ダルビッシュ力投、通算679三振で球団8位に

シカゴ凱旋のシーツは1打点「不思議な感覚」

September 21st, 2025

ホワイトソックス3-7パドレス】シカゴ/レートフィールド、9月20日(日本時間21日)

ダルビッシュ有がホワイトソックスとの2戦目に先発。4回2/3、78球を投げ6安打、4三振、2失点。初回と三回に連打で1点ずつを失ったが、粘り強いピッチングを見せ、五回にチェイス・マイドロスを見逃し三振にうちとってマウンドを降りた。

勝敗はつかず、4勝5敗のまま、防御率は5.51、WHIP1.15としている。これでパドレスで通算679三振となり、球団歴代8位にランクインした。

パドレス打線は二回にジャクソン・メリルの15号ソロで1-1の同点とすると、六回に3つの四球でチャンスを広げると、マニー・マチャドとライアン・オハーンのタイムリーで一挙4点を奪い5-2と逆転した。

八回に追加点となるタイムリーを放ったギャビン・シーツにとっては古巣シカゴへの凱旋となった。2021年にア・リーグ中地区を制したホワイトソックスでデビューを果たすと、翌年も堅実なプレーで評価を高めた。

しかし、2023年から状況が変わり始めた。ホワイトソックスは悪い意味で歴史に残る2024シーズンを過ごすと、シーツもそれに釣られるかのように低迷。球団は契約更改を提示せず、シーツはFAとなった。しかし、まだまだやれるという自信が彼を奮い立たせた。新天地に求めていた条件は、ただ一つだけだった。

「勝てるチームで勝つ野球をすることが重要だった。自分はその一部になれると信じていた。野球のやり方、勝つための野球を知っている。個人成績よりもそれを優先すれば、本来の自分のプレーが戻ると感じていた」

シーツの望み通り、パドレスはポストシーズン進出が目前に迫っている。そして、シーツ自身も言葉通り、個人ではなくチームを優先し、即戦力として貢献してきた。DH、一塁、左翼でプレーし、開幕戦での本塁打など、代打としても大きな価値を発揮してきた。

「シーズンが一直線に進むことはない。チームとしてもそうだ。多くの変化があったが、ギャビン・シーツだけはどこで起用しても安定しているし、それが彼の選手としての価値を示している」とパドレスのマイク・シルト監督は語る。

左の長打者を求めていたパドレスがシーツに関心を示したとき、シルト監督は2021年と2022年にホワイトソックスを率いたトニー・ラルーサ監督に連絡を取った。ラルーサの返答は「彼がいれば勝てる」だったという。

他球団からのオファーもあった中で、シーツはマイナー契約でパドレスへの加入を決断。その背景には、春季トレーニングで自分の実力を証明するという覚悟があった。

「確かに不安はあった。この2年間は望むようなシーズンではなかったから、調子を取り戻すのは簡単ではないと分かっていた。自分で勝ち取らなければならないと知っていたけど、むしろそれが火をつけた。フレッシュな気持ちで再スタートしたよ」とシーツは語った。

シーツは見事な復活をとげた。安打(119)と本塁打(19)でキャリアハイ。ポストシーズンでもDH、もしくは重要な場面での代打として不可欠な存在だ。

凱旋したシーツを、シカゴのファンはスタンディングオベーションで迎えた。打席に入る際には、ビデオボードに「おかえりなさい」のメッセージが映し出された。

「ここに戻ってくるのは不思議な感覚だけど、ファンのサポートは素晴らしかったし、うれしかった。複雑な気持ちだった」

しかし、感傷に浸っている暇はない。ホワイトソックスとの3連戦最終戦を終えた後は、ブルワーズ、ダイヤモンドバックスと難敵とのレギュラーシーズン最後の連戦が待っている。そして、何より、その先に、シーツが求めていた戦いが待っているのだから。