MVP候補シュワーバーの2025シーズンを紐解く6つのデータ

November 4th, 2025

2025年シーズンは、カイル・シュワーバーにとってあらゆる面でキャリア最高の年だった。

32歳となったフィリーズの左打者シュワーバーは、全162試合に出場し、自己最多の56本塁打でナ・リーグ本塁打王に輝き、ファングラフスによるWAR(勝利貢献度)4.9、wRC+152(100を平均としてどれだけ優れていたかを示す指標)でキャリアハイを記録し、OPS.928は自己最高に並んだ。2006年のライアン・ハワード(58本)以来、フィリーズの打者として2人目となる50本塁打シーズンとなった。

4年総額7900万ドル(約119億円)の契約が満了し、現在フリーエージェントとなっているシュワーバーは、今オフ市場でも最注目選手の一人だ。また、ナ・リーグMVPの最終候補にも名を連ねている。

ここでは、シュワーバーが2025年に驚異的な成功を収めた理由を、6つの数字から読み解いていく。

左投手相手に23本塁打

シュワーバーの2025年を象徴する数字の中でも、最も重要なのが左投手から放った23本塁打だ。この23本は、左打者による「左投手相手のシーズン本塁打数」としてMLB史上最多記録である。シュワーバーは左投手相手にOPS.964を記録し、右投手相手の.905を上回った。これまでの最多記録は、2021年のマット・オルソンによる22本だった。

バレル率20.8%

以前からリーグ屈指の長距離打者のシュワーバーは、2025年は打球の理想的な打球角度と速度を意味する「バレル率」がさらに進化した。20.8%というキャリア最高値を記録し、シーズンで20%を超えたのは2022年(20.1%)に続いて2度目。総数は85本で、自己最多かつスタットキャスト導入以降(2015年~)では歴代10位に入る数字だった。つまり、シーズンを通して質の高い打球を量産した結果、驚異的な長打力を発揮したというわけだ。

ハードヒット率59.6%

95マイル(約153キロ)以上の打球速度を記録した打球の割合を示す「ハードヒット率」も59.6%とキャリア最高をマーク。2024年の55.5%を大きく上回った。平均打球速度も自己最高の94.3マイル(約151.8キロ)に達し、シーズンで初めて94マイルを超えた。

速球を35本塁打

2025年において、シュワーバーに速球を投げるのは禁物だった。速球から放った35本塁打はメジャー全体で3位(1位はカル・ローリーの39本、2位はアーロン・ジャッジの36本)。そのうち24本がフォーシーム、8本がシンカー、3本がカットボールだった。速球に対して打率.308、長打率.728を記録した一方、変化球やオフスピード系では打率.171、長打率.398と明確な差が見られた。

引っ張った空中打球が31.1%

年齢を重ねるにつれ、シュワーバーは「打球を引っ張って空中に飛ばす」打撃スタイルをさらに強めている。2022年までの引っ張り率は20.3%だったが、2023年以降は28.9%に急上昇。2025年にはキャリア最高の31.1%を記録し、規定打者の中で5位だった。56本塁打のうち39本が引っ張り方向で、これはカル・ローリーの46本に次ぐ2位である。

ゾーン中央の球に対する長打率.901

シュワーバーの2025年の成功を端的に表すなら「真ん中の球を徹底的に叩いた」ことだ。ストライクゾーン中央(いわゆる“ど真ん中”)に来た球に対して、長打率.901という驚異的な数字を記録。これはキャリア最高であり、規定100打席以上の打者ではアーロン・ジャッジ、ニック・カーツに次いでメジャー3位だった。56本塁打のうち実に44本が、ストライクゾーン中央の球を捉えたものだった。