ミジオロスキー、雨中のぬかるみに苦戦も最速100.9マイルでメッツを圧倒

August 28th, 2026

ブルワーズ8−2メッツ】ニューヨーク/シティフィールド 8月27日(日本時間28日)

100マイル超の剛速球で知られるブルワーズの剛腕、ジェイコブ・ミジオロウスキーが、速球が本来の威力を発揮できない状況でも圧巻の投球を見せた。

27日(日本時間28日)のメッツ戦に先発した26歳右腕は、6回を2安打2失点。今季17度目のクオリティースタートを記録し、チームの勝利に貢献した。最大の武器であるフォーシームの最速は100.9マイル(約162.4キロ)に留まった。

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「Aランクの球ではなかった。それでもやってのけた。これが大人の投球だよ」

ブルワーズ救援陣のDL・ホールは、そうミジオロウスキーを称えた。

この日の舞台となったニューヨークは、雨が降る湿った一日。マウンドは柔らかく、ミジオロウスキーは投球中に何度も足を滑らせた。

しかも、身長が高いミジオロウスキーは他の投手よりもマウンドの前方に着地する。そのため、踏み出した足が安定した土ではなく、崩れやすい柔らかな部分に入ってしまう。

「前足でしっかり止まることができないのが大きかった。ぶつかる“壁”がないから、腕だけで投げるような感覚になってしまう」

四回前に、ミジオロウスキーは球場のグラウンドクルーにマウンドの修正を依頼。修復しても、1、2人の打者を投げると着地のたびに土が崩れ、再びぬかるんだ状態に戻ってしまった。

ジャクソン・チョーリオは4安打、4得点、4打点をマークし、2本塁打を放つ大活躍。1回には先頭打者として初球を中前打にすると、2回には初球を捉えて2ラン本塁打を放った。

試合後、チョーリオは自身の打撃だけではなく、投手・ミジオロウスキーの投球について楽しそうに話した。

「彼にはあれだけの威力のある速球があって、打者を力でねじ伏せることができる。でも、試合の状況を見ながら、ほかの球種を織り交ぜて投げることもできる。彼がそうやって投球しているのを見るのは、本当に興味深いよ」

序盤は完璧だった。

最初の7打者を連続で退け、三回に四球で初の走者を許したものの、四回終了時点では無安打。ブルワーズの一塁手アンドリュー・ボーンと二塁手デビッド・ハミルトンの好守もあり、ピンチをしのいだ。

流れが変わったのは五回だった。

フォーシームの球速が95.8マイル(約154.2キロ)まで落ちる中、先頭打者を四球で歩かせると、ジェイコブ・ヤングへの2―0からカッターが甘く入った。右中間を破られるタイムリー二塁打になり、この試合初めて失点。さらに3人後にはクリストファー・モレルにもタイムリーを許し、2点を失った。

それでも、ミジオロウスキーはマウンドを降りなかった。

「六回も投げたい」

監督のパット・マーフィーから続投の意思を確認されると、本人は即答したという。

「上位打線だから。投げたい」

そして迎えた六回。わずか7球で三者凡退。89球で登板を終えた。

「最高の球がなくても、本当にいい投球をした。両足で滑りながら、それでも踏ん張った。101マイルが出ないから疲れている、とは思わない。必要なら101、102マイルは出せたと思う。でも、あのマウンドで無理をする必要はない。きょうはミズにとって、とても価値のある投球の勉強になったと思う」

マーフィー監督はそう振り返った。

今季のミジオロウスキーは、すでに151イニングを投げており、自己最多を更新中。ブルワーズは10月を見据え、負荷を慎重に管理している。本人は球速の低下をどう捉えているのか。

「いろいろな状況があったから、球速は少し落ちたと思う。でも感覚は良かった。自分らしく投げられたし、最後までやり切れた」

疲労によって、あえて力を抑えているわけでもない。

「開幕戦と同じくらい、今も鋭い感覚がある。体は疲れている。みんな疲れている。8月から9月に入る時期だからね。それも野球の一部だよ」

この日の登板を終え、防御率は1.73。24歳以下の投手がシーズン25先発を終えた時点で1点台の防御率を記録したのは、1985年のドワイト・グッデン以来となる歴史的な数字だ。

105.5マイルを投げる剛腕が、この日は100.9マイル。それでもメッツを6回2失点に抑えた。

「速い球がないと勝てない投手」ではない。

むしろ、速球が本来の姿を見せない日に、どう勝つか。26歳のミジオロウスキーは、この日のニューヨークで、剛速球とはまた違う「投手としての強さ」を見せた。