2026年に向けたタイガースのブルペン再編には、A.J.ヒンチ監督時代としては珍しい要素が加わった。ベテラン守護神だ。オールスター選出4度、メジャー16年目のクローザー、ケンリー・ジャンセンと1年契約で基本合意に達したと、関係者がMLB.comに明かした。
MLB.comのマーク・フェインサンド記者によると、この契約は身体検査の結果待ちでタイガースからはまだ正式発表されておらず、2027年の球団オプション(契約延長権)が含まれている。
38歳のジャンセンは、現役メジャーリーガーの中で最多の476セーブを記録しており、通算セーブ数ではメジャー歴代3位のリー・スミスにあと2セーブに迫っている。ジャンセンは、新型コロナウイルスの影響で短縮シーズンとなった2020年を除き、直近のフルシーズンで13年連続して25セーブ以上を挙げている。
ジャンセンは今季、エンゼルスで自身のキャリアをよみがえらせるシーズンを送り、29セーブ。奪三振率は自己最低となる24.4%だった一方で、WHIP0.95は、ナ・リーグ最多の41セーブを挙げてサイ・ヤング賞投票で5位に入った2017年以降で自身最高の数字だった。
ジャンセンは、全盛期には球界でも有数のキレを誇ったカットボールを常に武器にしてきた。今季もこの球種はより高い効果を発揮し、平均打球速度は90.9マイル(約146キロ)、空振り率は自身最低の25.2%だったにもかかわらず、被打率はわずか.164、wOBA(出塁と長打でどれだけ得点に貢献したか)は.238に抑えたとデータサイト、ベースボール・サバントは分析している。
タイガースが今季のジャンセンの状態が最も悪かった場面を目にしたのは、5月2日、エンゼルスタジアムでの九回だった。この回だけで、ライリー・グリーンとコルト・キースに連続本塁打を浴びて逆転され、続くジェイス・ヤングに安打を許し、そのヤングがハビアー・バエスの本塁打で生還するなど、シーズン18失点のうち6失点した。
それでもジャンセンは翌日に立て直し、3点リードの九回に登板してグリーンとキースを打ち取り、セーブを挙げた。その後シーズン終了までの成績は、防御率1.97、FIP(守備の影響を除いた防御率)3.27、被打率.148だった。
ジャンセンにとってメジャー5球団目となるタイガースは、A.J.ヒンチ監督の下、回の概念にとらわれず打線の一番きつい並びに対して、その時点で最も信頼できる救援投手をぶつけることを優先し、固定クローザー不在でも機能してきたチームだ。
ウィル・ベストが23セーブでチーム最多だったが、他にも投手5人がセーブを記録しており、その中にはトミー・ケインリー投手による9セーブも含まれるなど、シーズン序盤は事実上クローザーを分け合う起用だった。トレード期限前に補強したカイル・フィネガンも、タイガース加入後の最初の数週間でさらに4セーブを挙げ、その後は元ナショナルズのクローザーとして、九回前のイニングを中心に状況に応じて登板する役割に落ち着いた。
タイガースは今週初めにフィネガンと再契約で合意している。そこにジャンセンを加えることで、デトロイトは九回まではこれまで通り状況に応じて継投し、九回はヒンチ監督がこれまで指揮してきた中で最も経験豊富なクローザーであるジャンセンに任せる、という新しいリリーフ構成を組めることになる。
タイガースは過去の優勝を狙う局面でも、実績あるクローザーに頼ってきたが、その成果はさまざまだった。元タイガースのオールスタークローザー、トッド・ジョーンズは2006年にデトロイトへ復帰し、メジャー最後の3シーズンで93セーブを挙げ、通算300セーブの節目を超えて球団記録保持者となった。ホセ・バルベルデはデトロイトでの4年間で119セーブをマークし、その中には2011年に記録した球団シーズン記録の49セーブも含まれる。ジョー・ネーサンはデトロイトで1年少々プレーし、2014年に35セーブを挙げた一方で、防御率4.81と成績は安定しなかった。フランシスコ・ロドリゲス投手は2016年に44セーブを記録したが、タイガースは2017年シーズンの途中で解雇している。
