移動距離は地球4周!ドジャース、連覇と共に人気も拡大

球団初の年間400万人超えの観客動員を記録

November 9th, 2025

連覇を達成したドジャースの2025年シーズンは、まさに「地球を駆け巡った一年」だった。カブスとの開幕戦の地は東京ドーム、シーズンの最終章はカナダ・トロントで迎えたワールドシリーズ。1年間の総移動距離は 6万5,749マイル(約10万5,000キロ) に達し、地球を約4周する計算だ。

シーズンの移動距離はリーグトップの4万8,649マイル(7万8,301キロ)だったが、さらにポストシーズンでその距離を上乗せした。レッズとのワールドカードは本拠地だったため移動ゼロ。その後、NLDSでフィリーズ(ロサンゼルスーフィラデルフィア往復)、NLCSでブルワーズ(ロサンゼルスーミルウォーキー往復)、WSはトロントーロサンゼルスートロントと長距離移動が続くタフな日程の中、見事2年連続の世界一をつかみ取った。

チームを指揮するロバーツ監督が「本当に多くの距離を移動してきた」という言葉には実感がこもる。

それだけではない。

本拠地ドジャースタジアムでは球団史上初となる年間400万人超えの観客動員を記録。平均観客数は4万9000人を超えた。また、ドジャースが訪れる球場では、敵地でも観客動員が増える「ドジャース効果」が見られる。今季、平均観客動員数が2万9593人のレンジャース戦では、ドジャース戦の3日間で合計3万8655人を動員し、平均より約9000人増加。他球場でも同様でドジャース戦は、軒並み平均を上回った。青いユニフォームのファンでスタンドが埋まり、チームはまるで「移動するショーケース」のような存在となった。

米国選手だけではなく、日本の大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、韓国キム・へソン(金慧成)、キューバやドミニカ共和国出身の選手たちが同じフィールドで戦うドジャースの構成も、ファンを惹きつけた要因だろう。

2025年ワールドシリーズは、ドジャースとカナダ唯一のチームであるブルージェイズが32年ぶりに進出したこともあり、大きな盛り上がりをみせた。両チームのロースターにはカナダ、キューバ、ドミニカ共和国、日本、メキシコ、プエルトリコ、韓国、ベネズエラ出身の13人の国際選手が名を連ね、まさに多国籍なシリーズとなった。

シリーズ全体の平均視聴者数は3400万人を記録。さらに第7戦は、アメリカ、カナダ、日本を合わせて平均5100万人が視聴し、1991年以来34年ぶりに最も多く視聴されたMLBの試合となった。米国とカナダの合計視聴者数は前年比46%増の2,430万人に達し、史上最大規模となった。

ロバーツ監督はワールドシリーズ第6戦前に「われわれは非常に多様なチームで、野球という競技自体も多くの国々が関わる、とても国際的なスポーツになっている。野球への関心は今、世界的にかつてないほど高まっている」と話したが、ドジャースは国境を越えて野球の魅力を伝えるチームとなった。