ニューヨーク・メッツのカルロス・メンドーサ監督は、ファン・ソトのプレーへの姿勢に関する話し合いの有無や内容を明らかにすることを避けた。一方で、球団史上最大規模の契約を結んだスター選手が新天地でペースをつかめず、苦戦する現状について一定の理解を示した。
「ソトも人間だし、まだ26歳だ。そのうち落ち着くはずだ。だって彼はソトだからね」とメンドーサ監督は語った。
問題視されたのは、ヤンキースとレッドソックスとの試合で、内野ゴロの際にソトが一塁まで全力疾走をしなかったプレーだが、本人は特に謝罪をせず、「自分はがんばって走っている。今日の試合を見ていれば分かるはず」と周囲との認識に隔たりが見られた。
ソトはオフに15年総額7億6,500万ドル(約1100億円)というMLB史上最高額の契約でメッツに加入したが、チーム文化や環境に適応できていなのでは、という見方も多い。
メンドーサ監督は、環境や期待の変化がプレーに影響している可能性を認めつつ、次のようにコメントしている。
「彼自身は落ち着いていると思うが、すべてが新しい状況にある。新しいチーム、新しい契約、そして新たな期待値。彼はこれまで常に勝利を経験し、ワールドシリーズ制覇も経験している。しかし今はこれまでとは違うフェーズにいる。球団として彼をサポートすることが我々の責務だ」
またメンドーサ監督は打撃成績についても言及している。
ソトは今季ここまで打率.246、出塁率.376、長打率.439と、平均的には及第点の数字を残しているが、キャリア通算の打率.285、出塁率.421、超打率.532という水準とは乖離が見られる。この『期待値とのギャップ』も世間の評価が厳しい理由だ。
メッツのベテラン外野手ブランドン・ニモの言葉が、ソトの現状を的確に表している。
「同じニューヨークでも新しいチーム、新しいフランチャイズ、新しいファン層。すべてを少しずつ違うやり方で進めないといけない。以前と(前球団)まったく同じではないんだ」
とはいえ、今のチームの不振をソト一人のせいにするのは不公平だ。過去一週間のチーム全体の得点圏打率はわずか5打数44安打(.114)と不振で、20日(火)のレッドソックス戦でも走者を置いた場面で1本も安打が出ず、今季初の3連敗を喫した。
だが打撃不振は特定の選手の問題ではなく、チーム全体に広がる不調で、ソトもその一人だ。選手や球団関係者は一貫して「こうしたスランプはシーズン中に起こる一時的な現象」と強調する。重要なのは、長期的視点で、再浮上に向けた基盤を維持することである。
そういう意味では、ソトの活躍がチーム打撃の再起の鍵を握る。
外野手のブランドン・ニモは、チームの中軸を担うソトへの絶大な信頼を口にする。
「(ソトが)打線の中心にいる。それだけで十分だ。シーズンは長いし、そのうち結果を出すと思う。勤勉に毎日取り組んでいるし、天性の才能がある選手。必ずそれが実を結ぶはずだ」
20日(火)の試合前、クラブハウス内テレビでは、スポーツ番組がソトのプレーを分析する様子が放映されていた。もちろんソトも気づいていた。
メンドーサ監督は次のように語る。
「あれほどの契約を結べば注目が集まるのは当然だ。ソト自身もそれを理解し、受け入れている。常にスーパースターであり続けてきたので、すべての行動に注目される。今は思うような結果が出ていないかもしれないが、彼はまちがいなく優れた選手だ」
