大谷翔平の打撃スランプ不振を心配している? ジョーイ・ボットーはしていない。その理由は?

May 15th, 2026

出塁率.370をマークし、wRC+(球場やリーグ環境を考慮し、打席あたりの得点創出力を平均100とした指標)ではメジャー平均の打者よりも依然として22%高い価値を示している大谷翔平(31)を、本当に「スランプ」と呼ぶのが妥当なのだろうか。さらに、防御率0.82でメジャー全体1位に立っていることも忘れてはならない。

しかし、大谷の話となれば、打席でのそれらの数字は長期にわたる「スランプ」に該当してしまう。通算のwRC+は155であり、過去3シーズンで同172を下回ったことはない。9シーズンでのOPS(出塁率と長打率を足し合わせた、打撃の総合指標)は .950を誇り、現在の .797を大きく上回っている。

では、ドジャースのスーパースターに何が起きているのだろうか。近年の球界における最高の左打者の1人であり、通算打率294、同出塁率.409を誇るジョーイ・ボットー氏(42)が15日(日本時間16日)、MLBネットワークに出演し、その要因を分析した。

ボットは、大谷のわずかな不振の要因は非常に単純であり、打席でのアプローチにあると考えている。ボットは、大谷がストライクゾーンの高めや外角の球に対して通常よりも苦戦しており、球を呼び込めず、逆方向へ押し込めていないと分析した。

数字がそれを裏付けている。以下のグラフが示すように、今季の大谷の長打は、ストライクゾーンの内角と低めの部分に大きく偏っている。

(以下のストライクゾーン・データは捕手側からの視点)

大谷は2025年にあらゆる投球を打ち砕いたが、ボットー氏が指摘した通り、高めのストライクへの対応力には明らかな違いがある。

ボットー氏は「過去数年間、そして確かに昨年の9月、大谷は絶好調の時にはそれが自身の強みであることを証明していた」と指摘。「2026年は、おそらくわずかな微調整だろう。まだシーズン序盤かもしれないし、サンプルサイズが小さいだけかもしれない。あるいは、メジャーリーグ全体で最高の投手、もしくはトップを争う投手であるという新たな責任によるものかもしれない。しかし、大谷はほんのわずかだけズレている」と語った。

大谷は2026年、打球の53.7%を引っ張っており、これは前年の43.2%、通算の40%から大幅な上昇を示している。その結果、センター方向への打球は著しく減少しており、通算35.5%だった中堅方向への打球割合は、わずか25.9%へと激減している。

大谷は今週、フィールドで打撃練習を行った。これは4度のMVPに輝く大谷にとって極めて異例のことだ。しかし、その打撃練習を現地で見守ったボットは、大谷がただ正しい感覚を取り戻しようとしているように見えたという。

ボットー氏は「私は打撃コーチではないが、打者としては引っ張る方向であっても直線の(バット)軌道を感じたいものであり、トップスピンがかかった打球や巻き込んだ打球は見たくないものだ」と説明。「なぜなら、それではボールに対して十分にスクエア(真っすぐ)に(バットの)面を合わせられていないからだ。センター方向、つまり左中間、中堅、右中間へと打球を鋭く打ち抜く感覚こそが、インパクトの際によりバランスが取れていると感じさせてくれる。バットの芯がボールの芯をより捉えていると実感できる。打者はそのコントロールを求めている」と語った。

ボットー氏は、大谷の出塁率が依然として高い水準を維持していること、そしてそれを支える四球率が15.1%と依然として上位10%に位置していることが大切だと説いた。

ボットは「大谷は、たった1試合で、突如として.500や.550の長打率を超え、OPS .950や1.000の領域に突入する一歩手前にいる。もし四球を選べていなければ、また打率を上回る高い出塁率を残していなければ、もっと心配していただろう」と出塁の重要性を強調した。

ドジャースは今季、大谷のマウンドでの先発登板の前後により多くの休養を与えている。登板時に打席に立たないことや、今週、先発メンバーから2日連続で外れたことが含まれる。ベンチ入りの26人枠に入っている期間に2日連続で先発を外れたのは、ドジャース移籍後初。

大谷は12日(同13日)に今季7号本塁打を放った。4月26日(同27日)以来、12試合&53打席ぶりの一発であり、直近113打席でわずか2本目だった。しかし、過去2シーズンにそれぞれ50本以上の本塁打を放った男の力は、今も健在だ。ボットー氏は、本来の大谷がすぐに再び姿を現すと確信している。

ボットー氏は「過去数年間において、1カ月でチームに3勝をもたらすほどの貢献度を叩き出した男の姿を、私たちは再び目にしようとしている」と指摘。「2026年には、そのような驚異的な月を数回積み重ね、史上最高級のシーズンを築き上げるかもしれない。5月15日(同16日)からシーズン終了まで、見るのが楽しみで仕方がない」と期待した。

「それは必然だ。大谷が失敗することなどあり得ない」