【エンゼルス1-14ブルージェイズ】トロント/ロジャースセンター、5月9日(日本時間10日)
昨年を彷彿とさせるような勝利だった。
本塁打にポテンヒット、さらには相手のミスも見逃さず、五回に一挙7得点。岡本和真はこの回に適時打を放ち、連続安打を8試合に伸ばした。なかなか調子の上がらなかった打線にとって、きっかけとなるような爆発だった。
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1 “トレイ・デー”:イェサベージが真価を発揮
2025年にブレイクを果たしたトレイ・イェサベージがどんなシーズンを送るのか、多くの人がオフシーズンから注目していた。負傷者リストで開幕を迎えたものの、ここまで最初の3先発で防御率0.68と、高まっていた期待をさらに上回る投球を見せている
この日は4回無失点、6三振。代名詞であるスプリットも素晴らしかったが、この日特に光っていたのはスライダー。13回のスイングで6回の空振りを奪い、新しい武器に磨きをかけている。
「大事なのは自信を失わないことだ。今日は(捕手の)バレンズエラにも『この球を投げたい』って伝えていた。多少悪くても投げ続けようと思っていたし、今日は良い投球ができた」とイェサベージは語った。
速球とスプリットの2球種だけで戦い抜くには、その組み合わせが本当に特別でなければならない。ケビン・ゴースマンが長年それを体現してきたが、そのゴースマンですら毎試合数球はスライダーを織り交ぜている。打者にわずかな迷いを植え付けるだけでも、スプリットをより生かすことにつながる。
2 バージャーの新たな定位置は2番打者?
1カ月以上ぶりの復帰となったアディソン・バージャーが、早速好守を披露。本塁への101.2マイル(約162.9キロ)の送球で、タッチアップを狙ったソレアを刺した。これはスタットキャストが2015年に計測を開始して以降、ブルージェイズ外野手の補殺として最速であり、今季MLB全体でも外野からの捕殺となった最速の送球だった。さらに打席では2四球。バージャーは本来、積極的に振っていくタイプだ。
「打席に入る前に狙い球を決めていただけだよ。それだけ。今はタイミングを取り戻そうとしているところだ」とバージャーは自身の活躍を控えめに振り返った。
ブルージェイズの2番にとっては、ブラディミール・ゲレーロJr.の前に走者を置くことも大きな役割の一つ。右投手相手にはバージャーが2番を任され、左投手相手では流動的になると見られるが、重要なのはゲレーロに“試合を決める場面”をより多く与えることだ。この打線は主砲が本塁打を量産してこそ、真価を発揮する。
そして、ようやくブルージェイズは上位4人の並びが見え始めた(スプリンガー、バージャー、ゲレーロ、岡本)。これによりジョン・シュナイダー監督は、単なる穴埋めではなく、下位打線も積極的に組み替えられるようになる。さらに、アーニー・クレメントが、七回の本塁打を含む5打数5安打と絶好調なタイミングで、より安定した出場機会を得られそうなのも好材料だ。
3 捕手争い:バレンズエラが一歩リード
この日の最大の一振りを見せたのはブランドン・バレンズエラだった。もう、”メジャーに挑戦中の若手”ではない。
五回の4号3ランが、バレンズエラが起用されている理由を示している。4月にアレハンドロ・カークが親指骨折で離脱した際は、タイラー・ハイネマンがスタメンで、バレンズエラが補佐役になると見られていた。しかし25歳のルーキーは、その構図を覆してみせた。
投手陣からの評価も高まり続けている。
「構えが大きくて、フレーミングもうまい。何より勝負に対する執念がものすごい」とイェサベージは語った。
球団は、たとえカークが万全でも1シーズン110試合前後に出場を抑えたいと考えており、頼れる”第2捕手”の存在は不可欠だ。カーク離脱中に、バレンズエラはポジション争いを制することができるか。
