2014年、ドミニカ共和国のナショナルズのアカデミーに、将来のオールスター選手たち3人がトライアウトのために集まった。ブラディミール・ゲレーロJr.、フアン・ソト、フェルナンド・タティスJr.。
その中で、ひときわ存在感を放ったのは誰だったのか。
当時、3人は16歳前後の少年だったが、この日の出来事は今も語り草になっている。
ソトとタティスJr.が外野で球拾い役を任される中、30分間の打撃練習に挑んだゲレーロJr.が圧巻のショーを披露した。
「500フィート(約152.4メートル)の打球を打ちまくったんだ」とソトは振り返る。「球拾いなんて必要ないよ。ブン、ブン、ブンって球が全部外に飛んでいったんだ。俺たちは『何が起きてるんだ?』って感じだったよ」
ゲレーロJr.の迫力に、ソトとタティスは完全にかすんでしまい、2人は数スイングしただけで、あっさりとトライアウトは終了した。
「『君たちはもう帰っていい』『ブラディと話をしよう』って言われたんだ」
ワクワクしてトライアウトに参加したソトとタティスJr.の落胆ぶりは容易に想像できる。
ナショナルズは結局ゲレーロJr.とは契約できず、彼は2015年の国際契約解禁日にブルージェイズ入りしている。しかし、ナショナルズも同じ7月2日にソトと契約し、彼は2019年に球団を世界一へ導いた。
それでもソトの心には、あの日の光景が10年以上経った今も鮮明に残っている。
「ブラディは毎日ショーを見せていたよ」とソトは語った。
