「レブロン・ジェームズ効果」とまでは言わないまでも、40歳のジャスティン・ターナーは、勝利に直結する存在感を示し続けている。
最大の理由の一つは、積み重ねてきた「勝利」の経験だ。
2020年にワールドシリーズ制覇を経験し、2017年にはナ・リーグ優勝決定シリーズMVPに輝いた。オールスター選出2回、2016〜2018年には3年連続でMVP投票トップ15入りを果たし、2022年にはロベルト・クレメンテ賞(グラウンド内外で模範的な行動を示し、地域社会への貢献が目立った選手に贈られる賞)を受賞している。
もちろん、全盛期と比べると成績はやや落ちているが、試合を決定づける一打を放つ力は健在。5月13日のマーリンズ戦では、延長戦で左翼線へサヨナラ二塁打を放ち、2人をホームに返す活躍を見せ、チームメイトからゲータレード(スポーツ飲料)とダブルバブル(ガム)の「祝福のシャワー」を浴びた。
そんなターナーは今季、加入前から既にチームメイトの信頼を得ていた。
「彼の存在は本当に大きい」と捕手カーソン・ケリーは語る。「長年このリーグにいて、数多くのチームで勝利を経験してきた。一回『良いチームは何が違うのか?』って聞いたら、『このチームは特別だから、毎日を大事にして、全力で戦え』って答えていたよ」
その言葉通り、カブスは今季圧倒的な攻撃力を見せている。火曜日にはマーリンズ相手に14得点を記録し、MLB全体の得点数1位に浮上。21安打で14-1の大勝を収め、シーズン最多安打に並んだ。
ターナーはこの試合で4打数3安打1犠飛と活躍。打率は.203と、4月13日以来初めて2割台に到達した。ちなみに、ターナーがシーズン打率.200を下回ったのは、2010年にオリオールズとメッツでわずか9試合に出場したときだけである。2013年から2023年までの11シーズン連続で打率.275以上を記録してきたベテランにとって、今季はやや厳しいスタートとなっていた。
だが、クレイグ・カウンセル監督はターナーを高く評価している。
「彼はまさに『野球オタク』だよ、もちろん良い意味でね」と語る。「野球が大好きで、ベンチでも試合にずっと集中している。彼はこのチームの中心人物の一人だ。成績は少し苦しんでいるが、それとは関係なく、いつも通り素晴らしい姿勢を貫いてくれる」
その献身的で明るい姿勢は、チームメイトにも伝染している。五回に二塁打を放った際にはベンチに笑顔でサインを送り、犠牲フライ後にはハイタッチで迎えられ、3本目のヒットでは満面の笑みで親指を立てた。
「シカゴでの時間は本当に素晴らしい」とターナー本人も語る。「良い野球ができているし、本当に楽しいチームだよ」
若手への指導方法にも注目が集まっているターナー。本人はそのアプローチについて、ボウリングの「バンパー」に例える。
「若い選手に押しつけすぎるのは避けたい。でも質問があればいつでも答えるし、経験は共有するよ。ちょうどボウリングのバンパーみたいに、ガターに落ちないように道を示す感じだね」と笑った。
実際、ターナーは取材の直後にも有望株マット・ショウと熱心に投手のクセについて話し合っていた。
「彼にはすごく影響を受けている」とショウも語る。「初対面からウマが合ったし、細かいことまでいろいろ教えてくれる。大リーグは早く多く学ばないといけないけど、彼のことを見て、話を聞くことでそれが実現できている」
常に主力として信頼され、「やりすぎ」の境界線を理解しているプロフェッショナル。その姿勢はチーム内でも、そして対戦相手のファンからも称賛されている。
ターナーの一つひとつの行動は球界全体から、しかるべくして、称賛を集めている。