MLB初の女性審判がブレーブス対マーリンズ戦でメジャーデビュー

August 6th, 2025

ジェン・パウォル氏がアトランタでのマーリンズ対ブレーブスの5連戦でMLBレギュラーシーズン史上初の女性審判として出場し、歴史にその名を刻むことが決まった。

パウォル氏は8月9日(日本時間10日)のダブルヘッダー両試合と、10日(同11日)のシリーズ最終戦に出場する。最終戦では球審を務める予定だ。ダブルヘッダーでは本来の審判団に加えて1名追加されるため、今回の登用が実現した。

MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、今回の歴史的な出来事についてこのように声明を発表した。

「この歴史的な達成は、ジェンの努力、献身、そして野球への深い愛の証です。彼女はこのチャンスを自らの力で勝ち取りました。われわれは、特に現場での役割を志す、すべての女性や少女たちにとって、彼女が素晴らしい模範となることを誇りに思います。MLBを代表して、彼女とそのご家族に心からお祝いを申し上げます」

マイナーから一歩ずつ重ねた10年

2016年にルーキーリーグでプロキャリアをスタートさせたパウォル氏は、着実にキャリアを積み上げ、2023年には34年ぶりに3Aの女性審判になった。9月の3A選手権では球審を務め、翌2024年には2007年のリア・コルテシオ氏以来となるスプリングトレーニングの女性審判に選ばれた。

さらに今春も複数の試合でスプリングトレーニングの審判を務め、3Aのクルーチーフ(=審判団のリーダー)にも任命されるなど、現場での信頼も厚い。

MLB審判協会(MLBUA)も、「この瞬間はジェンにとって個人的なマイルストーンを超え、審判という職業、そしてスポーツにおける女性の継続的な進出における画期的な一歩です。彼女の技術、献身、忍耐力の賜物であり、今後ますます多くの女性がこの職業に加わることを楽しみにしています」との声明を発表した。

ソフトボールからキャリアを開拓

ニュージャージー出身のパウォル氏は、ホフストラ大学でソフトボールをプレーし、その後も全米アマチュアソフトボール協会のメジャー・ファストピッチで10年間プレーした。捕手として活躍した後、審判に転身し、2013〜15年にはビッグテン・カンファレンスでカレッジソフトボールの審判も務めた。

2016年にはフロリダ州ベロビーチで開催されたマイナーリーグ審判養成アカデミーに参加し、ガルフコースト・リーグ(現フロリダコンプレックス・リーグ)で初の審判任務を経験し、マイナーリーグ史上7人目の女性審判になった。

「とにかくこの仕事が大好きで、情熱を持ってやっていて、自分の一部になっている」とパウォル氏は2016年のインタビューでそう語った。

2024年には「野球の世界ではこういう言葉があります。『シンプルに努力を惜しまず、その瞬間に全力を注ぎ、翌日に備えろ』と。私も毎日、『明日もっと良くなる』ことだけを考えています」とも語っている。

現在、パウォル氏はMLB代替審判を務める資格を持つ3A審判17人のうちの1人で、今回の大舞台を皮切りに、女性審判の未来を切り開く存在となりそうだ。