【デンバー(コロラド州)】 金曜日の試合前、リンドアはクアーズ・フィールドでの打撃練習を終え、その後の試合で貢献できる自信を持っていた。そのことをメンドーサ監督にも伝えた。2日前に右足の小指を骨折していたにも関わらず、試合に出場するつもりだった。
「勝負どころで代打にリンドアを送るつもりだった」とメンドーサ監督は言った。
指揮官は、負傷中のチームリーダーをいつ起用するかについて慎重になる必要があることも理解していた。まだ全力で走ることはできなかった。ショートの守備もできなかった。しかし、立っていることだけはできたので、打つことができる。それは相手への脅威だった。
この1年以上、リンドアは2つのことを一貫して証明してきた。1つは、どんな体調でもプレーしようとすること。2つ目は、体調不良は大きな問題にはならないということだ。
リンドアは同点の九回に代打で登場し、骨折した右足を気にせず、決勝点をもたらす2点二塁打を放ち、メッツは4-2でロッキーズに勝利した。
「彼なら当然やるだろうな、って感じだよ」と一塁手のアロンソは言った。「でも、冷静に考えてみると、毎日こんなに体を張ってプレーしているチームメートがいるのは本当に特別なことだ。真のプロだよ」。
「彼ならやってくれる、という期待がある」とリリーフ投手のスタニク。「彼はそれができることを証明してきた」。
リンドアがいるか、いないかでチームの勝敗が左右される。ロサンゼルスでのドジャース戦でゴンソリンのスライダーがリンドアの右足を直撃し、骨折した時、心配するのは当然だった。リンドアは次の日、スタメンから外れ、メッツはドジャースに痛い逆転負けを喫した。一夜明けたこの日、リンドアは八回までベンチに座り、メッツは得点圏で13打数1安打と苦しんでいた。
その唯一のヒットは七回。アロンソの一時、勝ち越しとなる2点二塁打だった。ロッキーズにその後、同点に追いつかれたが、八回にスタニクが無死満塁のピンチを招いたが三塁手、ベイティのダイビングキャッチからのダブルプレーで乗り切った。
その間、リンドアはダグアウトでバットを握りしめていた。「ただ、プレーしたかった」。
九回1死でソトがヒットを打ち、アロンソが四球で歩いた。リンドアはまだ動いていた。2死後、指揮官はようやく痛みを抱えたショートを代打として呼び、メッツに希望を与え、ロッキーズに恐怖をもたらした。
「リンドアは野球界で偉大な選手の1人だ」とロッキーズのシェーファー監督代行は語った。「彼は決してあきらめない選手。彼は本当に最高の選手だ。彼が打席に立っているのを見るのは絶対に嫌だ」。
リンドアはその“予言”を証明した。代打で打席に立ち、ライトポールの近くまで運ぶ二塁打を放ち、アロンソが2点目のランナーとしてホームに滑り込んだ。
「僕たちのチームに彼がいるのは、とても尊いことだよ」とアロンソは言った。「彼は自分の体調や健康に関わらず、何があっても戦う覚悟がある選手。こんなことを何度も見てきた。ケガで動きに制約があるのは分かっているけれど、彼はそれを乗り越えてプレーしている。本当に尊敬しかない」。
その後、メッツの選手たちはリンドアに同様の賛辞を送った。先発して6回1失点だった千賀滉大は「それをリアルタイムでみていて、やっぱりスターだな、と思いました。それ(負傷していること)を感じさせないリーダーシップもありました。彼のすべてが出たのかな、と思います」と語った。
リンドアの評価は、いかなる状況でも試合に出場し続けることが含まれる。過去3シーズンで、彼は毎年平均158試合(全162試合)に出場している。
それは、リンドアがケガをせず、体調不良もなく過ごしてきたわけではない。2024年5月には、重い病気で試合の最初の5イニングを欠場し、その後六回から登場して2点二塁打を2本打ち、延長戦で勝利に貢献した。昨年9月には、腰痛で11日間を欠場し、プレーオフの10月に出場できるか不安だった。しかし、最終的にレギュラーシーズンのラスト4試合のうち3試合に出場し、2本のホームランを打った。そして、すべてのプレーオフの試合ででフル出場した。
今、リンドアはまた新たな勲章を加えた。
「それが彼が示す模範だよ」とベイティは言った。「彼は昨日プレーしたかった。そして、今日はプレーしたいと思っている。(負傷しているにも関わらず)ベンチから出て出場することは彼には重要なこと。そして試合を決める打点を挙げた」。
多くの選手たちは骨折した状況でプレーすることをためらものだ。
「でも、彼はそうじゃない」とベイティは答えた。「だからこそ、彼を尊敬しているんだ」。
