チザムJr.が50-50達成で大谷の仲間入りを目指す

「MVPを獲らないと満足できない」

1:45 AM UTC

ジャズ・チザムJr.のスプリングトレーニングとワールドベースボールクラシックに向けた持ち物リストは、ほかの選手たちとは少し異なっているようだ。

ヤンキースの内野手は必ずポータブルスタジオを持ち歩いており、「プリンス・ジャズ」として知られるこのアーティストは、インスピレーションが湧いたときにいつでも曲をレコーディングできるようにしている。今春、チザムJr.はその分野で精力的に活動しているが、同時に別のジャンルの「レコード」にも挑戦するつもりだ。

そう、これまでに聞いたことがあるかもしれないが、チザムJr.は40-40(シーズン40本塁打&40盗塁)だけを狙っているわけではない。大谷翔平、気をつけろ。チザムJr.は自分自身に50-50(シーズン50本塁打&50盗塁)のポテンシャルがあると考えているのだ。

19日(日本時間20日)、チザムJr.は「今年が素晴らしい年になるという直感がどうしても湧いてくるんだ。ヤンキースに来てからずっと(アーロン)ジャッジに刺激を受けてきた。彼のプレーや毎日の打席、そして彼の野球への取り組み方を見ているだけで、自分自身も野球選手として大きく成長できたような気がしている」とコメント。

さらに「毎日そうやって日々を過ごしているし、オフシーズンの間もそうだった。だから今年は魔法のような年になるような気がするんだ。ジャッジのことを常に追いかけているからね」と語った。

昨年の今頃、チザムJr.は「本塁打と盗塁の合計」という独自の指標を考案し、ジャッジに挑んだ。結果はジャッジが「65」、チザムJr.が「62」で、ジャッジの勝利となった。

そんなチザムJr.について、ジャッジは「彼は完璧なアスリートだよ。打席でのひと振り、あるいは守備のワンプレーで試合の流れを変えられる選手だ」と語る。

3度目のア・リーグMVPに輝いたジャッジに負けたことを恥じる必要はない。31本塁打&31盗塁をマークしたチザムJr.も歴史に名を残した。30-30(シーズン30本塁打&30盗塁)を達成したのは、ヤンキースでは1975年のボビー・ボンズ、2002年と2003年のアルフォンゾ・ソリアーノに次いで球団史上3人目(4度目)の快挙だった。

チザムJr.は、自分が40-40、あるいはそれ以上の結果を残すことができなかったのは、健康状態が原因だったと分析している。今年は三振を減らし、四球を増やすことを目指しており、イギリス代表として出場するワールドベースボールクラシックに向けて早めに準備をすることで、打撃の精度を高めることができると考えている。

「オフシーズンは一生懸命トレーニングしたよ。やるべきことをしっかりやった。普段よりも早めにジムに通ったんだ。ABSシステムも導入されるからね。僕はホームランを打てるから、みんな僕のことを190センチくらいと思っているんだ(実際は180センチ)。打席でも背筋を伸ばして立っているからね。ABSシステムも僕のことをすごく助けてくれると思う」とチザムJr.は言う。

オフシーズンはフィールド外でもイベントが盛りだくさんだった。チザムJr.が「素晴らしかった」と語ったフィンランドへのクリスマス旅行中に、歌手兼ソーシャルメディアパーソナリティのアナリス・サンティアゴさんと婚約した。チザムJr.はそこで初めてオーロラを目撃したという。

冬の間ずっとトレード候補として名前が挙がっていたものの、チザムJr.はトレードの噂をほとんど無視し、ビジネス面はすべて代理人に任せていた。年俸調停期間の最終年となる今季は年俸1020万ドル(約16億円)。シーズン終了後にフリーエージェント(FA)となる予定だ。

チザムJr.は「毎年、僕はただMVPになりたいんだ。それは常に変わらない。お金も契約も、MVPを獲らなければ何の意味もない。稼ぎたい金額は稼げると思っている。でもMVPを獲ることができなければ、満足できないんだ」と高いモチベーションを持っている。

ヤンキースとの契約延長交渉はまだ行われていないが、チザムJr.はピンストライプのユニフォームを着続けたいと考えている。

「ニューヨークの雰囲気やファンの応援は毎日、本当に熱狂的だ。そんな雰囲気を経験して、残りのキャリアもここで過ごしたいと思わない選手がいるだろうか。街を歩けば、見知らぬ人々が自分の成績を教えてくれる。この街の野球愛は、僕自身の野球愛と全く同じなんだ」とチザムJr.はニューヨークへの愛着を語った。

ヤンキースのアーロン・ブーン監督は、チザムJr.について「本当に良い精神状態にある」と語っている。

「彼は信じられないほど自信に満ちているし、それには十分な理由がある。要するに、彼が試合に出て実力を発揮し、その中でさらに成長を続けていけば、シーズン終盤には非常に良い結果が出ているということだ」と指揮官は言う。

チザムJr.が胸を叩きながら「MVPやシルバースラッガー賞、ワールドシリーズの優勝リングを獲るつもりだ」と予言したら、ブーン監督はニヤリと笑うかもしれないが、指揮官はそれをひやかすつもりなど全くない。

ブーン監督は「彼が結果を残せば、チームとしても良い状況になる。彼の限界を予想するのは難しいよ。昨季は30-30を達成したけど、1カ月欠場したし、2カ月走らなかったんだからね。彼にはフィールド上で特別なことを成し遂げるだけの能力があるんだ」とチザムJr.のさらなる活躍に期待を寄せた。