアーが8回97球で、5安打6三振と圧巻の投球を披露。唯一の失点は初回のソロ弾のみで、そこからはタイガース打線を封じ込めた。

マイナーでも調子があがらず、昨季を韓国リーグで過ごしたラウアーは、自己最高のシーズンをここまで送っている。これで今季6勝目で防御率は2.61。当初は3A間違いなしと見られていた左腕は、マックス・シャーザーやボーデン・フランシスを欠いていた時期にもチームを支え、チームのMVP候補に名が上がるほどの安定感を見せている。

「何度言っても足りない。ラウアーは間違いなくチームの影のMVPだよ。毎試合、勝利のチャンスを与えてくれる。彼がやっていることは特別だ」

シュナイダー監督が冗談めかして、「もしラウアーがいなかったら、もっとヒゲに白髪が増えてるよ」と語ったように、安定した先発投手の存在は、ローテーションの組み方、救援投手の休息など多くの問題を解決してくれる。

そんなラウアーは、充実した投球もあり、自身最高のシーズンを最高に楽しんでいるようだ。

「毎日球場に来るのが本当に楽しいし、スタッフから選手まで、クラブハウスの雰囲気が最高だ。みんなが一体感を持っていて、一緒に楽しめている。勝っていると、すべてがより良く感じられる。この勢いをできる限り続けていきたい。これが野球の楽しさだ。勝っているときの野球は、本当に楽しい」

『ダークホース』という見方は今では過去のもの。とりわけ強豪チームに対して滅法の強さを誇り、同地区のライバル、ヤンキースに勝ち越した勢いのまま、タイガースを圧倒した。