救援左腕ミルナーとカブスが1年契約で合意 ブルペン補強は継続の予定

December 12th, 2025

今季のブルペン陣を支えた投手の多くが退団し、カブスはリリーフ投手の補強が優先事項となっていた。

「オフシーズンにリリーフ投手をさらに獲得するのは当然」とジェド・ホイヤー編成部長はウィンターミーティングで語っていた。

そして11日(日本時間12日)、カブスは救援左腕ホビー・ミルナーと1年契約、救援右腕コリン・スナイダーとマイナー契約で合意したと関係者がMLB.comに明かした。球団はこれらの契約を正式発表していない。

MLB.comのマーク・フェインサンド記者によれば、ミルナーの年俸は375万ドル(5億8000万円)プラス出来高となる。今季の救援陣を支えたアンドリュー・キットリッジ、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツらが退団し、カブスは救援右腕フィル・メイトンと2年1450万ドル(約22億円)で契約を結び、今度は左腕のミルナーを加えた。

「ブルペン陣を充実させるには、まだやるべきことがたくさんある。投手陣の現状に満足することは決してないだろう」と、クレイグ・カウンセル監督はウィンターミーティングの会見で語った。

ミルナーは2021-23年にブルワーズでともに戦ったカウンセル監督と再びタッグを組む。34歳の左腕にとってキャリアハイのシーズンは、カウンセル監督の下で戦った2023年。73登板で防御率1.82を記録した。

今季、ミルナーはレンジャーズで73登板(70回1/3)を投げて防御率3.84、58三振、21四球を記録。スタットキャストによれば、主にスイーパー(35.1%)とシンカー(32.8%)を軸に、チェンジアップとフォーシームも交えるスタイルでゴロ率(53.8%)は上位9%と、打たせて取る投球が光った。

ミルナーはサイドスローに近いアングルを生かし、今季は左打者を打率.208、OPS.526に抑えた。一方で、右打者には打率.295、OPS.820と痛打された。これはキャリアを通して変わらない傾向だ。通算9シーズンで左打者には打率.221(OPS.608)、右打者には打率.277(OPS.794)を記録している。

メイトンとミルナーを補強したが、カブスは依然としてリリーフ投手の補強を目指している。メイトンとの契約が2019年以来となるリリーバーとの複数年契約だったにもかかわらず、ホイヤー編成部長は複数年契約に前向きだ。救援右腕ブラッド・ケラーとの再契約、そしてピート・フェアバンクスは選択肢だ。また、カブスのターゲットと報じられていたロベルト・スアレスは、この日ブレーブスと3年契約に合意した。

ホイヤー編成部長の下、カブスは球団組織内での育成やトレード、ウエーバー、あるいは短期契約など、小規模な動きでブルペン陣を構築することを好んできた。

「ブルペンは、層の厚さを重視して人数をそろえるのに適した部門だと考えています。今いる投手たちを生かし、さらに良くなれる投手を信じて、できる限り成長させようとしてきました。だから正直に言えば、変動が少ない別の分野(=先発投手や野手)に資源(資金やトレードの交換要因の有望選手)を回したい気持ちもあります。ただ同時に、ブルペンが非常に重要なのも事実です」とホイヤー本部長は語った。

その点、30歳のスナイダーとのマイナー契約は、復活の可能性がある投手にチャンスを与えるというカブスの典型的なブルペン戦略に適合している。

スナイダーは2024年にマリナーズで好成績を残し、球種構成(フォーシームとスイーパーを多用)、42登板で防御率1.94、三振率27.8%を記録した。しかし、今季は24登板、防御率5.47と成績が悪化。球速は前年の94.2マイル(約152キロ)から92.4マイル(約149キロ)に低下していた。

今季のスナイダーはケガに悩まされた。4月には左膝に打球を受け、6月には右前腕屈筋を負傷。その後、3Aに復帰したが、8月にアウトライト(メジャー40人枠を外れ、マイナー契約として球団組織に残ること)され、今オフにFAとなった。カブスのブルペン陣は現状空きが多く、春季キャンプとオープン戦の競争次第ではスポットを勝ち取るかもしれない。