【ブルージェイズ7−3ツインズ】ミネソタ/ターゲットフィールド 5月1日(日本時間2日)
岡本和真のチームでの存在感は、大きなアーチを描き、ダイヤモンドを回って、ダグアウトに戻った瞬間によく分かる。
ツインズ戦で打った瞬間にそれとわかる本塁打の後、ブルージェイズのベンチでチームメートはトンネルを作り、岡本をお出迎え。その後、選手たちは一斉にお辞儀をして岡本を祝福した。
「チームメートがあんな風に祝ってくれて本当にうれしかったです。正直、予想していなかったのでびっくりしました」と岡本は大嶋通訳を介して語った。
勝利を呼び込んだのは、岡本の今季6号、7号本塁打の2本塁打だった。
好調の岡本は、ブルージェイズ打線に「掛け算」のように得点力を押し上げる存在で、この試合もまさにその活躍だった。さらに第4打席の8号本塁打まであとわずかというあたりは、フェンス手前で失速し、惜しくも外野フライで3打席連続はならず。
「きょうは試合前にケサディーヤを食べなかったので、もし食べていたらホームランになっていたと思います」と岡本は試合後、冗談交じりに話した。
一方で、この打線には主力の健康状態、打球の運、そして長打力の安定など課題も多い。
今季、チームの主砲、ブラディミール・ゲレーロJr.は、本塁打ではなく首位打者争いを意識するタイプへと変化している。この試合は4打数無安打に終わったものの、打率.342でメジャー2位につけており、その存在感は依然として大きい。
ブルージェイズは今季、攻撃面でのチーム像をまだ固めきれていない。昨季と比較すると、その課題の大きさが際立つ。
「去年はコンタクト重視の選手、長打を狙う選手、それぞれ役割がはっきりしていた。でも正直に言えば、今はまだその整理の途中だ」とジョン・シュナイダー監督は語る。
「主力が欠けると、普段はやらないことをやろうとしたり、やりすぎてしまう選手が出てくる。その“(負の)連鎖”が起きている。これは毎日のように話し合っているテーマだ」
理想を言えば、ポストシーズンで見せたゲレーロJr.の姿をそのまま“ボトルに詰めて”シーズンに持ち込みたい。そうなればア・リーグMVPを15年連続で獲るような存在になるが、それはさすがに現実的ではない。
現在のゲレーロJr.のスタイルでも十分機能はする。ただし、それはこれまでとは違う“形の強さ”だ。今季そのタイプで戦うのであれば、ゲレーロJr.以外に長打力のある打者が必要になる。
「ゲレーロJr.とジョージ(スプリンガー)に打率と長打力を求めている。ただ、2人ともやりすぎてはいけない。理想は打率3割でホームランも増えてくれればいいけれど、シンプルに振って、結果がついてくるのがいいね。チーム全体も結局は主軸のリズムに引っ張られていくから」と指揮官は続ける。
ゲレーロJr.の後ろにもう一人長距離打者がいれば、打率.342という数字も十分に機能する。ただ現状、ゲレーロJr.がリーグ屈指の出塁率を誇る一方で、それを返す長打力が不足している。
そこに入ってくるのが岡本和真だ。
ここ数週間で、ブルージェイズの4番を任されるべき存在、そして今後数年にわたって主砲を本塁へかえす役割を担う打者としての評価を高めている。
打線の中でもこの“2番目に重要なポジション”は極めて大きい意味を持つ。ゲレーロJr.以外では、試合の流れを一変させる長打力を最も備えているのも岡本だ。
「本当にいい打線の一員だと思っていますし、自分はその一部だと思っています。次の打者につなぐことを意識しています」と岡本。
ゲレーロJr.がどれだけ優れていても、バスケットボールのように一人で試合を支配するスポーツではない。チームの顔を支える主軸が必要で、もう一つの脅威が加わることで、相手投手へのプレッシャーは一気に増す。
2打席連続でアーチを描いた岡本は、ゲレーロJr.を支える主軸として、その存在感を強く印象づけた。
