MLBは23日、女子ソフトボール界にとって歴史的な一歩となる「Athletes Unlimited Softball League(AUSL)」との戦略的パートナーシップを発表した。MLBが女子スポーツリーグに正式に投資、支援を行うのはこれが初めてになる。AUSLは今季から4チーム体制で開幕し、MLBは資金面のみならず、放送や宣伝など多岐にわたる支援を約束した。
発表当日、マンハッタンのMLB旗艦店にはヤンキースのアーロン・ジャッジやパドレスのフェルナンド・タティスJr.のユニフォームが並ぶ中、AUSLの4チーム(バンディッツ、ブレイズ、タロンズ、ボルツ)のユニフォームが新たにお目見えし、華やかな雰囲気の中で、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーと、AUSLコミッショナーを務めるキム・アング氏が提携を正式に発表した。
これまで女子ソフトボール選手は、大学卒業後にプロとして活躍できる場がほぼ皆無だったが、アング氏は「これまで大学での活躍が選手生活のピークとなることが多かったがAUSLができたことで、10年、15年とプレーを続ける選択肢が生まれた」と述べ、男子プロ野球と同様のキャリア構築の重要性を強調した。
女子ソフトボールは全米大学選手権(女子カレッジワールドシリーズ)などで盛り上がりがあるものの、その後の持続可能なリーグの不在が長年の課題だった。
AUSLは今季、各地を転戦する「バーンストーミング」方式で試合を開催。MLBは自前の放送網「MLBネットワーク」での中継や、SNSでの積極的な発信など、あらゆる角度からリーグを後押しする。
発表会場には、オリンピックメダリストでAUSLアドバイザーのジェニー・フィンチ氏やナターシャ・ワトリー氏も駆けつけた。フィンチ氏は「私の現役時代は長くプレーできる環境がなかった。AUSLがあれば、これからは何百人もの選手に夢を追うチャンスが生まれる」と興奮気味に語った。
会場にはAUSLでプレーするシス・ベイツ選手(ボルツ)やシャルリーズ・パラシオス選手(タロンズ)も参加。ベイツ選手は「9カ月間、個人でトレーニングしてきた。いまチームで練習できることが本当にうれしい」と笑顔を見せた。AUSLのチームは開幕までわずか10日間の準備期間しかないが、選手たちはその短い時間でチームメイトたちと絆を深めている。
MLBの戦略的意義
MLBはすでに「Breakthrough Series」や「Elite Development Invitational」などの女子ソフトボール育成事業を展開してきた。マンフレッド・コミッショナーは「キムとはMLBコミッショナー室時代から10年以上一緒に働き、彼女の卓越した手腕を知っている。AUSLもきっと成功するだろう」と太鼓判を押す。
アング氏は「MLBからの支援は想像を超えるほど全面的で、ソフトボール界にとって希望の光となる。若い選手にとってAUSLはまさに『北極星』のような存在になる」と力強く語った。
AUSL初年度は間もなく開幕。かつて女子ソフトボール選手にとって夢の舞台がなかった時代から、大きな変革が始まろうとしている。
