【ブレーブス1−2ブルワーズ】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド 8月21日(日本時間22日)
ジェイコブ・ミジオロウスキーは、この日も「ほぼ」100マイルの剛速球を連発した。今季ここまでの登板に比べれば空振りは少なかったが、少年時代から憧れていたクリス・セールとの投げ合いで、速球だけに頼らない投球を披露した。
レギュラーシーズンも残り約5週間。ナ・リーグのサイ・ヤング賞最有力候補とされる右腕は、6回4安打無失点の好投。防御率をメジャー全体トップの1.68まで下げた。
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ポストシーズンを思わせる、エース同士の昔ながらの投手戦だった。4万130人の満員となったスタンドを前に、ミジオロウスキーはブレーブスのエース左腕クリス・セールと投げ合い、チームを勝利に導いた。この勝利でブルワーズは今季最多となる貯金31。メジャー80勝一番乗りも果たした。
ブルワーズのパット・マーフィー監督は「セール対ミジオロウスキー。ファンが見たかったのは、こういう試合だろう。もちろんブレーブス対ブルワーズの試合だけど、この対決を目当てに来た人もたくさんいたと思う」と笑った。
投手戦を象徴するかのように、両チームから長打が出たのは六回2死。ブレーブスのマイケル・ハリス2世がミジオロウスキーから二塁打を放つまで、長打は一本もなかった。
好守も投手戦を支えた。五回、ブレーブスの右翼手ロナルド・アクーニャJr.はルイス・ララの右前打を右翼コーナーで処理すると、素早く反転。92.3マイル(約148.5キロ)の送球を内野へ突き刺し、二塁を狙ったララをアウトにした。
さらにその1イニング後には、今度はララが好プレーを披露。マット・オルソンのセンターフェンスへの打球をジャンピングキャッチ。勢い余ってフェンスに激突しながらもボールを離さず、直後にハリスが二塁打を放った場面で、失点を防ぐ大きなプレーとなった。
「彼のネームプレートを『エア・ララ』に変えないといけないね」とミジオロウスキーは冗談めかして言った。
ミジオロウスキーは走者を二塁に釘付けにすると、オジー・アルビーズを右翼飛球に打ち取った。決め球は代名詞のフォーシームではなくカッター。96球を投げ、2―0とリードしたところでマウンドを降りた。この日はスライダーとカッターを合わせた投球が全体の39.6%を占め、今季最多となった。
「変化球はすごく良かった。きょう唯一、うまくいったのがそこだったと思う。体の感覚はちょっと良くなかった。そういう日もある。何とか粘って、うまく投げ切るしかなかった」
捕手のウィリアム・コントレラスも、投球の幅が広がったことを評価した。
「去年ならスライダーを続けるか、速球で押し続けていたと思う。いろいろな球種を織り交ぜられるようになった。去年とは違う投球を見せられるようになっている」
チームの勝利が一番大きいが、この日はミジオロウスキーにとって、ナ・リーグのサイ・ヤング賞争いで大きく前進する一日にもなった。防御率でメジャー全体トップに立つだけでなく、216奪三振、WHIP0.76、被打率.152も両リーグトップを維持している。
セールも「今年はまるで別格の存在だ。これまで見た中でも、おそらく最もすごい速球だ。今夜は厳しい試合になると分かっていた」と絶賛すると、ミジオロウスキーは「セールのような投手からそう言ってもらえるのはうれしい。昔から憧れていた投手で、今でもそうだから」と応じた。
この日の最速は103.1マイル(約166.3キロ)。ただ、この一球はむしろ例外だった。フォーシームの平均は100.1マイル(約161.1キロ)で、今季24試合の中では8番目に低い数字。空振り率も33%と、今季5番目に低かった。
「疲労が多少影響しているのかもしれない。ただ、最高の状態でなくても、最高の投球はできるということをミズには理解してほしい」とマーフィー監督。
まさに「投球」の真髄だ。
昨季の今ごろなら、速球の状態が万全でない日に、ミジオロウスキーはここまでうまく対応できなかった。
「そこはメンタルの部分。今季に向けて準備してきた中で、自分が何をすべきか、自分の球がどういうものなのかを理解してきた。ウィリアム(・コントレラス)とも、去年よりずっとうまくコントロールできている」
必要に応じてギアを上げることもできる。この日も6三振を奪い、6個以上の三振を奪った登板は20試合連続となった。ブルワーズでは史上初の記録で、1900年以降の1シーズンでは18例目。昨季のフィリーズ、ザック・ウィーラー以来となる。
「100、101マイル(約161~163キロ)だよ。少し落ちているだけ。みんな、ぜいたくになっているね」と抑えのトレバー・メギルは笑う。「目の前で成長している。自分の球種や持ち球をどんどん成熟させている投手だ。それを同じチームで見られているのは幸運だよ」
