第7戦に向けて生まれた7つの事実

November 1st, 2025

ブルージェイズ1-3ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月31日(日本時間11月1日)

やはり野球は最高だ。ドジャースが第7戦に持ち込んだことで、フルスケジュールで楽しめることになった。

第6戦はブルージェイズのサヨナラ勝ちで終わるかに見えたが、キケ・ヘルナンデスがポストシーズン史上初(エライアス・スポーツ)となる「7-4(左翼→二塁)」の試合終了ダブルプレーを成立させ、ドジャースがロジャースセンターで勝利をつかんだ。

そして、シーズンのすべてがこの一戦にかかる。ここでは、7つのデータとトピックを紹介する。

・第3戦の18回を含め、すでに今シリーズでは膨大なイニングが消化されている。これまでに投げられた総イニング数は124回であり、少なくともあと17回は加わる予定。つまり合計141イニングとなり、1924年(133回2/3)を超えて「7戦制シリーズ最多イニング」を記録する。これに匹敵するのは、8試合制だった1912年(147回2/3)、1919年(143回)、1921年(141回)、1903年(141回)のみである。

・イニングといえば、ドジャースの捕手ウィル・スミスはこのシリーズの全イニングでマスクをかぶって戦っている。すでに62イニングを守り、第7戦を終えるころには少なくとも70イニングに達する見込みだ。これは1924年のマディ・ルエル(67イニング)を超え、7戦制シリーズの最多記録となる。ワールドシリーズ全体で70イニング以上を受けた捕手は、1903年の初代シリーズで8試合に出場したルー・クライガー(71イニング)ただ一人である。

・マックス・シャーザーが、おなじみの舞台に上がる。ワールドシリーズが最後に第7戦まで進んだ2019年にナショナルズの一員としてアストロズ戦に先発。シャーザーはボブ・ギブソン(3回)、ルー・バーデット、ドン・ラーセンに続き、複数回ワールドシリーズの「勝てば優勝/突破、負ければ敗退」の試合に先発する4人目の投手となる。また、ポストシーズンでは通算9度目となり、アロルディス・チャップマンを抜いて史上最多記録となる。また、41歳97日での先発は、ワールドシリーズの同条件では史上最年長となる。

・ドジャースの先発はまだ正式発表されていないが、大谷翔平(31)になる可能性が高い。2025年のナ・リーグMVP受賞はまだ正式決定していないが、その可能性も極めて高い。MVP受賞年にワールドシリーズ第7戦で先発したのは、ボブ・ギブソン(1968年)、ドン・ニューカム(1956年)、ハル・ニューハウザー(1945年)、ディジー・ディーン(1934年)の4人のみである。

・ドジャースが第7戦に持ち込んだことで、今ポストシーズンでは7つのシリーズが最終戦までもつれた。これは過去最多を2つ上回る記録で、シリーズ数が増えているとはいえ、7度の最終戦が可能になったのは、1995年以降と1985年のみで、決してサンプル数が少ないわけではない。

・ブルージェイズは、すでにア・リーグ優勝決定シリーズでも最終戦(7戦目)まで戦っており、今ポストシーズン2度目の第7戦を迎える。これは1985年にリーグ優勝決定シリーズが7戦制となって以降、史上6チーム目となる。過去には2017年アストロズ、1991年ブレーブス、1987年カージナルス、1986年レッドソックス、1985年ロイヤルズが該当し、このうち両方を制してワールドシリーズ優勝を果たしたのはアストロズとロイヤルズだけである。

・第6戦はデーブ・ロバーツ監督にとって通算116試合目のポストシーズンでの指揮で、これは歴代4位。通算68勝目を挙げ、ボビー・コックスを抜いて単独3位となった(上位はジョー・トーリ=84勝、トニー・ラルーサ=71勝)。当然ながら「勝てば優勝/突破、負ければ敗退」の試合の経験も豊富で、今回が監督として9度目の挑戦となる。これはA.J.ヒンチ(通算5勝4敗)と並び歴代2位で、最多はダスティ・ベイカーの10試合(2勝8敗)。ロバーツはこのタイプの試合で6勝2敗を記録しており、無敗のブルース・ボウチー(6勝0敗)と並んで歴代最多タイに立っている。