16日(日本時間17日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、エンゼルスはリリーフ右腕のジョーダン・ロマノと1年200万ドル(約3億円)、リリーフ左腕のドリュー・ポメランツと1年400万ドル(約6億円)の契約を結ぶことで合意したようだ。なお、球団からの正式発表はまだ行われていない。
32歳のロマノは、2024年シーズン終了後にブルージェイズからノンテンダーFAとなり、今季は1年850万ドル(約12億7500万円)の契約でフィリーズに加入。2024年シーズンの不振から立ち直り、球界屈指のクローザーとしての地位を取り戻すことを目指していた。
しかし、今季はフィリーズで49試合に登板して42回2/3を投げ、防御率8.23と大乱調。8月下旬に右手中指の炎症で負傷者リスト入りし、レギュラーシーズン最後の1カ月を欠場した。
2024年は右肘の炎症でわずか15試合の登板に終わり、防御率6.59と不本意なシーズンだった。最終的には右肘の手術を受けることになった。FAになるまでの保有期間はあと1年残っていたが、ブルージェイズは2025年シーズンの契約をオファーせず、ノンテンダーFAにすることを選択。ロマノはFA市場での新天地探しを強いられ、フィリーズと契約した。
カナダ・オンタリオ州出身のロマノは、2014年ドラフト10巡目指名でブルージェイズに入団。2018年オフのルール5ドラフトでホワイトソックスから指名を受け、直後に金銭トレードでレンジャーズへ移籍したが、2019年シーズン開幕前にブルージェイズへ戻った。
プロ入り当初は先発投手だったが、2019年シーズン中にリリーフへ転向。同年6月にメジャーデビューを果たし、この年は17試合に登板して防御率7.63に終わったが、翌2020年は短縮シーズンで15試合に登板し、防御率1.23の好成績を残した。
2021年は「クローザー分担制」の一員としてスタートし、最終的にはクローザーの役割を担った。62試合に登板して63イニングを投げ、防御率2.14、23セーブ、85三振と飛躍の1年を過ごした。
2022年から2年連続でオールスター選出を果たし、2年間で72セーブを記録。これはガーディアンズのエマニュエル・クラセ(86セーブ)に次ぐメジャー2位の好成績だった。当時の輝きを取り戻すことができれば、エンゼルスでもクローザーを務める可能性はありそうだ。
一方、メジャー12年のキャリアを誇るベテラン左腕のポメランツは、今季のカブスにとって、最大のサプライズの1つだった。2022~24年の3年間はメジャーでの登板が1度もなかったにもかかわらず、今季は57試合に登板して防御率2.17をマークした。
ポメランツは、ナ・リーグ地区シリーズで同地区のブルワーズに敗れて敗退が決まった直後、現役続行に意欲を示した。
「もっと長くプレーしたいと思っている。(オフの動きが)どうなるか見てみよう。でも、今季の活躍は自分でも驚いたよ。1年前に同じことを聞かれたら、『あとちょっとだけプレーしようかな』と答えていたと思う。でも、今年は本当にいい状態だった。今日も登板したけれど、いい気分だった。1球だけ(本塁打を)打たれてしまったけれどね。でも、本当に素晴らしい1年だったよ」
