7日(日本時間8日)、岡本和真(29)について一つ分かったことがあるとすれば、それは岡本には人を引き寄せる力があるということだ。
ブルージェイズの会見室はすし詰め状態。まるでブラディミール・ゲレーロJr.が再び契約延長を結んだかのような光景だった。カメラは部屋の後方にある定位置からあふれ出し、利用可能なスペースの隅々まで埋め尽くしていた。演台の前の席は10数人の日本人記者で埋まり、その数は地元のメディア関係者を上回っていた。
もし知らなかったとしても、これで分かったはずだ。岡本は大物だ。
「Hello everyone, my name is Kazuma Okamoto.(ハロー、エブリワン。岡本和真です)」
29歳の岡本は会見冒頭、英語で挨拶した。
「Thank you very much for this opportunity. I am very happy to join the Blue Jays. I will work hard every day and do my best for the team. Thank you for your support. Nice to meet you. Go Blue Jays!」
(この機会をいただき、本当にありがとうございます。ブルージェイズに加わることができ、とても幸せです。チームのために毎日ハードワークし、ベストを尽くします。応援よろしくお願いします。お会いできてうれしいです。ゴー、ブルージェイズ!)
ブルージェイズは、この4年6000万ドル(約94億円)の契約で単に岡本を獲得しただけではない。巨人のスラッガーは、この打線に見事にフィットするパワーと攻撃的なプロフィールをもたらすが、ブルージェイズが加えたのは1人の野球選手以上の存在だ。ブルージェイズはついに日本市場への足がかりを得たのだが、それは契約金額が示唆する以上に母国で愛され、尊敬されているスターによるものだ。岡本にはオーラがある。
2019年にリュ・ヒョンジン投手を獲得した際、韓国からのメディアが殺到したのと同様に、春季キャンプは日本からのカメラや記者でもあふれかえるだろう。ブルージェイズは大谷翔平から佐々木朗希に至るまで、何年もの間、日本市場への参入を狙ってきた。しかし、岡本はついに球団にとって完璧なパートナーとなり、野球とビジネスの両面で理にかなった補強となった。
ブルージェイズには「内部」からの助けもあった。もし岡本の契約に興奮しているなら、グラフィックデザイナーをハグしてあげよう。入団の決め手を以下のように明かしている。
「すごく街がいいところで何より強く世界一になれる、そういうチームだと思いますし、だからそれを選びました。それと僕の娘に30球団のロゴをみせたときに最初にこれがかわいい、と選んだのが、それがブルージェイズでした」
日本人スターにとって、トロント以上に良い場所があるだろうか?
この組織は野球界で最高の組織の一つとしての評判を高めている。代理人のスコット・ボラス氏は「最先端(state of the art)」と表現した。選手とその家族へのケアについて特に高い評価を受けている。これは、これほど大きな移籍をする選手にとっては特に重要な要素だ。ブルージェイズは2026年のワールドシリーズ優勝候補の一角であり、スタジアムと施設は超一流だ。岡本は10月の戦いぶりを見て、その一部を感じ取ったのだ。
「去年ワールドシリーズをみていたときは、まさか自分がトロントに来るとは思っていなかった。本当に野球のいちファンとして、熱くて感動する試合でした」
岡本は入団会見ですべき発言をすべてこなし、チームの助けになるならどこでもプレーする意欲を示した。今のところ三塁が適任だと思われるが、ゲレーロJr.に休養を与えるときには、たまに一塁を守ることもあるかもしれない。しかし、ここでの明らかな魅力は岡本のバットだ。
岡本は日本で30本塁打以上を6度記録し、2023年には最多の41本を放った。全体的なアプローチは、まさに「ブルージェイズ」そのものだ。振り返ってみれば、これは最初から明らかに完璧なフィットだった。
「彼はこれまで、攻守両面で素晴らしいキャリアを築いてきた」とロス・アトキンスGMは語った。
「その打撃力はこの上なくダイナミックで、チームに非常にフィットしている。速球やあらゆるタイプの投球に対するコンタクト能力、本当にどんなタイプの球に対してもだが、彼はボールを強く叩くことができており、これは私たちが望みうる最高の資質だ。守備面でも複数ポジションで貢献できると考えており、今後も対話を続けていくが、彼がチームを第一に考える柔軟な姿勢を持っていることは非常に魅力的だ」
30分間の会見を通して、岡本は完璧にブルージェイズにフィットしているように感じられた。
ブルージェイズはカナダの野球ファンを象徴する存在であり、全員が注目している。岡本もまた別の国を象徴する存在であり今後、日本のファンはその活躍を見守ることになるだろう。
