My Game, My MLB ー私にとってのMLBとはー
暑い夏の終わりと入れ替わるようにして、世界でいちばん熱い季節に突入した場所がある。それは、レギュラーシーズンが終わり、ポストシーズンが開幕したMLB。
「世界一」を目指すチームと選手たちが繰り広げるドラマのようなゲームの数々は、きっと今年も私たちの心を鷲づかみにする。
そんな今こそ、さまざまな人の熱いMLBへの思いを解き明かそう。
ゲスト：ハムショー／後編
Profile／ハムショー
YouTubeチャンネル「ハムショーのスポーツ実況ch」、「ハムショーのメジャー実況ch」にて、野球シーズン中はプロ野球、MLBを中心にほぼ毎日実況生配信を行う。「アナウンサー顔負けの実況スキルと熱量」「幼少期から叩き込んだ知識」「選手を信じた応援」をポイントとしている。
【シンプルにポストシーズンで暴れる大谷翔平がみたい】
——MLBは現在ポストシーズンの真っ最中ですが、ハムショーさんはどんなところに注目していますか？
今年は大混戦じゃないですか。去年はナ・リーグはドジャース中心、ア・リーグはヤンキース中心でポストシーズンに突入して、結局は大本命のその2チームがワールドシリーズで戦った。ドジャースとヤンキースの名門同士がワールドシリーズでぶつかったのって43年ぶりだったんでしたっけ？でも、そう感じさせないくらいにしっかり勝ち上がってきたなというか、順当だったなという気がしました。そういう意味では今年はそういうのがないので、（展開が）読めないですよね。
そもそもガーディアンズが地区優勝するなんて誰も思ってなかったじゃないですか。最大15.5ゲーム差でしたっけ？9月の頭でも11ゲーム差とかで、そんなの可能性ゼロですよ（笑）。そこからの逆転優勝なので、何が起こったんだっていう。だから今年は全カード楽しめるんじゃないかなと思いますし、全部みたい。全部ワクワクですよね、ア・リーグもナ・リーグも。
——その大混戦のポストシーズンの行方を予想するとしたら？
希望、願望を含めたら、もちろんドジャースにワールドシリーズ2連覇を期待したいなと思っています。連覇の条件はデーブ・ロバーツ監督の采配というか、選手の起用になるかな。たとえばバッターでいうと主力じゃない選手をどう使っていくか。（レギュラーシーズンの）終盤はミゲル・ロハス選手がすごい好調で、キケ・ヘルナンデス選手は好調の域を超えてポストシーズンでは必ず活躍する。だからマックス・マンシー選手やトミー・エドマン選手がコンディションに不安を抱えている中で、そういう選手たちをどう使っていくのかがポイントかなと思っています。
ピッチャーでいうと、レギュラーシーズンでは先発ローテーションは堅かったですけど、リリーフは正直、誰が出ても打たれる時期があった。それがポストシーズンになると先発の枚数がそんなにいらないから、本来は先発のエメット・シーアン選手やタイラー・グラスナウ選手、クレイトン・カーショウ選手とかも中継ぎとして待機させられる。そこに佐々木朗希（23）選手も入ってきて、今は抑えられる投手がベンチに必ずいる状況になっています。レギュラーシーズンではやられようがやられまいがゲーム終盤の形をあんまり崩さなかったんですけど、ポストシーズンはその辺りの采配が鍵を握るんじゃないかなと思っています。
——対するア・リーグはどこが勝ち上がってきそうですか？
ア・リーグも難しいですよね。どこが出てきても本当に不思議じゃないです。9月はヤンキースが強かったなって思いますけど、マリナーズも（レギュラーシーズン最後の）ドジャース戦まではめちゃめちゃ良かった。（二冠王の)カル・ローリー選手はもちろんですけど、ランディ・アロザレーナ選手とかフリオ・ロドリゲス選手とか、ポストシーズンで暴れそうな選手が揃っているので侮れないですね。ア・リーグはどこも可能性ありそうなんですけど、でもやっぱりマリナーズがみたいな。地区優勝がイチローさんのいた2001年以来っていうのもありますし、ローリーが今年の顔っぽいじゃないですか。
ドジャースはマリナーズにレギュラーシーズンで連勝中だし、いざワールドシリーズってなったらドジャース優勢だと思うんです。ただ去年のワールドシリーズも初戦（フレディー・フリーマンの逆転サヨナラ満塁本塁打で勝利）で大勢が決した感じがあったので、今年もマリナーズが初戦に勝てばもつれると思いますし、逆に言うとドジャースが最初に勝ったら4連勝すらあるんじゃないかなっていう気がします。
——このポストシーズン、大谷選手にはどんなところを期待しますか？
僕はやっぱりシンプルにポストシーズンで暴れる大谷選手がみたいですね。たとえば2023年のワールドベースボールクラシックは、侍ジャパンの世界一であり、大谷の大会だった。そういうポストシーズンになってほしいですね。去年も3本ホームランを打っていますし、（左肩を）ケガするまではある程度アベレージも残していたんですけど、それでも物足りない。大谷翔平という選手の短期決戦での集中力というか、そこでさらに想像を超えてくれる姿をファイターズでもワールドベースボールクラシックでも何度もみているので。だから今年はこのシリーズだけでとかじゃなくて、ワールドシリーズも含めてポストシーズンのMVPはショウヘイ・オオタニだっていうぐらいの活躍をしてほしいです。
しかも今年は投打の二刀流。だから去年、パドレスとの地区シリーズ最終戦で山本由伸投手が先発を託されたような、ああいうところで大谷選手が起用されることもあるだろうし、もしかしたら九回に最後を締めるのが大谷選手になるかもしれない。さすがに途中（からの起用）はないと思うんですけど、これで優勝が決まるっていうワールドシリーズの最後の試合とか、最後の最後の九回だけはその可能性があるかなと思うんですよね。そんな光景がちょっとみたいなと思っています。
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