【カブス0-8パドレス】サンディエゴ/ペトコパーク、9月29日(日本時間30日)
フェルナンド・タティスJr.とマニー・マチャドは、こうした瞬間のためにプレーしている。
過去7年間、パドレスはこのスーパースターコンビが生み出す魔法に何度も助けられ、魅了されてきた。だからこそ、大舞台でこそ輝く2人がナ・リーグのワイルドカードシリーズ第1戦で見せたプレーは、ある意味必然だった。
初回、先頭のタティスは、カブス先発マシュー・ボイドの初球を捉えた。打球は跳び上がったピート・クロウ=アームストロングが伸ばしたグラブをわずかに越え、左中間のパドレスのブルペンへ。スタットキャストによる推定飛距離は405フィート(約123.4メートル)だった。
パドレスの選手がポストシーズンで先頭打者本塁打を放ったのは、これが初めて。球場はたちまち熱狂に包まれた。2024年のワイルドカードシリーズ第1戦で、タティスが初回に放った2ランを思い起こさせる一発だった。
その直後、歓声はさらに大きくなった。
マチャドはボイドが外角いっぱいに投じた81.5マイル(約131.2キロ)のチェンジアップを捉え、左翼席に運んだ。あっという間に、パドレスは2-0とリードを広げた。
パドレスがポストシーズンの初回に複数本塁打を放ったのは初めて。イニングを問わず、1イニングに複数本塁打を記録したのは9度目となった。
先発のマイケル・キングは7回無失点と圧巻の投球を披露し、勝利へ十分すぎるリードを得ると、最後は強力ブルペン陣が危なげなく試合を締めくくった。
だが、これはまだ初回の話に過ぎない。タティスとマチャドの活躍は始まったばかりだった。
三回、1死からタティスが四球で出塁すると、続くマチャドが打球速度108マイル(約173.8キロ)で右中間フェンス直撃の二塁打を放ち、タティスが一塁から生還。五回にもマチャドが四球を選んで出塁し、ジャクソン・メリルの2点適時打で本塁を踏んで6-0とした。
そして迎えた七回、この日一番のハイライトが訪れた。
タティスは遊撃への緩いゴロで内野安打をもぎ取ると、ダスティン・ハリスの打席で二盗を敢行。送球をかいくぐってセーフとなると、ボールは跳ねて浅い左中間へと転がった。
タティスに迷いはなかった。素早く起き上がると、ヘルメットを脱ぎ捨てて一気に三塁へ。左翼手イアン・ハップがボールに追いつく頃には三塁を蹴り、頭から本塁へ飛び込んで生還した。
膝をついたまま雄叫びをあげるタティスに呼応するように、ペトコパーク全体が大歓声に包まれた。
試合後、本塁打と激走のどちらが楽しかったかを尋ねられたタティスは、笑いながらこう答えた。
「難しい質問だけど、みんなが熱狂するのを感じながらベースを駆け抜ける方かな。本塁打の時も球場全体、誰もが興奮していて、スタジアムの雰囲気は本当に素晴らしかった。ファンのおかげで、もう一押しする力をもらえた。ここでプレーできて最高だよ」とタティスは語った。
パドレスのポストシーズンは、まさにこれ以上ない最高の一歩を踏み出した。
