メッツ、大型トレードでブルワーズの右腕フレディ・ペラルタ獲得

3:47 AM UTC

今オフ、メッツは打線の中核を入れ替え、多くの新戦力を迎え入れてきたが、昨季最大の課題だった先発ローテーションには、これまで手が付けられていなかった。

少なくとも、この一手が打たれるまでは。

メッツは21日深夜、ブルワーズのエース右腕フレディ・ペラルタを獲得するトレードを成立させた。ペラルタは昨季33先発で防御率2.70を記録。2度のオールスター選出投手。また右腕のスイングマン(先発&リリーフ)のトビアス・マイヤーズも併せて加入する。

今季終了後にFAとなる可能性があるペラルタは、メッツの先発陣に即座に「格」を与える存在だ。事実上のエースとして、ノーラン・マクリーン、ショーン・マナイア、クレイ・ホームズ、千賀滉大、デビッド・ピーターソンらと並ぶローテーションの柱となる。

対価として放出されたのは、球団有望株3位のジェット・ウィリアムズと同5位のブランドン・スプロート。いずれも2026年には戦力化が見込まれていた選手だ。ウィリアムズは遊撃、二塁、中堅をこなせる万能型の元ドラフト1巡目指名。スプロートは昨季メジャーデビューを果たし、4先発で防御率4.79を記録した。

ともに将来性の高い若手だが、6月12日以降の先発防御率がメジャー27位に低迷していたメッツにとって、リーグ屈指の右腕を獲得するための対価としては十分に納得できるものだった。ペラルタは今季、球団オプションで年俸800万ドル(約12億6400万円)とコスト面の負担も比較的軽く、その点も多くの球団が関心を示した理由の一つだ。

さらに魅力なのが、その投球内容である。90マイル中盤の速球を軸に、チェンジアップ、カーブ、そして昨季に空振り率53.4%を記録した切れ味鋭いスライダー。まさに、メッツが求めていたエース像に合致する。

ペラルタはキャリア序盤、健康面に課題を抱えていた。2018~22年の5年間で、1シーズンに25試合以上先発したのは一度だけだった。しかし直近3シーズンは安定感を増し、平均32先発、172イニングを投げ、防御率3.40、9イニング当たり10.7奪三振と、エース級の成績を残している。

メッツはペラルタに加え、27歳のトビアス・マイヤーズも獲得。平均以上のリリースポイントのエクステンションと制球力を武器に打者を抑えるタイプで、通算では先発31試合、救援18試合に登板し、防御率3.15を記録。今後5年間の保有権が残っており、メッツでも同様に先発と救援を行き来するスイングマンとして起用される見込みだ。ローテーションに選択肢が多いことから、当初はリリーフでの起用となる可能性もある。

ペラルタ獲得前のメッツ先発陣は、層の厚さこそあったものの、突出した「天井」の高さには欠けていた。マナイアと千賀滉大は2025年に負傷に悩まされ、ピーターソンは後半戦で失速。さらに、メッツで先発転向1年目を迎えたホームズは耐久力こそ示したものの、内容は平凡だった。こうした投手たちはいずれも、開幕ローテーション候補として残る見通しだが、そこにペラルタが加わったことで、陣容は大きく様変わりした。

チームの行方を大きく左右する存在になり得るのが、ペラルタとノーラン・マクレーンだ。後者はルーキーながら、メッツのエース候補として名前が挙がっている。今後は、ポストシーズン通算9試合(うち先発6試合)の経験を持つペラルタと、エースの役割を分かち合う形になりそうだ。メッツにはこのほかにも、若手ローテーション候補としてジョナ・トンやクリスチャン・スコットが控えており、さらにその後ろにはファームで育成中の有望株が続いている。

メッツのデビッド・スターンズ編成本部長は、2018~23年にブルワーズでペラルタのキャリアを間近で見てきた人物で、当時と同様、今回もスターンズは、この右腕がチームをポストシーズンへ導き、そして舞台に立てば中心となって支えてくれる存在になることを期待している。

今回のペラルタ獲得は、メッツにとって激動のオフを締めくくる一手になった。球団はこの冬、一塁手ピート・アロンソ、外野手ブランドン・ニモ、抑えのエドウィン・ディアスといった長年の主力と別れを選択。その穴を、二塁手マーカス・セミエン、三塁手ボー・ビシェット、抑えのデビン・ウィリアムズ、そして先発陣の柱としてのペラルタで埋めた。

メッツは今、新章へと踏み出している。