開幕から約1カ月が過ぎた。
今季、開幕からローテーションを守る日本人先発投手は6人。4月までの彼らの成績をチェックしていきたい。
<ナ・リーグ>
山本由伸(ドジャース)
4月の防御率は驚異の0.38
メジャー2年目の山本は6試合で3勝2敗、チーム最多の34イニングを投げ、リーグ首位の防御率1.06をマーク。3月は2試合で3失点し、防御率2.70だったが、4月は4試合で1失点、防御率0.38という驚異的な数字を叩き出している。これは過去10年の4月防御率ではリーグ最高の数字だ。
好調の鍵は制球力だ。
山本はフォーシームやスプリット、カット、カーブなど7球種を操るが、カーブ、カット、シンカー、スプリットの空振り率が昨季よりも上昇している。
1年目は立ち上がりが不安定で初回から3回に失点する試合が多かったが、今季はそれも修正されている。先発陣の離脱が相次ぐ中、シーズン通して期待がかかる。
千賀滉大(メッツ)
フォークに加えてスイーパーも好調
昨年ケガで苦しんだが、今季は開幕から5試合で3勝1敗、防御率1.26と好調だ。
千賀の最大の武器、途中で視界から消える(ように見える)『ゴーストフォーク』に加えて今季はスイーパーも好調で、空振り率、ストライク率ともに高い数字をマークしている。
日本でも本塁打数が少なかったが、4月の被本塁打はわずか1本と制球力の高さが光る。4月13日のアスレチックス戦で7回を無失点79球と好投し、ゾーン低めのフォークボールが特に効果的だった。
球速、ストライク率など12勝を挙げた2023年とほぼ同じの高い数字をマークしており、さらなる活躍が期待される。
今永昇太(カブス)
速球とスプリットの空振り率が上昇
こちらもメジャー2年目で7試合に先発し、3勝1敗。チーム最多の39イニングを投げ、防御率は2.77を記録している。ルーキーイヤーの昨年4月の防御率0.98と比較するとやや物足りなさも感じるが、3月、4月はナ・リーグ西地区で上位争いをするドジャースとパドレス戦で2試合ずつ、また打撃好調のダイヤモンドバックスなど強豪チームとの対戦の影響も少なからずある。
今季は昨季に被安打の多かったカットやカーブの球数を減らし、武器の速球、スプリット、スイーパーを柱の配球に変更している。昨年と比べて速球とスプリットの空振り率が低く、四球もここまで12個(昨年はシーズンで28個)と増加しているのが少し気掛かりだ。今後、配球、制球力をどう修正するかに注目だ。
佐々木朗希(ドジャース)
3球種目のスライダーが効果的
メジャー1年目ながらすでにドジャースのローテーションに入り、6試合に先発して0勝1敗、防御率は3.55をマーク。佐々木の投げた6試合のうちチームは4試合で勝っているが、佐々木自身はまだメジャー初白星がない。
東京シリーズのカブス戦は3イニング、次のタイガース戦では1回2/3と早期降板となったが、試合を重ねるにつれ、長いイニングを任せられるようになった。4月26日のパイレーツ戦ではメジャー自己最多の93球を投げ、スタミナもついてきた。
武器のスプリットはストライク率、空振り率が高く、長打率はとても低く効果的だ。しかしスプリットを見逃され、速球を狙われることも多かった。
そのため5度目の先発、レンジャース戦からスライダーを増やし(78球中23球。初登板のカブス戦は56球中4球)、3つ目の球種を使うことで、最速100マイル(160.9キロ)の速球とスプリットをより効果的に使えるようになっている。
<ア・リーグ>
菅野智之(オリオールズ)
メジャー1年目の菅野は6試合に登板し、チーム最多となる33イニングを投げ、3勝1敗、防御率3.00をマーク。チームの先発陣が相次ぐケガで離脱し、先発勢の防御率6.04でリーグ27位に沈む中、菅野一人が気を吐いている状態だ。
試合を重ねるごとにスイーパー、スプリット、カーブの空振り率が上がり、4月28日のヤンキース戦では強力打線から8三振を奪った。右打者にはスイーパーとシンカー、左打者にはカーブとスプリット中心の配球も光る。
菊池雄星(エンゼルス)
5月以降の復活に期待
メジャー7年目の今季、6試合に登板し0勝4敗でまだ移籍後の勝ち星がない。ここまで15失点で防御率4.31と精彩を欠く。
開幕からの3戦は10失点と、失点が多かったが、4、5試合では修正し、走者を許しても要所で打ちとる投球を見せた。また5戦で28三振も光った。しかし3回途中4失点で降板した4月26日のツインズ戦はストライク率が56%まで落ち、全球種で平均球速が低下。ストライクゾーンの球はもちろん、外の球もツインズ打線に捕まった。
修正能力の高さと経験値は十分。エンゼルス投手陣の柱としての復活に期待したいところ。