ゲリット・コール(35)は19日(日本時間20日)、打撃練習中のヤンキースタジアムのグラウンドに立ち、何千もの空席の青いシートが見守るアッパーデッキを見つめていた。数日後には、トミー・ジョン手術からの復帰を祝うファンの歓声でスタンドは埋め尽くされる。
マイナー戦での調整登板を終えてニューヨークに戻ったコールは、チームに「準備はできている」と伝えた。球団も同意し、2023年のア・リーグ最高投手賞(サイ・ヤング賞)に輝いた右腕は22日(同23日)に負傷者リストから復帰し、レイズ戦でシーズン初登板する。
コールは「ただ試合でプレーできること自体が恵まれている」と復帰を喜んだ。「一度離れると、その意味がより深く分かるようになる。あの環境に戻れること、そしてそれを当たり前だと思わずにいられることは、間違いなくエキサイティングだ。おそらく、自分が最も興奮しているのはそのことだ」とメジャーの舞台を心待ちにした。
コールは、3Aスクラントンでの調整登板で99.6マイル(約160.3キロ)を計測した。2025年3月に肘の権威として知られるニール・エラトロッシュ医師の手術を受けて、復帰を果たす。2024年のワールドシリーズ第5戦以来となるメジャーでの先発マウンドに上がる。
アーロン・ブーン監督(53)は当初、コールが86球を投げた後、同程度の球数でもう1試合マイナーで調整登板を行うと考えていた。
しかし、17日(同18日)にコールがシティフィールドに現れ、状態が非常に良いことを伝え、データや映像もそれを裏付けていたため、ヤンキースは方針を変更。18日(同19日)に新人右腕のエルマー・ロドリゲス(22)をマイナー3Aに降格させた。
ブーン監督は「現在のこのレベルで勝負する準備として、必要なことはすべてやり遂げたと感じた」とメジャー復帰の理由を説明。「だから、彼が戻ってくるのが本当に楽しみだ。これまでの長い道のり、つまり復帰に向けたリハビリのプロセスに注ぎ込んできた血と汗と涙を知っているだけに、彼のためにもうれしく思う」とエースの復活を喜んだ。
コールは予定よりも1登板早く復帰することになったが、左腕のマックス・フリード(32)が左腕の骨挫傷で15日間の負傷者リスト(IL)に入ったからではない。コールの回復がいかに順調に進んできたかを示している。
右腕は「自信もあるし、楽観的に捉えている」と語った。
「目の前にやるべき仕事があるのは間違いなく分かっている。次のステップに進むのにちょうど良いタイミングだということだ」
オープン戦で2度登板した後、コールはマイナーで29回を投げ、17失点(自責点15)、防御率4.66を記録した。28安打を許し、3四球を与えた一方で、28三振を奪っている。
ブーン監督は「リハビリ登板は毎試合見た」と語った。「本当に順調に進んでいると感じている。特定の登板では、彼がその試合でさまざまな課題に取り組んでいるのが分かる」と復帰へ手応えを語った。
術後14カ月が経ち、コールはリハビリのプロセスにおけるいくつかの側面に感謝している。特に去年の夏に幼い息子たちと時間を過ごせたことだ。また、コールは忍耐の価値を学んだとも語った。
コールは「面白いものだ」と語った。「初期の頃に1日余分に休んだり、1週間余分にかけたりすると、『これは永遠に終わらないのではないか』と思ってしまう。しかし、最終的にはちょうど良いタイミングで復帰することになる。とても早くは感じられなかったから、そのように収まるのは不思議だ。それでも、非常に効率的でベストなプロセスだった」と長かった道のりを振り返った。
